売掛金と買掛金に使用される共通の元帳勘定

買掛金および売掛金で一般に使用される統制勘定は次のとおりです。

[前払金 - 有形資産] および [前受金]

前払金または前受金がこの勘定に転記されます。この勘定は、前受金を記帳するときには貸方に記入され、前受金を請求書に割り当てるときには借方に記入されます。これらの取引は、たとえば、[銀行取引 (tfcmg2500m000)] セッションで入力されます。

[実現為替差益]

実現為替差益がこの勘定に転記されます。この勘定は、外貨建て請求書の支払または回収を処理するときに使用されます。回収時点の為替レートが請求時点の為替レートと異なる場合、結果として為替差益が生じます。

実現為替差益は次の時点で転記されます。

  • 請求書が最終的に支払われたとき
  • 支払差額の償却が行われたとき
  • 前払金または未配賦支払が請求書に割り当てられたとき

[実現為替差損]

実現為替差損がこの勘定に転記されます。この勘定は、外貨建て請求書の支払または回収を処理するときに使用されます。回収時点の為替レートが請求時点の為替レートと異なる場合、結果として為替差損が生じます。

[未実現為替差益]

為替差益がこの勘定に転記されます。この勘定は次の場合に使用されます。

  • 外貨の請求通貨建て請求書に対して支払予定/回収予定が処理された場合
  • 回収時点の為替レートが請求時点の為替レートと異なり、結果として為替差益が生じた場合
  • [為替差の評価替 (tfacr2250m000)] セッションまたは [為替差の評価替 (tfacp2240m000)] セッションを使用して為替差の評価替を行う場合

実現為替差益は次の時点で転記されます。

  • 請求書が最終的に支払われたとき
  • 支払差額の償却が行われたとき
  • 前払金または未配賦支払が請求書に割り当てられたとき
注: 

未実現為替差益は、買掛金パラメータまたは売掛金パラメータに指定された場合にのみ転記されます。

[未実現為替差損]

為替差損がこの勘定に転記されます。この勘定は次の場合に使用されます。

  • 外貨の請求通貨建て請求書に対して支払予定/回収予定が処理された場合
  • 回収時点の為替レートが請求時点の為替レートと異なる場合、結果として為替差損が生じます。
  • [為替差の評価替 (tfacr2250m000)] セッションを使用して為替差の評価替を行う場合または [支払差額の償却 (tfacr2240m000)] セッションを使用して為替差の評価替を行う場合。[支払差額の償却 (tfacr2240m000)]/ [貸倒損失償却 (tfacr2255m000)] セッションでは、既存の 「未実現為替差損」 が相殺転記された後、「支払差額」/「貸倒損失償却」 勘定科目に転記されます。

実現為替差損は次の時点で転記されます。

  • 請求書が最終的に支払われたとき
  • 前払金または未配賦支払が請求書に割り当てられたとき

貸倒損失償却

[貸倒損失償却 (tfacr2255m000)] セッションでは、償却済の 「貸倒損失」 がこの勘定科目に転記されます。このセッションを使用すると、すでに回収不可の金額を自動的に償却できます。

[支払差額]

支払差額がこの勘定に転記されます。[支払差額の償却 (tfacr2240m000)] または [支払差額の償却 (tfacp2230m000)] セッションを使用して、小さい差額を自動的に償却できます。

[割引]

値引を含む回収または支払を処理するときに、値引がこの勘定に転記されます。

[延滞金利]

延滞金利額は、[銀行取引 (tfcmg2500m000)] セッションで控除されるときに、この勘定に転記されます。

[支払予定] および [回収予定]

支払予定および回収予定はこの勘定に転記されます。[銀行/支払方法別転記データ (tfcmg0146s000)] セッションの [口座種別] フィールドで [支払予定] または [回収予定] が選択されている場合、この勘定科目に予定取引が記帳されます。回収状況が [予定] から [最終] に切り替えられると、入出金額は統制勘定に振り替えられます。

[支払予定の控除額] および [回収予定の控除]

この勘定は、[銀行/支払方法別転記データ (tfcmg0146s000)] セッションの [控除額] フィールドの設定に応じて使用されます。

支払または回収の調整が終了していない間 (すなわち、支払/回収が予定の状況にある場合) は、すべての控除 (値引、延滞金利、および支払差額) をこの元帳勘定に格納できます。

支払または回収が予定の状況にある限り、さまざまな見込み控除は値引、延滞金利、または支払差額の最終勘定には転記されず、この中間勘定に一括して転記されます。控除は、支払または回収が調整されると、この中間勘定から最終勘定へ転記されます。

[正味前払金 - 有形資産] および [正味前受金]

たとえば、ドイツなどのいくつかの国では、多額の前払金/前受金に税金を支払う義務があります。税抜き支払済合計金額がこの勘定に転記されます。

注: 

前払金/前受金に税金を賦課する場合には、[現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000)] セッションで [前払金/前受金の税金計算] チェックボックスをオンにします。

[前払金総額 - 有形資産] および [総前受金]

[現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000)] セッション の[前払金/前受金の税金計算] チェックボックスをオンにすると、前払金/前受金の税金が計算されます。税込み支払済合計金額がこの勘定に転記されます。

[仮払金] および [仮受金]

仮払金/仮受金がこの勘定科目に転記されます。この勘定は、仮払金または仮受金を記帳するときは借方に記入され、これを請求書に割り当てるときは貸方に記入されます。