輸送請求と販売請求の統合

商品の輸送責任が販売側の会社にあり、この会社が商品を輸送する運送業者を雇う場合、輸送後に運送業者は販売側の会社に請求書を送付します。会社が運送業者に支払わなければならない輸送レートは、輸送費と呼びます。輸送サービスを手配した取引先に対して、その輸送費用を請求できます。

マスタデータ

取引先に輸送を請求する場合、次のマスタデータを指定します。

  • [品目 - 販売取引先 (tdisa0510m000)]

    [輸送費請求] チェックボックスをオンにします。このチェックボックスの値は、 [販売オーダライン (tdsls4101m000)] セッション、[販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100)] セッション、および [販売見積ライン (tdsls1501m000)] セッションの [輸送費請求] チェックボックスのデフォルトになります。
  • [販売先取引先 (tccom4110s000)]

    [輸送に対する請求取引先] チェックボックスをオンにします。このチェックボックスの値は、[販売オーダ (tdsls4100m000)] セッションの [請求対象の運賃] チェックボックスまたは [販売見積概要 (tdsls1500m000)] セッションの [輸送費請求 ] チェックボックスのデフォルトになります。
  • [請求先取引先 (tccom4112s000)]

    [輸送請求基準] フィールドを次のいずれかの値に設定します。

    • [輸送費]

      オーダ、出荷、または積荷の輸送費を現在利用可能な最善の情報に基づいて決定する場合に指定します。輸送請求額は、価格設定運送業者レート帳に基づいて決定されます。この費用は、見積輸送費とも呼びます。
    • [輸送費 (更新可能)]

      運送業者の請求を特定の積荷または出荷と照合してから輸送費を請求する場合に指定します。基本的に、輸送請求額は価格設定の運送業者レート帳に基づいて決定されます。これらの費用は、実際輸送費とも呼びます。
    • [クライアントレート]

      価格設定クライアントレート帳に基づいて輸送請求額を決定する場合に指定します。このレート帳簿は、特定の取引先についての輸送サービスレートを保存します。

原価加算請求

[輸送請求基準] フィールドが [輸送費] または [輸送費 (更新可能)] に設定されている場合と、原価加算金額または原価加算率を請求書に追加する場合は、[請求先取引先 (tccom4112s000)] セッションの次のフィールドを指定します。

  • [追加の割合]

    輸送請求額を増加させる割合
  • [追加金額]

    輸送請求額を増加させる金額

請求方法

会社は、次の費用をもとに外部の取引先に輸送レートを請求できます。

  • [輸送費]
  • [輸送費 (更新可能)]
  • [クライアントレート]

[輸送費]

輸送請求額は現在利用可能な最善の情報に基づいて計算されます (見積輸送費)。これらの輸送費は価格設定の運送業者レート帳から取得され、オーダ、出荷、または積荷に変更が加えられるたびに更新されます。販売オーダ (納入) ラインについて計算された金額と一緒に、販売請求書が請求に発行されると、輸送請求書も請求に発行されます。請求では、オーダ請求書は輸送請求書と結合され、1 つの請求書として送付されます。

販売請求書の発行の前に輸送請求書が請求に発行された場合、販売された商品と輸送された商品にそれぞれ 1 通ずつ請求書が送付されます。

[輸送費 (更新可能)]

輸送のすべての積荷に基づいて、輸送費額がオーダ (納入) ラインまたは見積ラインに配分されます。まず、輸送費 (見積輸送費) が価格設定の運送業者レート帳に基づいて決定されます。その後、運送業者の請求書が受領され、買掛金で照合されると、実際原価が指定可能になります。販売オーダ (納入) ラインに配分された金額 (つまり輸送費) と一緒に、販売請求書が請求に発行された後に、輸送請求書も請求に発行されます。

販売請求書の発行の前に輸送請求書が請求に発行された場合、販売された商品と輸送された商品にそれぞれ 1 通ずつ請求書が送付されます。

運送業者から実際費用を受領する前に、販売オーダ (納入) ラインを輸送費で請求する場合、見積輸送費と実際費用の差異を顧客に請求できます。

注: 

取引先に差異を請求する場合、追加の請求書を生成できます。請求書は、[輸送請求パラメータ (fmfri0100m000)] セッションの [金額が右記値より大きい場合] フィールドまたは [右記値より大きい場合] フィールドに指定したデータに基づきます。

[クライアントレート]

請求方法が[クライアントレート]の場合、輸送請求額は、輸送レートに関する確定した顧客との合意に基づきます。このため、運送業者に支払わなければならない輸送費を補てんするために、顧客に請求できます。

輸送 (請求) 金額の計算

輸送請求金額を計算するために、[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションのオーダラインでのレートおよび運送業者/LSP 選択パラメータに基づいて、運送業者および対応する輸送レートが選択されます。このパラメータの値には [対話式]、[最安値]、または [優先済] があります。

注: 

[販売見積ライン (tdsls1501m000)][販売オーダライン (tdsls4101m000)]、または [販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100)] セッションの計算ログの表示チェックボックスがオンの場合は、輸送費額の計算方法を輸送費額計算ログに表示できます。

[対話式]

販売オーダ入力時または販売見積入力時、輸送にズームして最適な運送業者を選択できます。請求方法、品目、輸送クラス、サービスレベル、輸送タイプ、輸送手段グループなどの要因に基づいて、輸送請求金額が価格設定のレート帳簿から取得されます。

運送業者を取得するには、[販売見積ライン (tdsls1501m000)] セッション、[販売オーダライン (tdsls4101m000)] セッション、または [販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100)] セッションで次の操作を行います。

  1. [輸送費請求 ] チェックボックスをオンにします。
  2. [輸送費額] フィールドの後にある輸送費額ボタンをクリックします。輸送レート (fmfrc0530m000) セッションが開始されます。
  3. 最適な運送業者とサービスレベルの組合せを選択し、[OK] をクリックします。

[輸送レート (fmfrc0530m000)] セッションで選択を行うと、[販売見積ライン (tdsls1501m000)] セッション、[販売オーダライン (tdsls4101m000)] セッション、または [販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100)] セッションで次のフィールドが自動的に指定されます。

  • [運送業者/LSP]
  • [輸送サービスレベル]
  • 輸送費額

[最安値] または [優先済]

販売オーダ/見積の入力時または更新時に、レートが最も低い運送業者、または優先順位が最も高い運送業者が自動的に選択されます。輸送請求金額が自動的に計算または再計算されます。

注: 
  • [販売見積ライン (tdsls1501m000)] セッション、[販売オーダライン (tdsls4101m000)] セッション、または [販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100)] セッションの輸送費額固定チェックボックスがオンになっていると、オーダ数量が変更された場合にのみ [輸送費額] が再計算されます。その他の変更は輸送費額に影響しません。
  • 最終出荷の確認時には、輸送費額が変更されません。最終以外の出荷の確認時には、輸送費額が納入ライン間で比例配分されます。
  • 輸送費額は、納入数量ではなく、オーダ数量およびオーダ金額に基づきます。