計画入庫日の決定

購買オーダラインまたは購買スケジュールラインを指定するときは、計画入庫日も計算する必要があります。計画入庫日は、オーダ日または生成日、品目リードタイム、およびその範囲に基づいて計算されます。範囲に応じて、計画入庫日を正確に決定したり、一括で決定したりできます。

範囲の決定

現在の日時にリードタイム範囲を追加し、購買の利用性タイプのリンク先となる会社カレンダーを考慮することで範囲が決定されます。オーダ/生成日がこの範囲と比較され、次のいずれかの結果になります。

  • オーダ/生成日が範囲を過ぎている。そのため、計画入庫日は幅を持たせて決定されます。
  • オーダ/生成日が範囲内である。そのため、計画入庫日は幅を持たせて決定されます。
注: 
  • 品目リードタイムは、[品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションおよび [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションで指定できます。
  • 範囲は、[品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションのリードタイム枠 (日数) フィールドから計算されます。
  • リードタイム構成要素は、時間と日数で示すことができますが、リードタイム枠は必ず日数で示されます。
  • 購買の利用性タイプは、[調達パラメータ (tdpur0100m000)] セッションで指定できます。
  • 商品輸送の利用性タイプは、[COM パラメータ (tccom0000s000)] セッションの [商品輸送の利用性タイプ] フィールドで指定できます。
  • 会社カレンダーは、[会社 (tcemm1170m000)] セッションで会社にリンクされているカレンダーです。
  • 会社カレンダーの開始日の前と会社カレンダーの終了日の後には、週労働時間が使用されます。
  • [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションで品目のデータを利用できない場合には、[品目 - 購買 (tdipu0101m000)] セッションの供給時間のみを使用して計画入庫日が決定されます。詳細については、次のトピックを参照してください: 供給時間のみに基づく計画入庫日の設定
  • 計画入庫日を計算するには、[購買オーダライン (tdpur4101m000)] セッションまたは [購買スケジュールライン (tdpur3111m000)] セッションで [計算] をクリックします。これらのセッションの [計画入庫日 ] フィールドに計画入庫日が表示されます。

範囲の決定の例

現在の日付/時間: 3 月 10 日水曜日 15:00:00
購買管理の利用性タイプの会社カレンダーでは、開始時間が 8:00:00、終了時間が 16:00:00、毎週月曜日から金曜日が利用可能です。
リードタイム枠 (日): 10

水曜日には 1 時間利用可能なので、水曜日は 1 日に考えられます。このため、最初の週では 3 日間利用可能です。次の週では、5 日間利用可能です。このため、あとの 2 日は第 3 週目に残されます。3 月 23 日火曜日に利用可能時間があるため、この日が丸 1 日として考慮されます。そして、最後の利用可能時間が範囲時間とみなされます。つまり、範囲は 3 月 23 日火曜日 16:00:00 になります。

オーダ/生成日が範囲を過ぎている場合

オーダ日が範囲を過ぎている場合、購買オーダ/スケジュールは予測需要とみなされます。予測需要では、計画入庫日を正確に決定する必要はありません。

計画入庫日は、会社カレンダーに従って次のように決定されます。

オーダ/生成日 + 計算リードタイム

計算リードタイムは、[品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションの [計算済リードタイム (日数)] フィールドから取得されます。

オーダ/生成日が範囲を過ぎている場合の例

オーダ/生成日: 3 月 25 日木曜日 17:00:00
計算リードタイム (日数): 5
購買の利用性タイプの会社カレンダーでは、開始時間が 8:00:00、終了時間が 16:00:00、毎週月曜日から金曜日が利用可能です。

3 月 25 日木曜日 17:00:00 はカレンダーに従うと利用可能な日付/時間ではないため、計算リードタイムを追加する最初の利用可能な日付/時間が検索されます。この場合、26 日金曜日 8:00:00 になります。その後の 4 日間は次の週に残されます。4 日目の 4 月 1 日木曜日には利用可能な時間があるため、この日が丸 1 日として考慮されます。最後の利用可能時間が計画入庫日とみなされます。このため、計画入庫日は 4 月 1 日木曜日 16:00:00 になります。

オーダ/生成日が範囲内である場合

オーダ/生成日が範囲内である場合、購買オーダ/スケジュールは即時需要とみなされます。即時需要には、計画入庫日の正確な決定が要求されます。このため、計画入庫日の決定では、各リードタイム構成要素の関連するカレンダーが考慮されながら、リードタイム構成要素が合計されます。

次の公式に基づいて計画入庫日を決定します。

オーダ/生成日 + 内部処理時間 + 供給時間 + 輸送時間 + 安全時間

オーダ/生成日とリードタイム構成要素は次のように取得されます。

  • オーダ日: [購買オーダライン (tdpur4101m000)] セッションの [オーダ日] フィールド
  • 生成日: [購買スケジュール (tdpur3110m000)] セッションの [生成日] フィールド
  • 内部処理時間: [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションの [内部処理時間] フィールド
  • 安全時間: [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションの [安全時間] フィールド
  • 供給時間: [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションの [供給時間] フィールド
  • 輸送時間: [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションまたは [購買契約ラインロジスティックデータ (tdpur3102m000)] セッションの輸送時間(日数) フィールド

カレンダー検索パス

計画入庫日を決定する際には、リードタイム構成要素に関連するカレンダーが、次のように考慮され検索されます。

  1. 内部処理時間

    品目と購買元取引先の組合せに購買オフィスが指定されており、その購買オフィスにカレンダーが指定されている場合、購買オフィスのカレンダーが考慮されます。購買オフィスのカレンダーは、[部署 (tcmcs0565m000)] セッションで指定できます。
  2. 購買オフィスにカレンダーが指定されていない場合、または購買オフィスが指定されていない場合は、会社カレンダーが考慮されます。
  3. 供給時間

    出荷元取引先が指定されており、その出荷元取引先にカレンダーが指定されている場合は、出荷元取引先のカレンダーが考慮されます。
  4. 出荷元取引先のカレンダーが利用できない場合は、購買元取引先のカレンダーが考慮されます。
  5. 購買元取引先のカレンダーが利用できない場合は、会社カレンダーが考慮されます。
  6. 輸送時間

    運送業者が指定されており、購買元取引先がその運送業者にリンクされている場合に、購買元取引先のカレンダーが指定されていれば、購買元取引先のカレンダーが考慮されます。
  7. 運送業者が指定されており、購買元取引先がその運送業者にリンクされている場合に、購買元取引先のカレンダーが指定されていなければ、会社カレンダーが考慮されます。
  8. 運送業者が指定されているが、購買元取引先が運送業者にリンクされていない場合は、会社カレンダーが考慮されます。
  9. 運送業者が指定されていない場合は、会社カレンダーが考慮されます。
  10. 安全時間

    出荷元取引先が指定されており、その出荷元取引先にカレンダーが指定されている場合は、出荷元取引先のカレンダーが考慮されます。
  11. 出荷元取引先のカレンダーが利用できない場合は、購買元取引先のカレンダーが考慮されます。
  12. 購買元取引先のカレンダーが利用できない場合は、会社カレンダーが考慮されます。
注: 

実際のカレンダーは、次の項目に基づいて検索されます。

  • リードタイム構成要素に関連付けられているカレンダー
  • 購買の利用性タイプ
  • 商品輸送の利用性タイプ
  • カレンダーの開始日と終了日

オーダ/生成日が範囲内または範囲より前にある場合の例

オーダ/生成日:  3 月 12 日金曜日 7:00:00
内部処理時間 (時間):  6
供給時間 (日):  1
輸送時間 (日) :  2
安全時間 (時間):  4

購買の利用性タイプおよび [商品輸送の利用性タイプ] の会社カレンダーでは、開始時間が 8:00:00、終了時間が 16:00:00、毎週月曜日から金曜日が利用可能です。購買の利用性タイプおよび [商品輸送の利用性タイプ] の購買元取引先のカレンダーは、開始時間が 8:30:00、終了時間が 16:30:00、毎週月曜日から金曜日が利用可能です。購買の利用性タイプの出荷元取引先のカレンダーは、開始時間が 9:00:00、終了時間が 17:00:00、毎週月曜日から金曜日が利用可能です。

次の公式に基づいて計画入庫日を決定します。

  1. 会社カレンダーが考慮されながら、内部処理時間がオーダ/生成日に加算されます。3 月 12 日金曜日 7:00:00 は、会社カレンダーでは利用可能な日付/時間ではないため、内部処理時間を加算する最初の利用可能日付/時間が検索されます。この場合、3 月 12 日金曜日 8:00:00 になります。
  2. 内部処理時間が、3 月 12 日金曜日 8:00:00 に加算されます。この結果、入庫日の日付/時間は 3 月 12 日金曜日 14:00:00 になります。
  3. 会社カレンダーが考慮されながら、供給時間が 3 月 12 日金曜日 14:00:00 に加算されます。3 月 12 日金曜日は、会社カレンダーに従うと 2 時間残っています。供給時間は日数で示されるため、3 月 12 日金曜日は丸 1 日とみなされます。このため、入庫日の日付/時間は 3 月 12 日金曜日 16:00:00 になります。
  4. 購買元取引先のカレンダーが考慮されながら、輸送時間が 3 月 12 日金曜日 16:00:00 に加算されます。3 月 12 日金曜日は、購買元取引先のカレンダーに従うと 30 分残っています。輸送時間は日数で示されるため、3 月 12 日金曜日は丸 1 日とみなされます。2 回目の輸送日は、3 月 12 日金曜日以後で最初に利用可能な日です。この例では 3 月 15 日月曜日になります。このため、入庫日の日付/時間は 3 月 15 日月曜日 16:30:00 になります。
  5. 出荷元取引先のカレンダーが考慮されながら、安全時間が 3 月 15 日月曜日 16:30:00 に加算されます。3 月 15 日月曜日は、出荷元取引先のカレンダーに従うと 30 分残っています。残りの 3.5 時間は 3 月 16 日火曜日 9:00:00 に加算されます。このため、計画入庫日の日付/時間は 3 月 16 日火曜日 12:30:00 になります。