輸入仕入原価 – 固定額

購買取引には、輸入仕入原価の固定額を自動的に含めることができます。

この機能を有効にするには、輸入仕入原価 (tclct1610m000) セッションで次の設定を指定します。

  1. 方法フィールドを [固定額] に設定します。
  2. 固定額フィールドで金額を指定します。
  3. [固定額レベル] フィールドで、固定額が適用される [固定額レベル] を指定します。
  4. [固定額レベル] が [オーダヘッダ]、[出荷通知]、または [入庫ヘッダ] に設定されている場合は、配分タイプ フィールドで、固定ヘッダ額を各ラインに配分する方法を指定します。

同期と配分

ヘッダに固定額を含む輸入仕入原価ラインが記入されている場合にヘッダ輸入仕入原価を各ラインに割り振る方法を次に示します。

  • 同期

    [輸入仕入原価ライン (tclct2100m000)] セッションで、[固定額レベル] が [オーダライン] または [入庫ライン] に設定されている場合にあてはまります。固定額全額がオーダまたは入庫の各ラインに適用されます。
  • 配分

    [輸入仕入原価ライン (tclct2100m000)] セッションで、[固定額レベル] が [オーダヘッダ]、[出荷通知]、または [入庫ヘッダ] に設定されている場合にあてはまります。[配分タイプ] ([金額]、[重量]、[容積]、[数量]、または [ライン]) によって、固定ヘッダ原価を各ラインに配分する方法が決まります。

オーダヘッダに 10 ユーロの固定額が記入されているとします。

同期
固定額レベル 配分タイプ オーダライン上の固定額
[オーダライン] [適用なし] オーダライン 1 - 10 ユーロ
[オーダライン] [適用なし] オーダライン 2 - 10 ユーロ
配分
固定額レベル 配分タイプ オーダライン上の固定額
[オーダヘッダ] [ライン] オーダライン 1 - 5 ユーロ
[オーダヘッダ] [ライン] オーダライン 2 - 5 ユーロ

配分

ラインを配分処理と再配分処理に含めることができるのは、次の内容に該当する場合に限ります。

  • オーダライン

    ラインに入庫または ASN がまだリンクされていない
  • 入庫ライン

    入庫に関して入庫ラインがまだ確認されていない

入庫または ASN がオーダラインにリンクされている場合または入庫ラインが確認されている場合は、輸入仕入原価ラインが凍結されます。

注: 
  • 入庫 (在庫品目) とは対照的に、購買入庫 (非在庫品目) には入庫ヘッダがありません。このため、[入庫ヘッダ] に基づく固定額が各購買入庫に配分されません。
  • [固定額レベル] が [入庫ヘッダ] または [出荷通知] に設定されており、在庫品目の場合は、最初に固定額がオーダラインに配分されます。この処理の目的は、会計 (オーダ上の) 取引を作成し、ヘッダに基づく輸入仕入原価を把握することです。ASN ヘッダが作成されると、特定の ASN にリンクされている最初の購買オーダから固定額がコピーされます。この後で、金額が各 ASN ラインに配分されます。入庫ヘッダが作成されると、特定の入庫にリンクされた最初の購買オーダ、倉庫移動オーダ、または事前出荷通知 ([固定額レベル] が [入庫ヘッダ] として指定されている) から固定額がコピーされます。その後、金額が各入庫ラインに配分されます。

オーダラインの追加、削除、または取消を行うと、各オーダラインの固定輸入仕入原価額が再計算されます。

  • オーダヘッダ固定額: 10 ユーロ
  • [固定額レベル]: [オーダヘッダ]
  • [配分タイプ ]: [ライン]
オーダライン 輸入仕入原価額
1 5
2 5
オーダライン 2 の取消
1 10
2 0
オーダライン 3 の追加
1 5
2 0
3 5
オーダライン 1 の入庫およびオーダライン 4 の追加
1 (確認済) 5
2 0
3 2.5
4 2.5

オーダラインに対して入庫が作成されると、そのオーダラインの輸入仕入原価が入庫にコピーされます。一部入庫の場合は、固定額が各入庫ラインに配分されます。オーダ数量よりも入庫数量の方が少ない/多い場合は、固定額の残りの金額が最終入庫にリンクされます。

  • オーダライン: 20 個
  • 固定額: 10 ユーロ
オーダ入庫 入庫数量 輸入仕入原価額
1 10 5
2 5 2.5
3 (最終) 4 2.5

オーダ入庫修正

購買入庫の修正 (tdpur4106s100) または入庫訂正 (whinh3121s000) セッションで入庫を修正する場合、入庫数量を修正しても固定額は再配分されません。財務会計での請求書の照合中に輸入仕入原価が調整されます。固定額が各入庫ラインに再配分されるのは、入庫が非最終から最終に、または最終から非最終に変更された場合に限ります。

注: 

[固定額レベル] が [入庫ライン] に設定されている輸入仕入原価ラインを除いて、訂正によって個数当たりの輸入仕入原価額が変更されると、輸入仕入原価ラインに対して在庫差異記帳が作成されます。このことは、在庫処分が適用されない場合に不合格処理で更新された輸入仕入原価ラインにもあてはまります。この場合は、不合格となった入庫ラインにリンクされている輸入仕入原価ラインの数量を更新すると、在庫差異の作成が実行されます。

  • オーダライン: 20 個
  • 固定額: 10 ユーロ
オーダ入庫 入庫数量 輸入仕入原価額
1 12 6
2 (最終) 6 4
数量の変更 (入庫 2)
1 12 6
2 (最終) 8 4
数量の変更 (入庫 2)
1 12 6
2 (最終) 4 4
非最終への変更 (入庫 2)
1 12 6
2 4 3

購買スケジュールの固定額

  • オーダヘッダとオーダライン基準の固定額は、購買スケジュールに適用されません。
  • 入庫ヘッダ基準の固定額は、購買スケジュールの非在庫品目の入庫時には適用されません。
  • 入庫ヘッダ基準の固定額は、購買スケジュールの在庫品目の入庫時に、輸入仕入原価マスタデータから取得されるか、または事前出荷通知が購買スケジュールにリンクされている場合はリンクされた事前出荷通知から取得されます。

詳細については、次のトピックを参照してください::

  • 輸入仕入原価 – 購買スケジュール入庫
  • 輸入仕入原価 – 事前出荷通知