HTML の訪問レポートテンプレートの作成

このテンプレートは、HTML 文書として保存されます。完全なデフォルト HTML テンプレートは、付録 「訪問レポートのデフォルトテンプレート」 に示されています。デフォルトテンプレートは、LN の [訪問レポートテンプレート (tsmdm5100m000)] セッションでも使用できます。
注: 

HTML の訪問レポートテンプレートは、LN 10.5 以降のバージョン (LN クラウド版を含む) でサポートされています。HTML テンプレートは、Windows 版、Android 版、および iOS 版の LN Mobile Service で使用できます。RTF テンプレートは、Windows 版でしか使用できません。

HTML のプレースホルダ

HTML の訪問レポートテンプレートでは、HTML タグのコンテキストに含まれるマーカ内のテキストを使用してプレースホルダを定義するか、プレースホルダを HTML 要素の属性として定義します。プレースホルダには 5 つのタイプがあります。そのうちの 3 つはマーカ内のテキストを使用して定義し、2 つは HTML 要素の属性として定義します。

表記法 プレースホルダのタイプ
{{ラベル名}} ラベル
##プレースホルダ名## データセットからのデータ項目
%%プレースホルダ名%% データセットからの画像
data-dataset=”データセット名” (属性) データセットの ID
data-datasetrow=”データセット名” (属性) データセット行の ID

レイアウト

プレースホルダは、HTML タグの内容の一部として文書内のどの場所にも配置できます。このため、次の構成が有効です。

<span>Service order number ##ServiceOrder## has a start date of ##StartDate##</span>

##ServiceOrder## および ##StartDate## プレースホルダは、実際の訪問レポートで訪問の対応する値に置き換えられます。

データセットセクションを定義するために、「data-dataset」 および 「data-datasetrow」 という 2 つの属性が使用されています。

「data-dataset」 属性には、データセットにレコードが含まれている場合に存在する要素を指定します。データセットにレコードが含まれていない場合は、要素が何も表示されません。レコードが含まれている場合に限りヘッダとフッタの内容を表示する場合は、その要素の中に情報を指定する必要があります。レコードが含まれていなくてもヘッダとフッタの内容を常に表示する場合は、その要素の外に情報を指定する必要があります。

「data-datasetrow」 属性には、データセット内のレコードごとに繰り返される要素を指定します。繰り返される各セクションには、データセット内の 1 つのレコードのデータ値が入力されます。多くの場合、「data-datasetrow」 属性の要素は、対応する 「data-dataset」 属性の要素内に定義されます。

例 1

td_codeblock_example1

赤: LaborCost のデータセット要素。LaborCost データセット内に少なくとも 1 つのレコードが含まれている場合に、この要素とこの要素の内容がすべて表示されます。

オレンジ: LaborCost データセット内のレコードごとにデータセット行要素が繰り返されます。

青: 文書データセットまたは親データセットの一部である要素

サービスオーダ ABC0001 が 1-8-2020 に開始され、それぞれ時間数が 1 時間と 2 時間の 2 つの労務費 Dig と Fill があるとします。上記のテンプレートを使用すると、次の訪問レポートが生成されます。

Service order number ABC0001 has a start date of 1-8-2020

労務
時間 タスク
1:00 Dig
2:00 Fill

親/子関係を表すために、子のデータセット要素を親のデータセット行要素に入れ子にする必要があります。これらの親子関係は、活動と労務費などの間に存在します。

活動と労務費のケースでは、活動ごとに労務費が必要な場合に、労務費データセット要素を活動データセット行要素に入れ子にする必要があります。データセットには、子セットとして使用されるかどうかを識別する構造があります。訪問のすべての労務費ではなく、現在の活動の労務費だけが入れ子の労務費セクションに存在します。

例 2

td_codeblock_example2

緑: 「活動」 データセット内のレコードごとにデータセット行要素が繰り返されます。

赤: LaborCost のデータセット要素。LaborCost データセット内に少なくとも 1 つのレコードが含まれている場合に、この要素とこの要素の内容がすべて表示されます。

オレンジ: LaborCost データセット内のレコードごとにデータセット行要素が繰り返されます。

青: 文書データセットの一部である要素

サービスオーダ ABC0055 が 7-8-2021 に開始され、「Check Cable」 (ケーブルの点検) および 「Correct Sign」 (正しい署名) という 2 つの活動があるとします。最初の活動である 「Check Cable」 には、それぞれ時間数が 1 時間と 2 時間の 2 つの労務費 Dig と Fill があります。2 つ目の活動である 「Correct Sign」 には労務費がありません。上記のテンプレートを使用すると、次の訪問レポートが生成されます。

Service order number ABC0055 has a start date of 7-8-2021

Activity Check Cable

ABC0055-1

労務
時間 タスク
1:00 Dig
2:00 Fill

Activity Correct Sign

ABC0055-2

不要な文書データセット要素

「文書」 データセットは基準となるデータセットであり、1 つのレコードしか含まれていません。データセット要素とデータセット行要素は、「文書」 データセットに対して指定する必要がないため、指定しないでください。

任意のデータセット要素

データセット行要素が含まれている 「data-dataset」 属性のデータセット要素の指定は任意です。データセットに対して 1 つの反復要素だけを表示する必要がある場合は、「data-datasetrow」 属性の要素のみ指定することができます。この内容を例 2 に示します。「活動」 データセットでは、「data-dataset」 属性は使用されません。「data-datasetrow」 属性だけが使用され、「活動」 データセット内のレコードごとに繰り返す必要のある要素を指定します。

子に含まれる親データ値

どのデータセットプロパティにも対応していないデータプレースホルダがデータセット要素またはデータセット行要素に含まれている場合は、親データセットを使用して置換が実行されます。親データセット内に一致するものが見つからない場合、プレースホルダが照合され、文書データセットの値に置換される可能性があります。この内容を例 2 に示します。「活動」 データセット行には、文書データセットの ##ServiceOrderCode## プレースホルダで、サービスオーダコードと活動ラインの組み合わせが出力されます。

合計

費用を表す各データセットに対して、合計が計算されます。デフォルトテンプレートでは、これらの合計が要約段落に表示されます。

プレースホルダ Totalxxx および GrandTotal は、選択した活動の全費用の値を表示します。これらの費用の詳細ラインは、必ずしもレポートに表示する必要はありません。プレースホルダ TotalDetailxxx および GrandDetailTotal には、詳細原価ラインから取得された値だけが含まれます。

テンプレートの編集

HTML の訪問レポートテンプレートを編集する場合には、HTML の基礎知識が必要です。HTML ファイルはテキストエディタで開いて編集できますが、HTML ファイルの作成と編集に使用できる高度なツールが多数用意されています。

スタイルと画像

外部ファイルはテンプレートで使用できません。スタイルと画像をテンプレートファイル内に埋め込む必要があります。CSS 書式のスタイルは、html 要素内で style 属性を使用してインラインで定義するか、head 部分内で style 要素を使用して文書レベルで内部的に定義することができます。画像は、さまざまな方法で HTML 文書自体に埋め込むことができます。

画像を埋め込む例は、LN のデフォルト HTML テンプレートで確認できます。このテンプレートは、[訪問レポートテンプレート (tsmdm5100m000)] セッションからインポートしてダウンロードするか、[追加ファイル (ttadv2570m000)] セッション (追加ファイル tssocLN_Mobile_Service_Visit_Report_Template.html) からダウンロードすることができます。