中央共通データ

必要な機能に応じて、上記のセクションで説明したテーブルだけでなく、他のいくつかの共通テーブルも共有可能または共有必須となります。これらのテーブルについて、このセクションで説明します。

R05000 中央先頭空番号 (KT)

テーブルセット R05000 には、中央先頭空番号に対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。中央先頭空番号のシナリオでは、先頭空番号の定義および登録が一元的に処理され、すべての会社 (ロジスティックおよび財務) に適用されます。

中央先頭空番号を使用すると、顧客は、品目、取引先、オーダ、契約など、すべてのオブジェクトに一意の ID を作成し、すべての会社に適用できます。

会社間ですべてのオブジェクト (品目や購買契約など) を共有する場合には、中央先頭空番号が必要です。会社ごとに異なる番号グループを選択すると、たとえば、会社ごとの販売オーダの連続採番ができるようになります。

R05100 中央部署 (KT)

このテーブルセットには、中央部署に対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。中央部署は、部署の一元的な採番を実行できますが、中央従業員としての他のいくつかの要件を満たす目的や財務取引先役割を共有する場合にも必要となります。

共有部署はすべての会社に表示されますが、運営会社にリンクされているため、その運営会社への取引データにしかリンクできません。たとえば、ある販売オフィスが運営会社 100 にリンクされている場合は、この販売オフィスの販売オーダをロジスティック会社 200 で作成することができません。また、各部署を運営会社に入力する必要があります。これにより、ある販売オフィスを会社 100 に入力すると、会社 100 がこの部署の運営会社になり、この部署の販売オーダがこの会社でのみ作成およびメンテナンスできるようになります。

R05200 中央カレンダー設定 (KT)

このテーブルセットには、カレンダーの生成に必要な基本的なデータが含まれています。これらのテーブルを共有すると、すべての会社で共通の定義と作業時間を実現できますが、カレンダーは会社ごとに異なる場合があります。

R05300 中央実際カレンダー (KT)

すべてのカレンダー管理 (運営カレンダーデータ) が共有されます。つまり、すべての会社でカレンダーを使用できるようになります。会社ごとに異なるカレンダーも使用できます。

R05400 中央倉庫 (KT)

このテーブルセットには、中央倉庫に対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。

共有倉庫はすべての会社に表示されますが、運営会社にリンクされているため、その運営会社への取引データにしかリンクできません。たとえば、ある倉庫が運営会社 100 にリンクされている場合は、この倉庫の倉庫オーダをロジスティック会社 200 で作成することができません。また、各倉庫を運営会社に入力する必要があります。これにより、ある倉庫を会社 100 に入力すると、会社 100 がこの倉庫の運営会社になり、この倉庫の倉庫オーダがこの会社でのみ作成およびメンテナンスできるようになります。

R05500 中央品目 (KT)

このテーブルセットには、品目を一元的にメンテナンスするために共有する必要があるテーブルが含まれています。品目を共有する場合は、その品目の日付有効供給ソースも、関係する会社間で共有する必要があります。

ただし、会社ごとに別々の供給ソースが必要な場合は、日付有効供給ソースを共有しないでください。供給ソースは、[品目 (tcibd0501m000)] セッションの [デフォルト供給ソース] フィールドで定義します。日付有効ソースは [品目 (tcibd0501m000)] セッションの [日付別ソース] オプションで定義します。

注: 
  • 参照テーブルも共有されている場合は、さらに 「取引先」 テーブルも共有されています。これは、製造元から購買元取引先への参照が存在するためです。一元管理された品目による 「取引先」 テーブルの共有を回避するには、品目に製造元を使用しないようにするか、製造元に取引先を使用しないようにします。
  • テーブル共有モデラを使用している場合は、[テーブル共有例外 (tltsm2100m000)] セッションで、この参照を製造元と購買元取引先の間で 「承認」 します。取引先への他の参照がすべて削除されます。
  • プロジェクト品目の場合は、プロジェクトテーブル (tcmcs052) も共有する必要があります。
  • 品目を共有し、プロジェクトパッケージを使用する場合は、プロジェクト資源 (R55300) テーブルセットをロジスティック会社間で共有する必要があります。
  • 「プロジェクトペギングパラメータ」 に 「輸出ライセンス」 が導入されている場合は、「部品表」 を共有するか、生産会社で [輸出ライセンス品目構造の検出 (tcibd0208m000)] セッションを実行する必要があります。
  • tcibd001 テーブルは共有されているが、tcibd010 テーブルは共有されていない場合に、1 つの会社の日付有効供給ソースを削除すると、それ以外の会社に存在する日付有効供給ソースが無視されることがあります。これは、1 つの会社で供給ソースが削除されると、すべての会社で [品目 (tcibd0501m000)] セッションの [日付有効品目データあり] チェックボックスがオフになるためです。この理由から、一度作成した日付有効品目ソースは削除しないでください。

日付有効供給ソースが無視されるケース

デフォルト供給ソースが 「ジョブショップ」 の品目 X は、会社 100、200、および 300 の間で共有されています。

会社 200 では、デフォルト供給ソースが日付有効供給ソース 「購買」 に置き換えられます。

会社 300 では、デフォルト供給ソースが日付有効供給ソース 「外注」 に置き換えられます。次に、日付有効供給ソース 「外注」 が会社 300 から削除されます。これで、すべての会社で [品目 (tcibd0501m000)] セッションの [日付有効品目データあり] チェックボックスがオフになります。

この場合、会社 100 と会社 300 には影響がありませんが、会社 200 でデフォルト供給ソース 「ジョブショップ」 が有効になり、日付有効供給ソース 「購買」 が無視されます。

R05600 中央取引先 (KT)

このテーブルセットには、中央取引先に対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。このテーブルセットにはすべての取引先役割も含まれていますが、これらの役割のサブセットだけを共有することもできます。

注: 
  • 購買元役割で購買オフィスを指定し、販売先役割で販売オフィスを指定することができます。この購買オフィスと販売オフィスは TD で指定された部署であるため、これらの部署を共有することはできません。これらの部署は、販売オーダまたは購買オーダでデフォルトのオフィスとして使用されます。部署を現在のロジスティック会社で使用できない場合は、この部署が取引先役割で空白と見なされるため、デフォルトのロジックが継続されます。
  • 一部の財務取引先役割 (請求元および請求先) には、財務テーブルへのソフト参照が含まれています。正確な財務会社を考慮して、これらのテーブルからデータが取得されます。これにより、これらのテーブルの共有先をロジスティック限定の会社にする必要がなくなります。これらのメッセージは、[テーブル共有例外 (tltsm2100m000)] セッションで承認できます。

R05700 中央与信限度額チェック (KT)

このテーブルセットには、会社間の中央与信限度額チェックに対応するために共有する必要があるテーブルが含まれています。

R05800 中央税金設定 (KT)

中央税金設定に対応するには、このテーブルセットのテーブルを共有する必要がありますこのテーブルセットの内容は、次のとおりです。

  • 中央税金処理: 中央税金処理に対応するには、税金処理テーブル (tctax038) を共有する必要があります。また、税金処理は財務会社ごとに指定する必要があります。税金処理を一元的に実行する主な利点は、1 つの会社で税金処理を表示およびメンテナンスできる点です。
  • 中央課税テスト: 中央課税テストを設定しておくと、一元化された一連の課税テストをすべての会社で利用できるようになります。
  • 中央課税設定の例外モデル: 「課税設定の例外モデル」 テーブルは、これらの例外が適用されている会社セットの各会社間で共有する必要があります。
  • 中央所得税および社会献金: 「所得税」 と 「社会献金」 の各テーブルを共有すると、1 つの会社でマスタデータをメンテナンスおよび設定できるようになります。
  • 中央イントラスタットおよび ESL: イントラスタット用レコードはロジスティック会社に記録されます。イントラスタットは、財務会社別に報告されます。(個々のレポートを結合せずに) この処理を実行するには、1 つの財務会社に関連付けられたロジスティック会社間で 「イントラスタット」 テーブルを共有する必要があります。「ESL」 テーブルが 1 つの会社から共有されている場合は、これらのテーブルを共有しているすべての会社に ESL を報告できます。
注: 

税金プロバイダに関連したテーブル (税金プロバイダパラメータ - tctax600、製品分類 - tctax601、製品分類の税金マトリックス - tctax602、住所データ別 GEO コード - tctax605) は、同じ税金プロバイダと同じ税金プロバイダ設定を使用して財務会社間でのみ共有できます。

R05900 中央条件

複数の会社 (ロジスティック会社および財務会社) で条件を共有できます。ただし、これらすべての会社で条件の共有が必要なわけではありません。

「条件」 テーブルを共有する場合は、部署と倉庫を除くすべての参照テーブルも共有する必要があります。LN では常に、運営会社を使用して部署と倉庫が取得されます。

条件は倉庫 (または倉庫グループ) 別および部署別に設定できるため、特定の条件が組織の特定の部分にのみ適用されるように指定することができます。

R06000 中央輸入仕入原価設定 (KT)

このテーブルセットのテーブルを共有する場合は、輸入仕入原価を 1 つの会社で設定およびメンテナンスできますが、他の会社でも使用することができます。

R06100 中央資材価格設定マスタデータ

資材価格をそれぞれの会社間で同じにする場合は、このテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

R06200 中央資材価格設定内容

資材価格設定機能では、完成品の特定の資材の内容 (銅など) によって価格が決まります。このため、完成品の部品表に基づいて、完成品の該当する資材の数量が算出および保管されます。これらの金額をそれぞれの会社間で共有することもできます。このためには、このテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

また、すべての (ロジスティック) 会社で部品表を同じにすることも必要です。この場合には、「R30000: 中央部品表」 テーブルセットのテーブルをこれらの会社間で共有する必要があります。

注: 

中央資材価格設定内容に対応できるのは、関係するどのロジスティック会社でも次の概念が使用されていない場合に限ります。

  • 組立管理
  • 製品コンフィギュレータ (PCF)
  • PCM コンフィギュレータ統合

R06300 中央文書管理マスタデータ

これらのテーブルは、「文書出力管理」 マスタデータを一元的に設定する場合に共有する必要があります。

R06400 中央グローバル貿易マスタデータ

これらのテーブルは、グローバル貿易のマスタデータを一元的に設定する場合に共有する必要があります。

R06500 中央グローバル貿易ライセンス

これらのテーブルは、中央グローバル貿易ライセンスを使用する場合に共有する必要があります。

R06600 中央信用状

LN では、別々のロジスティック会社の部署間で販売取引または購買取引の信用状を使用することができます。このためには、関係するロジスティック会社間でこのテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

R06700 中央銀行保証

銀行保証は、別々のロジスティック会社の部署で使用できます。中央銀行保証に対応するには、このテーブルセットのテーブルをロジスティック会社間で共有する必要があります。

R06800 中央禁輸措置およびボイコット

ロジスティック会社間での禁輸措置およびボイコットの設定と使用に対応するために、このテーブルセットのテーブルをロジスティック会社間で共有できます。この機能を使用するには、テーブルセット R06400 のテーブルも共有する必要があります。

R06900 中央分類体系

通常、分類体系は国間でほぼ同じです。分類体系の一元的な管理に対応するには、このテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

R09900 最大共有共通データ (KT)

このテーブルセットには、共通データパッケージ内の共有可能なすべてのテーブルが含まれています。このテーブルセットに含まれていないテーブルは共有できません。

注: 
  • プロジェクトテーブル (tcmcs052): PCS プロジェクトと TP プロジェクトを含む共通プロジェクトテーブル (tcmcs052) を共有できますが、1 つのプロジェクトは 1 つの会社でしか管理できません。
  • 取引先およびプロジェクト別労務単価 (tccpl092): [プロジェクト] フィールドが使用されている場合、このテーブルの共有はできません。
  • 所得税および社会献金の限度 (tctax017): tctax017 テーブルは、同じ税金 ID および現地通貨を使用している財務会社間でのみ共有できます。これは、源泉徴収税の値が特定の税金 ID にしか適用されないためです。tctax017 テーブルには、源泉徴収税の限度と実際の値が保存されます。
  • 「有効化コード (tcuef002)」 を共有している場合は、有効化コードあたりの原価を指定することができません。有効化コードには、ロジスティックテーブル (ソーシング戦略など) への複数の参照があります。有効化構成はロジスティックに限定された概念であり、「財務会計」 では使用されないので、これらのロジスティックテーブルの共有先を財務限定の会社にする必要はありません。また、これらのロジスティックテーブルは財務会社に存在しないため、この処理は実行できません。ユーザはこれらのメッセージを [テーブル共有例外 (tltsm2100m000)] セッションで承認できます。
  • 「品目オーダ処理 (tcibd200)」 を共有できるのは、サイトが有効な場合に限ります。

テーブルセット間の関係

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