複数の財務会社

複数の財務会社の場合は、必要な機能に応じて、財務会計 (TF) パッケージ内の複数の財務テーブルがこれらの財務会社間で共有可能または共有必須となります (中央請求については、後から説明します)。これらのテーブルセットでは、「一般複数会社設定」 に記載されている共通テーブルも財務会社間で共有されていると見なされます。

R10000 SL-MF 財務会計 (KT)

このテーブルセットには、常に財務会社間で共有する必要がある財務テーブルが含まれています。

R10100 中央統合マッピング (KT)

LN では、特定の環境にあるすべての財務会社間でマッピング体系が必ず共有されるように、マッピング体系を常に一元管理する必要があります。

特定の取引で特定の財務会社に別のマッピングが必要な場合は、財務会社番号を入力して、その会社に固有のマッピングを設定する必要があります。つまり、このテーブルセットのテーブルは常に、「企業モデル管理 (tcemm170)」 の会社テーブルに含まれているすべての財務会社間で共有する必要があります。

注: 
  • このテーブルを共有しても、統合マッピング体系がすべての財務会社に有効になるわけではありません。この共有も必要な場合は、このテーブルセットのテーブルだけでなく、「勘定科目表」 も一元的に設定する必要があります。このため、テーブルセット R10200 のテーブルも共有する必要があります。
  • 「取引タイプ別伝票シリーズ (tfgld017)」 は共有しないでください。ただし、伝票の採番/集約データ (マッピング体系のメンテナンス) を財務会社が設定していない場合は、マッピング体系 (tfgld477) で使用されたシリーズがすべての財務会社に存在する必要があります。

R10200 中央勘定科目表 (KT)

このテーブルセットには、中央勘定科目表に対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。

R10300 財務グループ会社 (KT)

「財務会計」 では、財務会社を財務グループに分類できます。グループ内の会社間で作成された取引を関係会社間取引と呼びます。

このテーブルセットには、同じグループ会社に属している財務会社間で共有するテーブルが含まれています。

R10400 中央統合処理 (KT)

財務統合処理を一元的に記録するには、このテーブルセットで指定されたテーブルを共有する必要があります。

注: 

これらのテーブルを共有すると、パフォーマンスにマイナスの影響が及ぶため、これらのテーブルは絶対に必要な場合にだけ共有するようにしてください。

R10500 複数会社購買請求書照合 (KT)

LN の複数会社構造では、同じ財務グループ会社に属している財務会社で購買請求書照合を実行できます。このためには、同じ財務グループ会社に属している財務会社間でこのテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

会社間で受取請求書レポート (tfacp1432m000) が必要な場合にも、このテーブルセットを導入する必要があります。

このテーブルセットのテーブルは、結合済の複数会社受取請求書レポートが生成される会社で共有する必要があります。

R10600 中央現預金管理 (KT)

中央現預金管理を使用すると、グループ会社のすべての財務会社に関して、グループ会社で支払と回収を実行できます。このテーブルセットには、中央現預金管理に対応するために共有するテーブルが含まれています。

支払スケジュールまたは回収スケジュールを使用する場合は、「銀行リレーション (tfcmg001)」 テーブルも共有する必要があります。

R10700 複数会社固定資産移動 (KT)

固定資産は、1 つの財務会社から別の財務会社に移動させることができます。この機能を使用可能にするには、このテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

R10800 中央調整取引 (KT)

次の理由から、調整取引テーブルを共有しないことをお勧めします。

  • 調整機能では、調整分析が主に (限定はされないが) 財務会社で実行されるため、データが物理会社に存在する必要がありません。
  • 調整取引テーブルは、多くのエリアで調整が必要な場合に、非常に大規模になる傾向があります。

ただし、選択した設定で、ごく一部の調整グループに関してのみ調整取引のログが有効になっている場合は、調整取引を共有してもかまいません。この後で、このテーブルセットのテーブル全体を共有する必要があります。また、テーブルのサイズが問題でない場合は、購買オーダやサービスオーダなど、それぞれの財務会社の調整取引にリンクされているロジスティックデータを削除したりアーカイブしたりすると、パフォーマンスがやや向上するという利点があります。

R11000 中央財務諸表 (KT)

中央財務諸表を使用すると、財務諸表の共通定義を指定し、財務会社全体のレポート (財務会社全体の予算と実際を比較するレポートなど) を作成することができます。このためには、このテーブルセットのテーブルを共有する必要があります。

R11100 中央納税申告 (KT)

「財務会計」 では、複数の会社に 1 つの納税申告を使用できます。このガイドには、これがどの財務会社間で許可されているかについての法的な側面は記載されていません。中央納税申告には、VAT 申告または社会献金の源泉徴収税の申告があります。指定した会社セットに属しているすべての会社で中央納税申告が実行されます。中央納税申告を使用可能にするには、このテーブルセットのテーブルを、このテーブルセットに属している会社間で共有する必要があります。税金分析テーブルを共有する必要はありません。

「現預金管理」 では、税金の支払は納税申告の作成元の会社で作成されます。

R11200 中央取引入力 (KT)

1 つの財務会社で、同じグループ会社に属している別の財務会社の取引を入力できます。このためには、このテーブルセットのテーブルをこれらの財務会社間で共有する必要があります。

R11300 中央標準通貨システムレポート (KT)

複数の財務レポートを複数の財務会社で出力することができます。このようなレポートの例として 「試算表」 があります。標準通貨システム以外の通貨システムの場合、これらのレポートは参照通貨で出力されます。標準通貨システムでは、レポート通貨グループ (tfgld0680m000) を設定して、これらのレポートを複数の財務会社で出力できるようにする必要があります。レポート通貨グループを設定するには、財務会社が少なくとも 1 つの自国通貨を共有していることが必要です。このテーブルセットに含まれているテーブルのうち、該当するテーブルをこれらの財務会社間で共有する必要があります。

R11400 中央取引タイプ (KT)

このテーブルセットには、中央取引タイプに対応するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。

R11500 中央勘定科目照合設定 (KT)

このテーブルセットには、中央勘定科目照合を設定するために共有する必要があるテーブルが含まれています。中央勘定科目照合を有効にするには、会社ごとに勘定科目照合設定を初期化します。この処理は、1 つの会社内で実行できます。勘定科目照合処理は、現在の会社内でしか実行することができません。

これらのテーブルが共有されている場合は、会社間で一括更新を実行することもできます。

注: 

中央勘定科目照合では、共有済の勘定科目表が必要となります。

R11600 中央予算マスタデータ (KT)

このテーブルセットには、予算を設定するためのマスタデータが含まれています。たとえば、予算と予算勘定を共有すると、各会社は予算構造で同じコードを使用できます。

注: 

これらのテーブルの共有は、予算の一元化を意味していません。実際予算は会社別のままになります。

R11700 中央 A/P ヘッダ伝票 (KT)

このテーブルはグループ会社内で共有できます。これにより、中央支払処理のパフォーマンスが向上します。また、このテーブルを共有すると、財務会社間で発注先/支払期日別現預金予測 (A/P) を表示することもできます。

R11800 中央 A/R ヘッダ伝票 (KT)

このテーブルはグループ会社内で共有できます。これにより、中央口座引落処理のパフォーマンスが向上します。

R11900 中央支払ビュー (KT)

1 つの会社からこのテーブルセットのテーブルを共有すると、権限のあるユーザは、これらのテーブルを共有しているすべての会社の支払を表示して管理することができます。

R12000 中央回収ビュー (KT)

1 つの会社からこのテーブルセットのテーブルを共有すると、権限のあるユーザは、これらのテーブルを共有しているすべての会社の (財務) 回収を表示して管理することができます。

R12100 中央督促状管理簿

これらのテーブルは、対象となる複数の財務会社で共有する必要があります。これにより、いずれかの会社の A/R 信用アナリストが入力した督促状管理簿および活動をどの会社からでも確認できるようになります。

R12200 中央相互検証ルール

このテーブルセットには、中央相互検証ルールを適用するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。これらのルールでは、どのディメンションをどの元帳勘定に適用するかを指定します。

注: 

中央勘定科目表 (R10200) がある場合でも、非一元的な相互検証ルールを設定できます。

R12300 中央与信チェック

これらのテーブルは、A/R 信用アナリストが中央債権回収を処理し、複数の財務会社からの請求書の督促通知を作成する場合の対象となる財務会社で共有する必要があります。

注: 

与信チェック関連の売掛金パラメータ (tfacr000 テーブル内) は、作業中の (現在の) 会社からしか読み取られません。このため、作業の一貫性を確保するには、債権回収と督促通知を常に同じ財務会社から実行するか、売掛金パラメータに含まれる与信チェックパラメータをこれらの会社間で同じにする必要があります。

R12400 中央年齢調べ

このテーブルセットには、複数の財務会社を対象に中央年齢調べを実行するために共有する必要があるすべてのテーブルが含まれています。

R12500 中央受取済請求書

同じ財務グループ会社に含まれている複数の財務会社の請求書をいずれかの財務会社で一元的に受け取ってスキャンすることができます。請求書の照合および承認は、中央購買請求書照合が導入されている場合を除いて、担当の財務会社で実行されます。中央受取済請求書機能を有効にするには、このテーブルセットのテーブルを財務会社間で共有する必要があります。

このテーブルセットのテーブルはグループ会社内で共有できます。これにより、R10300 との関係が利用可能になります。

R12600 - 中央外部請求書

請求書を外部請求ソフトウェア (Basware など) から受け取ることができます。これらの請求書は財務会社に受け取られ、その財務会社で処理されてから、請求書が属している財務会社に渡されます。

このテーブルセットのテーブルを共有すると、これらの外部請求書を別の財務会社で表示および処理することもできるようになります。

このテーブルセットのテーブルはグループ会社内で共有できます。このため、テーブルセット R10300 との関係が存在します。

R14900 – 最大共有財務会計 (KT)

このテーブルセットには、財務会計 (TF) パッケージ内の共有可能なすべてのテーブルが含まれています。このテーブルセットに含まれていないテーブルは共有できません。

次のテーブルは、複数会社購買請求書照合を使用する場合にのみ共有する必要があります。

  • 承認対象オーダ (tfacp240)
  • 回収 (tfacp245)
  • 購買オーダラインと関連する請求書 (tfacp250)
  • 購買入庫ラインと関連する請求書 (tfacp251)
  • 購買消費 (tfacp249)
  • 購買消費関連請求書 (tfacp253)
  • 輸入仕入原価ライン履歴 (tfacp239)
  • 輸入仕入原価ライン (tfacp244)
  • 請求書別輸入仕入原価ライン (tfacp254)
注: 
  • 「購買請求書権限 (tfacp0006)」 テーブルは、同じ現地通貨を使用している会社間でのみ共有できます。
  • 「R10500 複数会社購買請求書照合 (KT)」 テーブルセットのテーブルを共有する必要があるのは、複数会社購買請求書照合を使用している場合に限ります。

テーブルセット間の関係

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