外注を設定するには

外注機能は、それぞれの組織の要件に最適な方法でセットアップできます。以下のガイドラインおよび例に、外注が各種のビジネスシナリオにどのように適合するのかを示します。

一般的なガイドライン

輸送オーダラインクラスタまたは積荷作成に輸送オーダを使用できます。輸送オーダに対して積荷作成が有効になっていると、輸送オーダラインクラスタにはこの輸送オーダを使用できません。逆に言えば、輸送オーダラインクラスタには、積荷作成が無効になっている輸送オーダしか使用できません。すべての輸送オーダに輸送オーダラインクラスタを使用している場合は、積荷作成は使用できません。輸送の積荷作成機能を使用して作成した積荷を外注できます。積荷状況が 「実際」 から 「完了」 までの場合は、積荷の外注指示を出力できます。

以下は、輸送オーダの外注をセットアップするための基本的な方法です。後述するシナリオに、特定のビジネスシナリオの要件に合わせてどのようにセットアップを微調整するかを示します。

  • すべての輸送オーダに輸送オーダラインクラスタを使用

    この方法で外注をセットアップした場合、すべての輸送オーダについて積荷計画が無効になるので、クラスタ化された未計画の輸送オーダしか外注できません。
  • 特定のプロパティを持つ輸送オーダに輸送オーダラインクラスタを使用

    たとえば、特殊な輸送タイプまたは輸送条件を必要とする輸送オーダについて、輸送の計画および実行を外注することができます。この輸送オーダでは、積荷作成は無効です。つまり、これ以外の輸送オーダについては、積荷作成を使用して、計画積荷を外注できます。
  • 計画積荷だけに外注を使用

    この結果、すべての輸送オーダについて輸送オーダクラスタが無効になります。計画積荷のみを外注できます。
  • 外注なし

    すべての輸送オーダに積荷作成を有効にしますが、計画積荷について外注指示を出力するオプションは使用しません。

シナリオ

以下のシナリオでは、輸送計画を使用しない荷主および商品の輸送の一部を自分自身で計画する荷主の場合に、輸送オーダの外注をどのようにセットアップするかを説明します。

荷主が輸送計画を使用しない

輸送計画を使用しない荷主の場合、通常、以下のようなビジネスシナリオが考えられます。それぞれのシナリオに固有のセットアップ要件があります。

荷主が 1 社の運送業者または物流プロバイダと連携している

荷主は輸送の計画および実行には関与しません。輸送の計画および実行については、荷主は単一の運送業者または物流サービスプロバイダと契約または提携関係を結び、この運送業者または物流サービスプロバイダが輸送にかかわるあらゆる要件を処理します。

このシナリオでは、たとえば、定義した輸送オーダタイプの [積荷計画] チェックボックスをオフにすることで、すべての輸送オーダを輸送オーダの外注に使用できます。輸送オーダの外注先の運送業者は 1 社のみなので、LN による運送業者の選択は必要ありません。外注のために 1 社の運送業者をメンテナンスする必要だけあります。

また、[輸送オーダ管理パラメータ (fmfoc0100m000)] セッションで、すべての新規の輸送オーダのデフォルト運送業者となるデフォルト運送業者を定義するか、定義する輸送オーダタイプについてデフォルト運送業者を定義することもできます。

輸送費の計算および運送業者請求書の照合が必要なければ、[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションで [輸送原価計算] チェックボックスをオフにでき、オーダ管理価格設定モジュールで運送業者レート帳簿をメンテナンスする必要はありません。

荷主が優先運送業者のリストから運送業者を選択する

この場合も荷主は輸送の計画および実行には関与しませんが、輸送オーダを効率的に外注するために、運送業者のリストの中から、最適で最安値の運送業者を荷主が選択します。このような場合、荷主は輸送の前に輸送費を見積もり、運送業者の請求書をチェックする必要があります。これにより、荷主は輸送費と実行される輸送の効率性について判断することができます。

このシナリオでも、すべての輸送オーダを輸送オーダの外注に使用できるように設定する、輸送オーダタイプの [積荷計画] チェックボックスをオフにすることができます。運送業者の選択と輸送費の計算が必要なので、オーダ管理価格設定モジュールで適切な運送業者と運送業者レート帳簿のリストをメンテナンスしなければなりません。

荷主自身が輸送の一部を計画する

商品の輸送の一部を自分自身で計画する荷主の場合、以下のようなビジネスシナリオが考えられます。前記のシナリオの場合と同様、それぞれのシナリオに固有のセットアップ要件があります。

通常の輸送については荷主が計画するが、例外的な輸送オーダの輸送計画については固定された運送業者に外注する

荷主自身の輸送体系または専用の運送業者が輸送を実行するため、または通常の輸送活動が荷主の基幹ビジネスに関連し、輸送活動の計画および実行を荷主自身が直接管理するため、荷主自身が輸送活動のほとんどを計画します。例外的な輸送活動は輸送計画に含まれず、固定された運送業者、配送業者、または LSP に輸送オーダとして外注されます。外注されたオーダの輸送費の見積と請求書の照合が必要です。

この環境では、特殊な輸送条件や特殊な輸送手段を必要とする可能性が高い特定のタイプの商品だけが、固定された運送業者に外注されます。つまり、このようなタイプの商品がリストされている輸送オーダが、外注に使用できるようになっている必要があります。このためには、[積荷計画] チェックボックスをオフにする輸送手段グループまたは輸送タイプを定義します。このような輸送タイプ/輸送手段グループは、[品目 - 輸送管理 (fmfmd1100m000)] セッションで品目に追加できます。

荷主が運送業者を選択する

通常の輸送については荷主自身が計画し、場合によっては輸送も行いますが、例外的な輸送オーダについては特定の基準に基づいて選択された別の運送業者に外注します。外注されたオーダの輸送費の見積と請求書の照合が必要です。

このシナリオでの外注のセットアップは、上記のシナリオの場合とほとんど同じです。大きな違いは、輸送の計画および実行を担当する運送業者がリストから選択される点です。このためには、このシナリオでも [積荷計画] チェックボックスをオフにする輸送手段グループおよび輸送タイプを定義します。運送業者の選択、輸送費の見積、請求書の照合を実行可能にするため、外注用にメンテナンスされている運送業者について運送業者レートのメンテナンスが必要です。