「輸送」 で地域を定義して使用するには

輸送では、地域は同じ [地域] エンティティを共用する多数の住所で構成されます。地域は [地域 (tcmcs0145m000)] セッションで定義します。

以下の目的に地域を使用できます。

  • 標準経路に含まれる住所を定義するため
  • 輸送オーダラインの計画グループ基準とするため

地域を定義するには

地域を定義するには、[住所 - 輸送管理 (fmfmd0110m000)] セッションにアクセスし、この地域に取り込むそれぞれの住所に対して [地域 (tcmcs0145m000)] セッションから地域コードを追加します。

ロンドン中心部に販売地区を定義するには、[地域 (tcmcs0145m000)] セッションで LSW という [地域] を定義します。

[住所 - 輸送管理 (fmfmd0110m000)] セッションで、たとえば以下の販売地区に存在する顧客住所を選択します。

  • 86, Brompton Road, London SW3 1ER
  • 220, Fulham Rd, Chelsea, London SW10 9NB
  • 201 New Kings Road, London SW6 4SR

それぞれの住所について、[地域] LSW を追加します。

地域を使用して、標準経路住所を定義するには

地域または郵便番号範囲を使用して、標準経路の住所を定義できます。地域を使用して標準経路の住所を定義した場合、この標準経路は通常、複数の地域から構成されます。

標準経路の地域には、上記の例に示すように、納入住所などのいくつかの住所が含まれます。

標準経路に含まれる地域内の住所については、輸送計画および輸送費の計算は行われません。これは、この地域内の住所間の距離が非常に短くて、輸送計画および輸送費の計算が不適当であるためです。輸送計画および輸送費の計算は、標準経路の地域の [参照住所] 間の距離に対して行われます。

標準経路内の地域の使用例

この例の標準経路では、3 週間に 1 度トラックでステレオ装置が小売店に輸送されます。倉庫と参照住所間の距離に対して、輸送費が請求されます。地域内の移動距離については、輸送費は請求されません。

たとえば、地域 2 の納入住所 7 へ納入する場合、倉庫から地域 1 の参照住所までの距離に、地域 1 の参照住所から地域 2 の参照住所までの距離を加算した距離に対して輸送費が請求されます。地域 2 の納入住所 5 へ納入する場合も、同じ金額が請求されます。地域 1 の納入住所へ納入する場合は、倉庫から地域 1 の参照住所までの距離について輸送費が請求されます。地域 3 の納入住所へ納入する場合は、倉庫から地域 1 の参照住所までの距離に、地域 1 の参照住所から地域 2 の参照住所までの距離、さらに地域 2 の参照住所から地域 3 の参照住所までの距離を加算した距離に対して輸送費が請求されます。

標準経路内の地域の定義方法

[地域] を使用して標準経路住所を定義するには、以下の手順に従います。

  1. [住所 - 輸送管理 (fmfmd0110m000)] セッションで、標準経路でカバーされる住所に [地域] を追加することで、地域を定義します。
  2. [標準経路別地域 (fmlbd0152m000)] セッションで、この地域を標準経路に追加します。
  3. この地域の [参照住所] を選択します。
  4. 標準経路に定義したいこれ以降の地域に対して、上記のステップを繰り返します。

[標準経路別地域 (fmlbd0152m000)] セッションで、これらの地域への輸送順序を指定できます。

輸送オーダラインの計画グループ基準として地域を使用するには

計画グループの選択基準として地域を使用するには、計画グループの計画マトリックスでこの地域を属性として使用し、計画グループに割り当てる各積込住所または荷降住所にこの地域を追加する必要があります。輸送オーダラインの積込住所または荷降住所の地域が計画グループの地域と一致した場合、計画グループにこの輸送オーダラインが割り当てられます。

出荷オフィス New York 1 は、倉庫 New York 1 で出庫および入庫されるすべての商品について輸送計画を行います。円滑な輸送計画を実現するために、販売オーダから自動的に輸送オーダが作成され、倉庫 New York 1 から出庫される商品が販売オーダにリストされている場合、この販売オーダから生成される輸送オーダは出荷オフィス New York 1 に自動的に割り当てられます。ヨーロッパへの輸送計画を処理するために、出荷オフィス New York 1 では計画グループを 2 つ使用します。計画グループ EU が EU 諸国を担当し、計画グループ Non-EU が EU 諸国以外の国々を担当します。

倉庫 New York 1 に保管されている商品についてヨーロッパの顧客を対象とした販売オーダが作成されると、輸送オーダが生成され、出荷オフィス New York 1 に自動的に割り当てられます。EU 内の国の顧客の場合、輸送は計画グループ EU が担当し、EU 以外の顧客の場合は、計画グループ Non-EU が計画を担当します。

注: 

前述したように、地域内の住所については、輸送費の計算と輸送計画は行われません。上記の例のように、積込住所から荷降住所までの距離が遠い非常に大きな地域では、輸送費の請求が発生しないことはまずありません。また、輸送計画なしで済ませることもできません。このような場合、地域を使用して計画グループ基準を定義できますが、標準経路を定義するには、郵便番号範囲を使用します。このようにして、広い地域に対してレート構造をセットアップできます。郵便番号範囲は、[標準経路別郵便番号 (fmlbd0151m000)] セッションで定義します。

2 つの地域の使用を結合するには

また、2 つの地域の使用を結合することもできます。その場合は、標準経路の地域で定義されている住所を輸送する輸送オーダラインが、同じ地域にリンクされている計画グループに割り当てられます。たとえば、計画グループ CLD (Central London) がロンドン中心部地域にある小売店への輸送を担当します。一定の経路で 2 週間に 1 度、これらの小売店に商品が輸送されます。

注: 

輸送費の請求が発生し、なおかつ地域の住所間の輸送に輸送計画が必要になった場合は、計画グループの割当と標準経路の定義の両方に 1 つの地域を使用することはできません。