見積輸送費の計算

積荷と出荷について、輸送は、積荷作成中に積荷と出荷の見積輸送費を計算します。輸送オーダクラスタについては、輸送は、輸送オーダクラスタ処理中に見積輸送費を計算します。

また、以下のタイプの個々のオーダラインに対する見積輸送費の計算にも輸送計算エンジンが使用されます。

  • 販売オーダ
  • 販売見積
  • 輸送オーダ

オーダラインまたは見積ラインに対する輸送費収益計算については、オーダライン入力時の輸送費収益計算を参照してください。このトピックでは、積荷作成時および輸送オーダクラスタ時の見積輸送費の計算について取り上げます。

積荷作成処理または輸送オーダクラスタ処理が行われると、自動的に計算エンジンが有効になります。

注: 

輸送費の計算を有効にするには、[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションで [輸送原価計算] チェックボックスをオンにする必要があります。

計算エンジンは、積荷作成エンジンでの積荷と出荷の作成時に積荷と出荷の輸送費を計算し、クラスタ処理時に輸送オーダクラスタの輸送費を計算します。

輸送費の計算処理

  1. 積荷および出荷の場合、計算エンジンは評価が出荷または積荷に基づく必要があるかどうかをチェックします。評価が出荷に基づく場合、積荷の出荷について算出されたコストを追加して、積荷のコストが計算されます。

    評価が積荷に基づく場合、積荷のコストが出荷で除算され、出荷当たりのコストが算出されます。

    クラスタの場合は、評価はクラスタに基きます (計算エンジンはレート基準が出荷または積荷でないことを確かめ、クラスタに基づいて評価を行います)。

    輸送オーダクラスタの見積原価は、[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションの原価配賦基準フィールドの設定に基づいて、個々の輸送オーダラインに分割されます。

  2. 計算エンジンは、出荷、積荷、またはクラスタについてレート基準番号を特定します。レート基準番号に定義されている値がクラスタ、出荷、または積荷の値と一致すれば、このレート基準番号がクラスタ、出荷、または積荷に割り当てられます。
  3. レート基準番号とその他のいくつかの出荷、積荷、またはクラスタ属性 (運送業者やサービスレベルなど) が価格設定に渡されます。「価格設定」 では、これらのデータを使用して、適切な運送業者レートが取得されます。輸送レートの取得を参照してください。
  4. 価格設定から取得したレート、出荷元住所と出荷先住所から求めた輸送距離、および輸送商品の合計数量に基づいて、コストが計算されます。

輸送費の再計算

[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションの、次のフィールドの設定によって輸送費の再計算が行われます。

  • 輸送費の再計算
  • 再計算する積荷費用の状況範囲

[輸送原価計算] フィールドに [自動] 値が選択されている場合、マニュアルで変更されるたびに積荷、クラスタ、および出荷の輸送費が自動的に再計算されます。計算は、積荷、クラスタ、および出荷の状況が、[輸送原価計算] フィールドで指定された状況の前の状況になるまで続行されます。

[対話式] 値を選択した場合、ユーザは輸送費の計算を実行する前に続行するかを確認する必要があります。

マニュアルでの再計算は常に許可されます。積荷作成処理またはクラスタ処理が行われた後で積荷、出荷、またはクラスタの輸送費をマニュアルで再計算するには、[輸送費の計算 (fmfrc0240m000)] セッションで計算処理を有効にします。

再計算は、たとえば輸送レート帳で最近レートが変更された場合など、さまざまな理由で役立ちます。計算処理を有効にする前に、見積輸送費を計算する計画、積荷、出荷、または輸送オーダクラスタを選択しておく必要があります。

[輸送費の計算 (fmfrc0240m000)] セッションは、該当するセッションの適切なメニューから使用できます。計算エンジンは運送業者レートを使用して、見積輸送費を算出します。

輸送費再配分

輸送費を再計算またはマニュアルで変更する場合、変更された輸送費は積荷の出荷および出荷ライン間で均等に再配分されます。出荷ラインの輸送費を再計算または変更する場合、出荷および積荷の原価が合算されます。

変更された輸送費 (マイナス輸送費を含む) を積荷構造内で再配分する方法の例については、マイナス輸送費を参照してください。

パラメータ設定に従って再計算が許可されていない場合も、輸送費が再配分され、積荷の構造が変化します。たとえば、出荷が別の積荷に移動された場合などです。この場合、発生元積荷および出荷の移動先の積荷の構造が変更されるため、両方の積荷に対して輸送費が再配分されます。

積荷 L1 および L2 の場合、輸送費は重量に基づいて配分されます。出荷 S12 は積荷 L1 から積荷 L2 に移動されます。合計輸送費は、積荷 L1 では 12000 米国ドル、積荷 L2 では 1000 米国ドルです。

両方の積荷が [実際] 状況であり、[輸送レートおよび輸送費パラメータ (fmfrc0100m000)] セッションでパラメータ再計算する積荷費用の状況範囲が [実際] に設定され、パラメータ [輸送原価計算] が [自動] に設定されます。したがって、積荷 L1 および L2 では輸送費の再計算ができません。これらのパラメータ設定が適用され、積荷 L1 と L2 の状況が [計画済] の場合、再計算と再配分の両方が実行されます。

この表は、出荷 S11 を積荷 L2 に移動する前後の、積荷 L1 の各出荷の出荷構造および輸送費を示しています。移動後、積荷 L1 の輸送費は出荷 S12 に再配分されています。

積荷 L1
移動前 移動後
輸送費/USD 重量/単位 輸送費 重量/単位
積荷 L1 12000 積荷 L1 12000
出荷 S11 4000 1000 kg
出荷 S12 8000 2000 kg 出荷 S12 12000 2000 kg

この表は、出荷 S11 を積荷 L2 に移動する前後の、積荷 L2 の各出荷の出荷構造および輸送費を示しています。移動後、積荷 L2 の輸送費は出荷 S11、S21、および S22 に再配分されています。

積荷 L2
移動前 移動後
輸送費/USD 重量/単位 輸送費 重量/単位
積荷 L2 1000 1000
出荷 S11 500 1000 kg
出荷 S21 200 200 kg 100 200 kg
出荷 S22 800 800 kg 400 800 kg

すべての出荷を積荷から削除

たとえば、出荷を他の積荷に移動することによって積荷からすべての出荷を削除すると、その積荷の費用は 0.00 に減少します。その場合、LN では該当の計画に対する合計コストは変更せず、その計画の積荷、出荷、および出荷ラインにコストを再配分します。