輸送オーダ状況

輸送オーダは作成されると、その目的地に商品が届き、支払いが行われるまで、いくつかのステージを通ることになります。それらのステージには、商品の入庫輸送や出庫輸送があります。LN は、輸送オーダ状況を使用して、輸送オーダまたは輸送オーダラインが現在通っているステージを表示します。

状況更新のソース

出庫輸送では、輸送オーダにリストされている商品が倉庫でピックアップされ、トラックなどの輸送手段に積み込まれ、顧客の倉庫で荷降しされます。入庫輸送では、商品が発注先からピックアップされ、倉庫に運ばれ、商品が荷降しされ保管されます。

輸送オーダから積荷および出荷が生成された場合、この積荷および出荷に対する倉庫処理の進捗状況が輸送オーダ状況に反映されます。

輸送オーダが通るステージの一部は倉庫で実行されるので、倉庫管理で発生元倉庫オーダについてさまざまな輸送オーダ状況が生成され、輸送オーダに転送されます。詳細については、次のトピックを参照してください: 倉庫手順を定義するにはおよび倉庫オーダタイプを定義するには

輸送オーダの進捗状況をモニタするために、輸送オーダ状況を表示できます。輸送オーダの状況は [輸送オーダ (fmfoc2100m000)] セッションで表示されます。輸送オーダヘッダと輸送オーダライン両方に状況があります。輸送オーダライン状況は [輸送オーダライン (fmfoc2101m000)] セッションで表示されます。

倉庫管理による 「計画」 または 「実際」 ではない輸送オーダの更新

まだ計画されていない輸送オーダ、または [実際] に設定されていない積荷計画の輸送オーダであっても、その輸送オーダの発生元オーダが倉庫管理に発行されていると、倉庫で処理されることがあります。

発生元オーダが倉庫管理に発行されると、この発生元オーダについて 1 つまたは複数の倉庫オーダが生成され、その倉庫オーダに対して倉庫管理が積荷および出荷を生成します。(倉庫管理で積荷および出荷は作成できますが、計画機能は制限されます。)

この倉庫管理の積荷および出荷から、輸送は積荷と出荷を作成し、輸送費などの付加情報を付け加えます。この積荷および出荷が倉庫で処理されると、それに関連する輸送オーダが更新されます。

LN が状況変更を輸送オーダラインおよびヘッダに転送する方法

関連する出荷ラインの状況が変わると、輸送オーダラインの状況も変わります。輸送オーダのすべての輸送オーダラインの状況が変わると、この輸送オーダの状況も変わります。ただし、[進行中] 状況の場合は例外です。輸送オーダラインが [進行中] 状況になると、この状況は自動的に輸送オーダ全体に転送されます。

状況変更なしの更新

以下に示す輸送オーダの更新は、輸送オーダ状況に影響しません。

オーダブロック

発生元オーダをブロックできます。発生元オーダをブロックすると、それに対応する輸送オーダもブロックされます。

数量

積荷、出荷、倉庫オーダの数量が倉庫管理で変更された場合、この変更は関連する輸送オーダラインに反映されます。

状況の概要

以下の輸送オーダ状況の概要に示すように、輸送オーダ状況によって輸送オーダを変更または削除できるかどうかが決まります。

注: 

輸送オーダ状況を割り当てる処理は、積荷作成が行われている輸送オーダや積荷作成に使用可能な輸送オーダの場合と、クラスタ化される輸送オーダや輸送オーダクラスタに使用可能な輸送オーダの場合で異なります。このような違いについては、以下の状況の概要でそれぞれの状況ごとに必要に応じて説明します。積荷作成に使用可能な輸送オーダはクラスタには使用できず、クラスタに使用可能な輸送オーダは積荷作成には使用できません。詳細については、次のトピックを参照してください: 積荷計画属性および外注

[予定]

この状況は、輸送オーダの初期状況です。輸送オーダヘッダまたは輸送オーダラインを変更しても、何の影響もありません。さらに、購買オーダ、販売オーダ、企業計画オーダなどいずれかの発生元オーダが変更された場合でも、その変更が輸送オーダで実行されます。

[計画]

[計画] 状況は、積荷作成エンジンを使用して計画された輸送オーダのみに割り当てられます。輸送で輸送オーダに対して輸送計画が実行されると、この輸送オーダから出荷および積荷が作成されます。この輸送オーダ、そこから作成された積荷および出荷には、[計画] 状況が割り当てられます。

積荷作成エンジンを使用して出荷および積荷を作成することもできれば、出荷および積荷をマニュアルで作成し、輸送オーダをリンクすることもできます。さまざまな計画アルゴリズムを使用して 1 つの輸送オーダに対して何度も計画を実行し、その中からどのアルゴリズムが最高の結果をもたらすか調べることができますが、この場合、輸送オーダの状況はそのオーダラインとリンクする出荷ラインのいずれかの状況が [実際] になるまで、[計画] のままです。

[計画] 状況の輸送オーダラインから作成された積荷および出荷がすべて削除された場合、この輸送オーダの状況は [予定] に戻ります。

[計画] 状況の輸送オーダヘッダまたは輸送オーダラインは変更が可能で、発生元オーダで変更が発生した場合、輸送オーダまたは輸送オーダラインで変更が実行されます。ただし、このような変更が生じた場合、この輸送オーダが基づく積荷計画には影響が生じます。詳細については、次のトピックを参照してください: 個別に再計画するか、計画輸送オーダに含めるおよび積荷計画、積荷、出荷のメンテナンス

[実際]

積荷作成エンジンにより計画された輸送オーダは、[実際] 状況を取得できます。輸送オーダクラスタ (クラスタヘッダ) も、[実際] 状況を取得できます。

  • 計画輸送オーダ

    [実際] 状況は、実際に積荷計画を使用して、その積荷計画に含まれる出荷ラインにリストされている商品を輸送することを示します。積荷計画が [実際] になった場合、その計画の積荷、出荷、出荷ラインは [実際] 状況になります。その積荷計画が基づく輸送オーダラインおよび関連の輸送オーダにも、[実際] 状況が付与されます。

    [輸送計画パラメータ (fmlbd0100m000)] セッションの [実際の積荷データの更新] パラメータを使用して、[実際] 状況になっている輸送オーダの変更を輸送がどのように処理するかを指定できます。詳細については、次のトピックを参照してください: 変更された実際の輸送オーダを再計画するには

    [実際] の輸送オーダをマニュアルで変更するには、この輸送オーダに関連する積荷計画の [実際] 状況を取り消す必要があります。このためには、[計画 (fmlbd0110m000)] セッションの適切なメニューにある [実現化を元に戻す] コマンドを使用します。

    積荷計画の [実際] 状況を取り消した場合、これに関連する積荷、出荷、出荷ラインの状況はすべて [計画] 状況に戻ります。また、この積荷計画がそれまで基づいていた輸送オーダラインおよび輸送オーダも [計画] 状況に戻ります。

  • クラスタ輸送オーダ

    輸送オーダクラスタの場合、積荷作成エンジンから [実際] 状況が付与されることはありません。クラスタの場合の [実際] 状況は、クラスタ機能を使用して取得します。[実際] 状況は、クラスタがファイナライズされ、運送業者に提供できる状態であることを示します。クラスタをいつ実現化するかはユーザが判断します。詳細については、次のトピックを参照してください: クラスタとクラスタライン状況の概要

[進行中]

[進行中] 状況は、倉庫管理で入庫および出庫処理が開始されている輸送オーダ、輸送オーダライン、クラスタラインに付与されます。これは以下のような場合です。

  • 関連する倉庫オーダラインについて倉庫管理で入庫または出庫の輸送準備が行われている輸送オーダ、輸送オーダライン、輸送オーダクラスタライン
  • 関連する輸送の積荷および出荷について倉庫管理で入庫または出庫処理の準備ができている輸送オーダおよび輸送オーダライン

輸送オーダラインが [進行中] 状況になると、この状況は自動的に輸送オーダ全体に転送されます。

[進行中] 状況の輸送オーダラインは輸送で変更できません。

[確認済]

倉庫管理では、[確認済] 状況は、出庫商品が積み込まれ、倉庫から出す準備が整ったことを示すために使用されます。入庫商品の輸送では、[確認済] 状況は使用されません。

出庫の出荷ライン、出荷、積荷が倉庫管理で [確認済] 状況になり次第、[確認済] 状況が輸送に転送されます。

[輸送計画パラメータ (fmlbd0100m000)] セッションで [「確認済」 から 「出荷済」 に自動的に変更] チェックボックスがオフになっている場合、この状況は以下のセッションで表示されます。

  • [積荷 (fmlbd4100m000)]
  • [出荷 (fmlbd3100m000)]
  • [出荷ライン (fmlbd3150m000)]

さらに、この積荷および出荷に関連する輸送オーダラインおよび輸送オーダヘッダも [確認済] 状況になります。

[輸送計画パラメータ (fmlbd0100m000)] セッションで [「確認済」 から 「出荷済」 に自動的に変更] チェックボックスがオンになっている場合は、[確認済] 状況は輸送では表示されません。

クラスタ化されている輸送オーダヘッダや輸送オーダライン、クラスタライン、またはクラスタに使用可能な輸送オーダラインには、[確認済] 状況は転送されません。これは、輸送計画を行わなかった場合、商品の出庫準備が整ったかどうかを知る必要がないためです。商品が実際に出庫したかがわかれば十分で、これは [出荷済] 状況によって示されます。

[出荷済]

[出荷済] 状況は、出庫商品が倉庫から出て、現在顧客に運ばれる途中であることを示したり、入庫商品が発注先の倉庫を出て、現在倉庫に運ばれる途中であることを示すために使用されます。

[出荷済] 状況は、輸送オーダ/オーダラインに対して以下の方法で倉庫管理から輸送へ転送されます。

  • 積荷作成

    倉庫管理で [確認済] 状況が付与された出庫の積荷および出荷に対して、輸送では [出荷済] 状況が付与されます。[輸送計画パラメータ (fmlbd0100m000)] セッションで [「確認済」 から 「出荷済」 に自動的に変更] チェックボックスがオンの場合、自動的にこの状況が適用されます。このチェックボックスがオフの場合は、[納入/受領の確認 (fmlbd3252m000)] セッションで倉庫管理の [確認済] 状況を [出荷済] に変換できます。[出荷済] 状況は、積荷および出荷からそのベースとなる輸送オーダに転送されます。

    たとえば、電子データ交換などにより、輸送で入庫の事前出荷通知が受領されると、これに関連する出荷および積荷は [出荷済] 状況になります。この状況は、その積荷および出荷がもとづく輸送オーダヘッダおよび輸送オーダラインに転送されます。

  • クラスタ

    出庫の輸送オーダヘッダ、輸送オーダライン、クラスタラインでは、関連する倉庫オーダのすべての商品が積み込まれ、出庫され、倉庫管理で [出荷済] に設定されると、自動的に [出荷済] 状況になります。入庫の輸送オーダヘッダ、輸送オーダライン、およびクラスタラインは、電子データ交換などにより輸送で入庫の事前出荷通知が受領されると、[出荷済] に設定されます。発注先との間で電子データ交換の関係がセットアップされていない場合、発注先の倉庫から商品が出庫された旨の通知を運送業者から受け取った時点で、ユーザが入庫のクラスタラインまたは輸送オーダラインを [出荷済] に設定します。

[完了]

[完了] 状況は、商品が目的地に到着した時点で輸送オーダ/ラインに割り当てられます。出庫商品の場合、これは商品が顧客に納入された時点です。入庫商品の場合、これは商品が倉庫で受領された時点です。

  • 積荷作成

    入庫の倉庫オーダライン、積荷、出荷は、倉庫で荷降しされ、処理中になると、倉庫管理で [入庫済] 状況が付与されます。入庫の積荷および出荷が倉庫管理で [入庫済] 状況になると、この積荷および出荷が基づく輸送オーダおよび輸送オーダラインに対して輸送で [完了] 状況が付与されます。

    出庫の積荷および出荷に基づく輸送オーダでは、この積荷および出荷が [納入/受領の確認 (fmlbd3252m000)] セッションで [完了] に設定されると、[完了] 状況が付与されます。

  • クラスタ

    入庫の輸送オーダクラスタライン、輸送オーダヘッダ、輸送オーダラインでは、関連する倉庫オーダが倉庫管理で 「最終入庫」 に設定された場合に [完了] 状況になります。

    出庫の輸送オーダヘッダ、輸送オーダライン、クラスタラインについては、クラスタの商品を顧客に納入した旨の通知を運送業者から受け取った時点で、[納入/受領の確認 (fmlbd3252m000)] セッションを使用して状況を [完了] に設定できます。

[クローズ]

財務会計買掛金モジュールで請求手順が完了すると、[クローズ] 状況になります。

[無視]

詳細については、次のトピックを参照してください: 輸送オーダラインを無視