プロジェクト進捗

プロジェクト進捗モジュールを使用して、プロジェクトの進捗の測定、記録、およびモニタを行います。

  • 進捗

    プロジェクト進捗を使用して、プロジェクト過程を通じてプロジェクトデータの登録および管理を行うことができます。このモジュールのモニタリング機能は、プロジェクト進捗からの情報を組み合わせて、プロジェクトモニタリングレポートおよび財務諸表を生成します。このレポートは数量および金額に基づいており、どのプロジェクトレベルでも提示できます。たとえば、予測原価 (コミットメント会計) を入れるかどうか、現行期間か累計期間か、最終結果予測を入れるかどうかなど、選択基準は広範囲にわたり、確実に適切な担当者によって適正なデータが受領されるようにします。予算と実行済原価は実際データと比較されます。この比較の結果は表示することができます。また、プロジェクトの実行中に、プロジェクト終了時の見積原価を表示することもできます。
  • 物理的進捗

    プロジェクトの物理的進捗の追跡は、要素および活動の進捗を原価対象レベルですべての原価タイプについてモニタします。

    次のタスクを実行できます。

    • 物理的進捗マスタデータの生成原価対象レベルで要素および活動のマスタ進捗データを作成できます。プロジェクトと要素の両方、および/またはプロジェクトの活動のいずれかまたは両方が必須条件を満たしている場合にのみ、マスタデータを生成できます。
    • 要素/原価対象別物理的進捗の生成: 一定範囲の要素の進捗を一括変更できます。この結果は、プロジェクト進捗モジュールを使用してモニタリングできます。プロジェクトとその要素の両方が必須条件を満たしている場合、要素の進捗をメンテナンスできます。
    • 計画から物理的進捗の生成: 活動の進捗 (計画) を、活動および要素の進捗 (製造) にコピーできます。さらに、管理データから原価対象がコピーされます。
    • 物理的進捗の出力: 要素および活動の進捗の詳細を示すフォームを出力できます。このフォームは、サイトの詳細の記録に使用できます。現行の進捗を、日次または週次でワークセンタにマニュアルで入力できます。
  • 原価

    プロジェクト実行中に実際原価を記録できます。原価記録は、プロジェクトまたは財務会計で実行するか、あるいは商品またはサービスの調達などのロジスティックプロセスの結果とすることもでき、その後、プロジェクトに転送します。プロジェクト原価を記録するレベルを指定できます。

    原価の進捗を追跡するには、以下の機能を使用できます。

    • 原価: すべての原価タイプのプロジェクトにかかる原価を表示、比較、およびメンテナンスすることができます。財務会計で未処理の原価取引を表示できます。財務会計製造、またはオーダ管理のアクションの結果として発生する原価の場合、これらの取引は自動的に作成され処理されます。さらに、マニュアル入力された原価取引をメンテナンスすることもできます。
    • コミットメントの使用: プロジェクト管理を最新の状態に保つため、月次レポートなどには適正な原価と将来の原価を入力する必要があります。コミットメントは、将来的な原価となる財務上の義務です。費用がかかった場合には、コミットメントは実際の原価に置き換えられます。コミットメントは、マニュアルと自動の 2 つの方法で記帳できます。この方法は、指定されたパラメータによって決まります。購買オーダが作成されるか、商品の受取が調達に登録されると、ただちにコミットメントが記帳されます。緩いコミットメント、および厳しいコミットメントを追跡できます。また、実際原価とコミットメントを出力して比較することもできます。
    • 原価履歴: さまざまな原価タイプのプロジェクト原価および契約原価に関して、履歴データの表示およびメンテナンスを行うことができます。
    • 原価予測: プロジェクトに関する原価予測を生成または表示するには、原価対象または原価タイプのいずれかを使用できます。原価対象を使用する場合、要素および活動に関連するすべての原価対象についての原価予測をメンテナンスできます。原価タイプを使用する場合は、活動についてのみ、原価予測をメンテナンスできます。予測方法を使用すると、予算への変更の予測、追加費用の予測、またはプロジェクト合計原価の予測ができます。これらの予測は、業績測定とモニタリングに表示されます。
  • 収益および収益履歴

    プロジェクト収益をマニュアルで登録したり、プロジェクト請求を介して収益を登録することができます。プロジェクト請求書が 「請求」 に転記されると、プロジェクト収益をプロジェクトで利用できるようになります。さらに、契約に対する要素別および活動別収益の予測偏差をメンテナンスできるため、これによってモニタリングモジュールで結果をモニタできます。収益は複数の通貨で入力できます。収益を登録するには、まずプロジェクトの原価管理期間を記録する必要があります。この管理期間は収益の登録に使用されます。請求モジュールから得たプロジェクト収益は修正可能です。また、追加収益も入力できます。収益を確認してから、プロジェクト履歴および財務会計に登録済の収益を処理します。収益の履歴データの表示とメンテナンスも可能です。これには、請求書データと転記データが含まれます。
  • 会計結果

    プロジェクト原価、収益および利益の会計結果を表示できます。請求の過不足、原価の過不足、および収益を表示できます。中間会計結果および IFRS 仕掛品残高を追跡することも可能です。
  • 拡張取引

    プロジェクトの拡張の進捗を追跡できます。以下のタイプの拡張取引がサポートされています。

    • 変動決済: この拡張タイプを使用して、請求目的で行う価格変動の影響を示します。この拡張タイプは、「原価加算」 プロジェクトおよび請求方法が [単位レート] に設定されているプロジェクトには定義できません。変動決済には、次の 2 つのタイプがあります: インデックス変動決済と価格変動決済。
    • 暫定金額: プロジェクトの計画時に特定部分のプロジェクト原価が不明である場合に、この拡張タイプを使用します。暫定予算額と後の実際原価との差額を決済することができます。
    • 要決済数量: この拡張タイプを使用して、特定範囲の原価対象に関して、予算数量と実際数量との差額を請求します。プロジェクトに送った数量が不明である場合、このタイプを使用します。
  • 進捗処理

    プロジェクトのトランザクション関連の原価、コミットメント、および収益をすべて承認できます。確認済の取引を (財務会計統合で選択された勘定を使用して) プロジェクト履歴および財務会計に転記できます。原価、収益取引、および中間結果を一括で確認することもできます。原価は請求およびプロジェクト履歴に転送されます。確認済処理を取り消すことも可能です。
  • プロジェクト時間

    [プロジェクト時間取引の転記] オプションを使用して、「従業員」 から処理を開始した 「従業員管理プロジェクト時間数」 の原価取引の詳細または合計をログ取得できます。従業員の 1 つのラインにプロジェクトの 1 つの原価取引を作成するか、カレンダー日ごとに 1 つの原価取引を作成するかを指定できます。
  • [原価取引 (tpppc2100m000)] および [会計取引 (tpppc2100m100)] セッションの [従業員の会社] フィールドを使用して、時間と経費のデータをメンテナンスします。従業員が原価取引にリンクされている場合、このフィールドは必須です。
  • 間接費

    適用レートおよび請求レートを使用して、内部間接費と外部間接費を区別できます。
  • 原価基準の契約の場合、ユーザは、これらの原価を顧客に請求できる必要があります。「適用レート (内部)」 と 「請求レート (外部)」 を使用して、間接費を計算できます。

  • 適用レートを使用して、契約/プロジェクトの内部間接費を計算します。このような間接費は、契約/プロジェクトの原価に含まれます。
  • 請求レートを使用して、外部の請求可能な間接費を計算します。この間接費は、取引先に請求できる場合があります。
  • 間接費予測

    [間接費予測 (tpppc6106m000)] セッションで間接費予測を定義できます。これを使用して、完了時の見積原価、完成率、および利益率を計算します。これは中間結果を効果的に分析する上で役立ちます。間接費予測は、[出来高払要求 (tppin0170m000)] セッションで完了までの見積 (ETC) を計算するときに含まれます。間接費は、以下のセッションにも含まれます。
    • [一括承認 (tpppc4200m000)]
    • [原価対象別原価予測の出力 (tpppc2416m000)]
    • [中間結果の生成 (tpppc3250m000)]
    • [原価対象別原価予測の生成 (tpppc2216m000)]
    • [会計分析の表示 (tppss0701m000)]
  • [原価予測入力 (tpppc2615m000)] セッションは、材料タスク設備外注雑費間接費など、プロジェクトで指定されるさまざまな原価タイプの原価予測をメンテナンスするために使用します。
  • 履行義務の基準

    中間結果は以下のように計算されます。

    • [契約ライン (tpctm1110m000)] セッションで [履行義務の基準] が [取引価格] に設定されている場合、中間結果を計算する際の基準として取引価格が使用されます。取引価格 (該当する場合) は、利益または損失があるかどうか判断するため、また、最大予測収益を決定するために使用されます。
    • プロジェクトが複数の契約ライン (CLIN) にリンクされている場合は、中間結果を計算する際の基準として取引価格が使用されます (CLIN の少なくとも 1 つで [履行義務の基準] が [取引価格] に設定されている必要があります)。
  • SAB-74 収益認識方法

    プロジェクトまたは契約の収益の認識方法を修正できます。レポート用として、代替設定の中間結果を生成できます。これにより、SAB 74 (会計標準) に従って、代替シナリオの結果と財務レポートの 1 次結果を比較できるようにします。代替設定は任意で行い、追加レポートの基準として使用できます。
  • プロジェクト原価配分

    プロジェクトでは、会計伝票を発生元とする会計取引 (振替仕訳など) は原価取引または収益取引として分割されます。財務会計の [取引タイプ (tfgld0511m000)] セッションで指定されているオプションに基づいて、[原価仕訳概要 (tpppc2811m000)] セッションまたは [原価仕訳 (tpppc2605m000)] セッションを使用してプロジェクト原価が分割されます。
  • 収益認識: 変更方法

    状況が 「オープン」 の契約またはプロジェクトの収益認識方法を変更できるようになりました。たとえば、新規の規制によって、収益認識方法に変更が生じる可能性があります。

    中間結果が承認され処理されるまでは、収益計算に影響を与えず、使用する方法を変更できます。このリリースでは、管理下の承認後プロセス後でも変更が可能です。中間結果の方法を変更するには、契約中間結果 (tpctm0180m000) およびプロジェクト中間結果 (tppdm6103m000) セッションの [アクション] メニューから、[中間結果統合方法の変更] オプションを選択する必要があります。中間結果がすでに存在する場合、警告メッセージが表示されます。新しい中間結果統合方法を使用して中間結果を生成するには、以下のように行ないます。

    • 転記済の中間結果が処理され、再転記されます。
    • 未処理の中間結果が削除されます。
  • 収益認識: シナリオ

    たとえば、SAB-74 の要件のレポートに対応するために、1 次と代替の収益認識設定を使用してシナリオを作成できます。プライマリ設定は、財務の収益の処理に使用されるため、結果的に、すべての財務レポートに使用されます。代替設定は任意で行い、追加レポートの基準として使用できます。これは、新しい会計規則 (SAB-74/IFRS-15) への移行期間中に便利です。開示を処理するプロセス時に、顧客の分析に伴って、追加的に財務転記 (マニュアル仕訳入力) できます。1 次と代替の設定を切り替えるオプションも利用できます。

  • 収益認識: EAC に基づく ERF の計算

    実現収益係数 (ERF) は常に予算に基づいて計算され、完了時の見積 (EAC) は決して使用されません。完成率について、利用可能な選択は 1 つでした。ERF の計算で、EAC に基づいた計算も利用可能になります。

  • 収益伝票ライン

    取引にリンクされている収益伝票ラインを表示する新しいオプションが、原価取引、会計取引、および収益取引に追加されました。このオプションは、取引の転記タイプが 「売上原価認識」 または 「売上原価請求 (プロジェクト)」 である場合にのみ適用されます。

  • 全プロジェクトの進捗設定

    「時間と資材」 および 「原価補償」 プロジェクトのアーンドバリュー (実行された予算/許容原価) の計算が、「固定価格」 プロジェクトと同じ方法で実行できるようになりました。

  • 原価タイプ別予測

    原価タイプ別予測、および、予測の利用性インジケータが、原価予測入力にも追加されました。

  • 割合に基づく予測更新

    予測を割合値で更新して、予測処理を迅速化できるようになりました。完了までの見積 (ETC) は、[原価対象別原価予測の生成 (tpppc2216m000)] セッションまたは [活動/原価タイプ別原価予測の生成 (tpppc2226m000)] セッションで指定された割合で更新できます。

  • 原価取引での XM 経費レポートへのリンク

    プロジェクトにリンクされている原価取引から XM 経費レポートにアクセスできます。