輸送計画

輸送計画は、入庫および出庫商品の輸送を計画するために使用します。これにより、商品が正しい時間に出庫および入庫される最も費用効率の高い方法を選択できます。また、輸送には、特定の期間に必要または利用可能な輸送能力の概要が表示されます。

  • 概略計画

    概略計画は特定の期間における利用可能輸送能力と所要輸送能力の両方を見積ります。輸送計画の責任者は、この見積を使用してどの程度の輸送能力が利用可能か、およびどの程度の輸送能力が必要かを確認でき、さらに必要な場合には運送業者に追加の輸送能力を提供するよう調整できます。

    輸送能力所要の概要は、ユーザが定義した期間における選択済の輸送オーダの容積、重量、およびフロアスペースを総括したものを基にしています。容積、重量、およびフロアスペースの数値は、選択した計測単位で表示できます。選択した期間について、日次、週次、および月次所要量レポートを出力できます。また、チャートに概要を表示できます。

  • 積荷作成

    積荷作成輸送の中核機能です。積荷作成の第 1 の目的は、商品の倉庫から顧客への輸送、発注先から倉庫への輸送、または発注先から顧客への直接輸送を最も効率と費用効果の高い方法で計画することです。また、倉庫間、倉庫から製造環境、または製造環境から倉庫への商品の移動にもこの機能を利用できます。

    積荷作成エンジンは、ユーザが選択した一連の輸送オーダおよび輸送オーダライン選択済タイプから積荷計画を作成します。積荷計画は、いくつかの積荷で構成されています。それぞれの積荷は、いくつかの出荷で構成されています。

    積荷作成エンジンは、いくつかの計画オプションと 3 つの基本的な計画方法を提示します。そのつど計画方法や計画オプションを変えて、同一の輸送オーダからさまざまな積荷計画を作成して、どの方法またはオプションを使用すれば最適な結果が得られるか調べることができます。

  • 輸送における在庫約定

    選択範囲の輸送オーダ、輸送オーダクラスタ、積荷、または出荷について、在庫約定を生成または取消できます。その目的は、実際出荷が開始されるときに在庫を必ず使用可能にすることです。

    約定引当済在庫に基づいて積荷計画を策定できます。

  • 計画方法

    積荷作成では、以下の計画方法または計画アルゴリズムが使用されます。

    • [直接出荷]

      出荷は、開始住所から終了住所へ直接輸送されます。いくつかのオーダラインは、住所と日付が一致する場合、出荷内で結合できます。選択されている輸送オーダおよび輸送オーダラインから作成されたそれぞれの出荷は、個別の積荷に割当てられます。
    • [統合]

      同じ経路の一部を通るいくつかの出荷は結合されます。たとえば、輸送オーダ A がアムステルダムからパリを移動し、輸送オーダ B がパリからジュネーブを移動する必要があるとします。結果: 

      • 積荷 A: アムステルダム - ジュネーブ。
      • 出荷 A1: アムステルダム - パリおよび出荷 A2: パリ - ジュネーブ。
    • [プール]

      物流センター、港など、複数の固定住所を訪問します。輸送経路は、通常、複数のプロセスで構成されます。出荷が、それらの移送先または移送先ポイントへ移動する際、その中の 1 つのプロセスでは、同じ経路を移動し、まとめてプールされます。物流ポイントでは、出荷が最終移送先に向かうよう各種輸送手段に再引当されます。

      たとえば、50 台の自転車の出荷がアムステルダムからニューヨークに輸送され、50 台の別の出荷がアムステルダムからフィラデルフィアに輸送され、さらに 3 番目の 20 台の自転車の出荷がアムステルダムからピッツバーグに移動するとします。最初のプロセスの輸送経路は、アムステルダムからロッテルダムです。ロッテルダムは、プールポイントであり自転車が船に積込まれます。ニューヨークの物流ポイントでは、船から積荷が荷降ろしされ、トラックに再積荷されて、それぞれの最終移送先であるニューヨーク、フィラデルフィア、およびピッツバーグに輸送されます。

  • 出荷オフィスおよび計画グループ別の経路計画および標準経路

    経路計画および標準経路を出荷オフィスおよび計画グループの組合せにリンクできます。これによって、積荷作成エンジンを選択する必要のある標準経路および経路計画の数が制限されるため、積荷作成処理の時間が短縮されます。

  • 計画ボードの概要 (fmlbd0215m000) セッション

    [計画ボード (fmlbd0215m000)] セッションは、積荷計画を作成およびメンテナンスするために使用可能な直感的なグラフィカルインタフェースを提供します。

  • ガントチャート

    積荷作成モジュールではガントチャートが表示され、積荷と出荷のタイムラインの概要と、輸送手段グループ輸送手段の組合せ、および輸送手段のリソースの能力の概要が示されます。

  • マップ

    積込住所および荷降住所をマップ上に表示できます。さまざまなセッションで、[マップ] オプションを使用して、以下のオブジェクトの住所を表示できます。

    • 輸送オーダ
    • 輸送オーダクラスタ
    • 出荷
    • 積荷
    • 標準経路
    • 経路計画
  • 積荷計画、積荷、出荷のメンテナンス

    積荷作成では、積荷作成エンジンによって作成された積荷計画、積荷および出荷をメンテナンスできます。メンテナンスアクティビティには、積荷計画、積荷、または出荷での状況の変更や、その他設定の変更があります。

  • 承認過剰輸送費 (AETC)

    輸送費を管理するため、輸送費が当初予定していた金額を超える場合には、発注先からの確認を求める組織もあります。その場合、発注先が顧客承認番号を要求します。

    顧客から承認番号が送信されると、発注先が積荷で顧客承認番号を指定します。

  • 輸送手段選択

    輸送では、個別の輸送手段について輸送を計画できます。この機能では、自社に独自の輸送体系を運用している企業の輸送計画がサポートされますが、さらに所有していない輸送手段も計画できます。積荷作成を一連の輸送オーダについて行う場合、選択した輸送オーダから作成した積荷に対して、利用可能な輸送手段がスケジュールされます。輸送手段が定義されていない場合、積荷は特定の輸送手段に引当てられることなく作成されます。積荷作成手順の実行後、積荷に対する輸送手段をマニュアルで修正できます。

  • 直送に輸送管理を使用するには

    輸送を使用して直送を計画およびクラスタ化するには、直送販売オーダまたはサービスオーダにリンクされている購買オーダから輸送オーダを生成します。直送では商品が購買元取引先から販売先取引先に直接輸送されるので、定義された倉庫は関与しません。したがって、輸送オーダ、クラスタ、積荷、および出荷は倉庫管理から更新されるのではなく、オーダ管理の直送販売オーダおよび関連する購買オーダからのみ更新されます。

  • 複数会社環境での輸送管理

    複数会社環境では、輸送オーダを各種ロジスティック会社で作成された発生元オーダから作成できます。輸送オーダは、1 つまたは複数の輸送計画会社で計画またはクラスタ化され実行されます。輸送オーダの生成プロセスが実行されると、輸送オーダは輸送計画会社に割り当てられます。

    実際積荷と実際出荷は、倉庫管理を実行可能な発生会社に送信されます。次に、実際出荷情報が輸送計画会社に返送されます。輸送計画会社では、積荷を完了してクローズできます。ほとんどの輸送マスタデータは、複数会社設定内のロジスティック会社間で共有されます。

    すべての輸送計画および実行情報は、輸送オーダの会社である輸送計画会社のみで利用できます。輸送計画会社には、複数会社構造における任意のロジスティック会社を指定できます。

    輸送オーダラインに対し発生会社から情報が要求された場合、その輸送オーダラインの輸送計画会社から要求された情報は自動的に表示または返されます。同様に、輸送管理処理で発生会社からの情報が必要な場合、または発生会社に情報を送信する場合、自動的に発生会社に移動します。