予算管理

予算管理は、予算が関連付けられている商取引の追跡と管理を行う統合情報システムです。約定引当および実現された予算の発生元と使用状況を取得することで、継続的に財務状況が確認されます。リアルタイム予算チェックは、未承認取引による損失を防止します。予算管理は、会計機能と予算編成機能を基本的な業務プロセスに統合するように設計されています。会計分配は、該当する方針レベル (要求エンティティ、ベンダ、購買商品など) から取得されます。会計と予算計上された資金との関係は、ロールアップ構造によって決まります。

  • 予算管理方針

    予算チェックは、購買要求、購買オーダ、請求書などの伝票に実行する必要があります。予算管理方針は、特定の伝票タイプまたはビジネスオブジェクトについて予算をチェックする必要があるかどうかを示します。予算管理方針パラメータに応じて、伝票ライン入力の保存時または伝票内の各ラインの承認時に、ラインに予算チェックを実行する必要があります。

  • 予算勘定

    予算の構成は、予算要約レベル (ノードおよびレベル) を使用した階層形式で行われます。各レベルは予算勘定とその予算金額からなります。予算勘定と予算金額の組合せは、バケットとも呼ばれます。予算階層の最下位レベルでは、予算勘定が元帳勘定とディメンションの複数の組合せにリンクされます。最下位レベルの決定は、必要な予算管理のレベルによって異なります。予算勘定と総勘定元帳の関係は、物流テーブルでメンテナンスされます。

  • 予算構造

    予算構造は、すべてのロールアップ構造と予算勘定が含まれた階層です。予算構造には、少なくとも 5 つのロールアップ構造または要約レベルがあります。各要約レベルでは、予算を予算勘定に関連付けることができます。予算ロールアップ構造では、調達、売掛、および元帳の各伝票で使用される詳細勘定のロールアップ先となる予算勘定とディメンションが定義されます。予算金額は、予算ロールアップ構造のどのレベルでも記録でき、同じ構造内の複数の分岐に記録することもできます。予算金額は期間別または年次ベースで管理できます。予算通貨には自国通貨のいずれかを使用できます。予算勘定を直属の親にリンクさせる必要はなく、予算構造に直接リンクさせても構いません。

  • 例外通知の受取

    例外が発生すると、その予算勘定に登録されているすべてのユーザに通知が送信されます。この勘定を修正するには、ユーザが適切な権限を持っている必要があります。

  • 予算管理ダッシュボード - 概要

    予算管理ダッシュボードには、予算の予算勘定の概要がすべて含まれています。マネージャは、すべての予算構造のすべての予算活動を管理およびモニタすることができます。

  • 予算残高

    選択した予算勘定の予算残高のタイプおよび予算期間を予算管理ダッシュボードで確認できます。予算チェック、発行、修正、予算振替などの取引が発生した場合は、予算残高を更新する必要があります。

    予算残高のタイプは次のとおりです。

    • [予算]
    • [配分]
    • [コミットメント]
    • [債務]
    • [受取経費]
    • [経費]
  • 予算振替

    予算振替は、等しい予算金額をある予算勘定から別の予算勘定にシフトする二面的な取引です。振替と修正では、予算取引ファイルに監査取引が生成されます。振替と修正を実行できるのは、十分な予算がある場合のみです。ある予算プールから別の予算プールへの予算振替など、予算振替が行われる場合は監査証跡が必要となります。予算振替には理由コードを指定する必要があります。

  • 予算管理調整

    予算管理調整を使用すると、予算取引をさかのぼって調整できます。たとえば、[コミットメント] や [債務] 残高などの予算残高を調整することができます。また、予算管理調整を使用して、将来の取引に対する予算の開始残高および予約を作成することもできます。

  • 予算修正

    確認済予算を直接更新することはできませんが、修正を行うと後続の予算更新を管理された方法で行うことができます。すべての予算修正は、予算取引で記録する必要があります。予算修正は、予算額を増減する一面的な取引です。予算がロック済になったら、ユーザはその予算を正当化する変更コードまたは理由コードを指定する必要があります。予算修正が行われる場合は監査証跡が必要となります。

  • 予算残高と総勘定元帳残高の調整

    このレポートでは、総勘定元帳取引を予算取引と調整させます。選択入力は、予算勘定 (範囲)、期間、金額クラス、および要約レベルです。文書参照を使用すると、対応する元帳取引を取得できます。例外状況になっている予算取引は、選択に含まれます。

  • 年度末処理

    年度末手順では、予算金額と関連予算取引を新規会計年度の新予算に移したり、新予算を定義したり、旧予算取引と予算金額を新予算にコピーしたりすることができます。

  • 予算残高の比較

    選択した予算および予算年度の予算残高を表示できます。