グローバル貿易コンプライアンス
輸出コンプライアンス向けのグローバル貿易コンプライアンス
「グローバル貿易コンプライアンス」 機能を利用して、個別品目の特定の国への輸出、または個別取引先と輸出のやり取りが可能であるかが確認できます。
この機能を利用して、以下ができます。
- 内部もしくは外部チェックまたはその両方の実行。内部チェックは、LN で実行され、外部チェックは外部アプリケーションを使用して実行されます。
- 輸出ライセンスの作成とメンテナンス。この情報は内部コンプライアンスチェックで使用されます。
輸入コンプライアンス向けのグローバル貿易コンプライアンス
グローバル貿易コンプライアンス機能は輸入シナリオに使用されます。提案するソリューションは、購買オーダ、入庫、詳細出荷通知などの輸入文書に基づいて、取引先のグローバル貿易コンプライアンスに対応します。
出荷元国が倉庫管理で [入庫ライン] に指定された出荷先国と異なる場合、輸入シナリオが考慮されます。
外部チェックの場合、輸出入のコンプライアンスデータをそれぞれの品目について指定します。このデータは、外部アプリケーションに送信し、コンプライアンスチェックの情報として利用できます。チェックが失敗した場合、商品の輸出入はブロックされます。ただし、承認済ユーザは、伝票のコンプライアンスチェックの失敗を無効にし、輸出入のブロックを上書きできます。
グローバル貿易コンプライアンスの機能拡張
- グローバル貿易コンプライアンス (GTC) 管理対象として指定された品目の場合、国内販売と購買の GTC チェックを含めるために新しいパラメータが導入されました。
- 品目の有効化コードを含めるようにライセンスが拡張されました (該当する場合)。
- [ライセンスコード] ドメインは、長さが 20 文字から 50 文字に増やされ、異なる国の要件に対処します。
貿易コンプライアンスの遵守
貿易コンプライアンスの対象となる品目の場合、コンプライアンスチェックを実行できます。これは、サービス伝票を除く、外部向け伝票に対して実行できます。
- フィールドサービスオーダ材料ライン
- メンテナンス販売オーダ (すべてのバリエーション)
- 作業オーダ材料費ライン
- 作業オーダ部分組立品 (出庫と入庫)
- 顧客クレーム納入ライン
- 発注先クレーム入庫ライン
これらの新規伝票の場合、他の伝票の場合と同じチェックが実行されます。これらの伝票のいずれかで貿易コンプライアンスの遵守対象品目がコンプライアンスチェックに不合格になった場合、そのレコードはブロックされ、[ブロック済] チェックボックスがオンになります。同時に、「ブロック理由」 が 「貿易コンプライアンス」 に設定されたレコードが [ブロック理由 (tsmdm1101m000)] セッションに記録されます。
[資源所要量 (tsacm2120m000)] セッションに [活動発行のクリティカル] チェックボックスが新しく追加されます。このチェックボックスは、品目がコンプライアンスチェックで不合格になった場合に、関連する活動を発行できるかどうかを示します。このチェックボックスの設定は、サービスオーダおよび作業オーダにデフォルト設定されます。参照活動でこのチェックボックスがオンでない場合、または参照活動を使用しない場合、このチェックボックスをマニュアルでオンにできます。
- サービスオーダ材料費 (tssoc2122m000)
- メンテナンス販売オーダ - 部品メンテナンス (tsmsc1110m100)
- メンテナンス販売オーダ - 部品貸付 (tsmcs1110m200)
- メンテナンス販売オーダ – 部品納入 (tsmcs1110m300)
- メンテナンス販売オーダ - 部品入庫 (tsmcs1110m400)
- 作業オーダ材料費ライン (tswcs4110m000)
- 作業オーダ出庫部分組立品 (tswcs4150m000)
- 作業オーダ入庫部分組立品 (tswcs4151m000)
- 顧客クレーム納入ライン (tscmm1112m000)
- 発注先クレーム部品入庫ライン (tscmm2113m000)
貿易管理における銀行保証
銀行保証は、共通情報パッケージの貿易管理モジュールで使用される新しいコンセプトです。信用状のコンセプトと類似していますが、制限はそれほど厳しくありません。銀行保証は、保証人 (銀行または法的に資格のある主体) が、要件に準拠している文書が存在することを条件として、ある金額を受益者 (第三者) に支払う取消不能保証を、顧客 (指示機関) の求めに応じて発行する、書面による単独の引受と定義できます。
- 輸出、輸入、国内出庫、および国内入庫のために、受益者および申請者タイプの銀行保証と特定の取引タイプを作成するパラメータ
- 銀行保証の各種取引タイプ用の番号グループおよびシリーズ
- リンク時に銀行保証の限度額を超えた場合の理由コード
銀行保証の取引タイプと種類ごとに (付帯または独立)、銀行保証マスタデータタイプを [銀行保証タイプ (tcgtc0115m000)] セッションで指定する必要があります。追加マスタデータは [原価 (tcgtc0116m000)] および [コストセット (tcgtc0118m000)] セッションで指定できます。これは、銀行保証にどれぐらい費用がかかるか、つまり銀行保証を得る際の手数料を明らかにします。[アクション (tcgtc0117m000)] セッションでは、銀行保証の作成および完了のためにユーザに割り当てられたアクションを追跡できます。
銀行保証は、[銀行保証 - 受益者 (tcgtc0660m200)] および [銀行保証 - 申請者 (tcgtc0660m300)] ワークベンチで作成できます。ユーザ権限に関するセッションを使用して、承認限度、および、状況の変更に必要な権限を指定できます。
- 銀行保証のユーザ権限 - 受益者 (tcgtc0104m000)
- 銀行保証のユーザ権限 - 申請者 (tcgtc0104m200)
取引タイプによっては、銀行保証を、販売オーダ、購買オーダ、契約成果物ラインなどのロジスティック取引にリンクすることができます。1 件のロジスティック取引に 1 件以上の銀行保証をリンクできます。
- 銀行保証では、状況を利用して、保証を取得する処理と、すべての参加者が署名バージョンを持つことを保証する処理をモニタできます。
- オーダがリンクされ、入庫または出荷が確認されたときに、銀行保証の金額が消費されます。
- リンク中に、銀行保証のコンプライアンスチェックが実行され、リンクに利用可能な金額を超過していないかどうかが (銀行保証のインジケータを基準として) 確認されます。
- ユーザは、前払額または分割払額を、銀行保証でチェックと消費の対象となる金額から除外できるかどうかを指定できます。