シリアル番号付品目の概要

シリアル番号付品目とは、一意の永続シリアル番号が割り当てられた、標準品目の物理的な発生です。シリアル番号付品目により、品目のライフタイム (たとえば、設計、製造、テスト、物流、およびメンテナンスの各段階) を通して個々の品目を追跡できます。シリアル番号付品目には、他のシリアル番号付部品が含まれていることがあります。

各産業でのシリアル番号付品目の使用例を次に示します。

  • 自動車産業で使用される車両識別番号 (VIN)
  • 航空宇宙産業および防衛産業で使用される尾翼番号
  • 電子産業で使用されるシリアル番号

シリアル番号付品目は、品目コードとシリアル番号の組合せにより識別されます。

LN では、あらゆるタイプの品目をシリアル番号付品目として定義できます。

注: 
  • シリアル番号付品目は、有効化構成品目と同じものではありません。シリアル番号付品目には、個別の品目の識別および追跡に使用されるシリアル番号が割り当てられています。一方、有効化構成品目には、品目の構成に関する何らかの情報を提供する有効化コードが割り当てられています。
  • 1 つの品目がシリアル番号付品目および有効化構成品目の両方であることもあります。
  • 品目、ロットおよびシリアル 360 (whltc3600m100) セッションで、特定の品目ロットシリアル番号に関連する取引を表示できます。このセッションでは、ロットまたはシリアル番号付品目の完成状態およびメンテナンス可能状態の構造もグラフで表示されます。

以下の LN パッケージでは、品目のライフサイクルの特定の段階でシリアル番号付品目にシリアル番号を割り当てることができます。

  • 製造
  • 倉庫管理
  • サービス
  • 製造

    ジョブショップオペレータが製造プロセスのさまざまな段階で新しい製造品目のシリアル番号を入力できます。工程オペレータは、シリアル番号をマニュアル入力することも、特定のマスクに基づいてシリアル番号を生成することもできます。

    シリアル番号は、完成状態構造に入力されます。完成状態構造は、製品の構成を反映しています。製品には 1 つのシリアル番号が付与されます。完成状態構造内の構成要素品目はシリアル番号付にもシリアル番号なしにもできます。構成要素品目がシリアル番号付の場合は、該当の構成要素を倉庫から出庫するときにシリアル番号が構成要素に割り当てられるか、ジョブショップオペレータが完成状態構造に構成要素を追加するときにシリアル番号を割り当てるかのいずれかになります。

    製造品目に割り当てられているシリアル番号を使用して、倉庫、販売、およびサービスの各プロセスを通して品目を追跡できます。

    繰返生産環境では、シリアル番号付およびロット管理品目は一般的にさほど広範囲に使用されませんが、シリアル番号管理またはロット管理の製造製品を登録でき、それらを製造中に使用することもできます。

    さらに、製造中に完成状態を登録できます。ただし、繰返生産のため、サポートされるのは完成状態のマニュアル登録のみです。

    注意: シリアル番号付品目に、複数製品の製造モデルを作成することはできません

  • 倉庫管理

    シリアル番号によって品目を追跡するのは、品目の原価管理に必要であるためです。高価な品目の場合、ライフサイクルに渡ってその品目を詳しく監視することが必要な場合もあります。一般的に、高価な品目は比較的少ない数量で製造および処理されますが、より安価な品目の商品フローは大きな数量になります。LN では、このコンセプトが次のようにモデル化されています。

    • 少量

      このシナリオは、比較的少ない数量で製造および処理され、倉庫フロー全体を通しての詳細な追跡が必要となる高価な品目に使用されます。倉庫での入庫または出庫の際に、各シリアル番号付品目にシリアル番号がマニュアル入力か自動で割り当てられます。入庫の際には、品目/シリアル番号の組合せが個別に在庫に登録されます。入庫、転送、出庫などの各在庫処理に対して、シリアル番号付品目の在庫レコードが更新されます。
    • 多量

      多量シナリオは、大量に製造および処理され、詳細な追跡をあまり必要としない比較的安価な品目に使用されます。このシナリオでは、シリアル番号付品目は在庫に登録されません。したがって、在庫処理に関する更新を表示する在庫レコードが存在しません。ただし、倉庫別の各品目については、入庫、転送、または出庫に関してシリアル番号を登録する必要があるかどうかを指定できます。これは、倉庫における特定のシリアル番号付品目の所在の概要情報を取得するときに役立ちます。また、情報が不要な場所についてシリアル番号の詳細な調査をスキップすることもできます。

    倉庫管理を使用すると、シリアル番号付品目の入庫、転送、または出庫の原因となったオーダ、つまり製造オーダ、購買オーダ、または販売オーダなどを追跡することもできます。このオプションは、多量シナリオおよび少量シナリオの両方で利用できます。

  • サービス

    製品情報を取得するため、およびサービス/メンテナンス目的の品目の置換を登録するために、製造で作成した完成状態構造をのフィジカルブレイクダウンと呼ばれる製品構造にコピーすることができます。

    サービス内で発生するすべての取引の中で追跡できるように、シリアル番号付品目を定義できます。製造や倉庫などの他のエリアと対話するには、共通情報で同じようにシリアル番号を付けた品目を定義する必要があります。

    メンテナンス販売管理および作業管理システムモジュールでは、自社で実行したサービスおよびメンテナンス活動を扱います。サービスオーダ管理モジュールでは、顧客のサイトで実行されたサービスおよびメンテナンス活動を扱います。どちらのシナリオにも、(予備部品) 品目の販売と納入、修理およびメンテナンス活動の営業、返品された品目の入庫、および品目の置換が伴います。

    • メンテナンス販売管理

      サービスおよびメンテナンスに関連するすべての販売活動、および自社内で顧客所有の品目に関して実行されたすべての修理およびメンテナンスジョブは、メンテナンス販売オーダで処理されます。各タイプの活動について、オーダラインの適切なタイプを [メンテナンス販売] オーダヘッダに追加する必要があります。特定のオーダラインを選択すると、入庫ライン/出庫オーダラインの作成などの活動を実行する手順がトリガされます。詳細については、次のトピックを参照してください: [ライン作業手順]
    • 作業管理システム

      自社独自の所在地で実行されるすべての修理およびメンテナンス活動は、作業オーダで処理されます。これらの活動には、顧客所有の品目および自社所有の品目の両方に対するメンテナンスまたは修理ジョブが含まれる場合があります。顧客所有の品目に対する作業オーダは、[メンテナンス販売] オーダでトリガできます。これについては、前のリスト品目に関する項で説明しています。
    • サービスオーダ管理

      ユーザがサービスオーダを発行すると、[サービス] の発生元である出庫オーダラインに基づいて、サービスオーダに記述されている活動の実行に必要なシリアル番号付構成要素品目が出庫されます。

    作業オーダまたはサービスオーダに対応して品目および構成要素が出庫されるとき、出庫される品目のシリアル番号が自動またはマニュアル入力で登録されます。