累計モデルに基づく累計の同期

顧客と発注先の両方が LN を使用してスケジュール所要量を通信する場合、累計はオーダ基準または入庫基準の累計モデルに基づいて同期され、その定義は [品目 - 販売取引先 (tdisa0510m000)] または [販売契約ラインロジスティックデータ (tdsls3102m000)] セッションの累計モデル使用フィールドで行うことができます。

これらモデルの使用方法の詳細は、販売スケジュールの調整を参照してください。

累計のリセット

長期にわたると、累計は非常に高い値に増加することがあります。これらの値を減らすには、[累計のリセット (tdsls3230m000)] セッションで累計をリセットします。通常このリセットは年末に実行されますが、累計は年の変わり目では正確にリセットできません。このため、リセット日の後に、累計セッションで更新を保存することができます。リセット後の数量を計算することによって、リセット処理にこの値を含めることができます。

累計を正常にリセットするには、次の条件を満たす必要があります。

  • [累計のリセット (tdsls3230m000)]、および [累計のリセット (tdpur3230m000)] セッションで累計をリセットするとき、発注先および顧客に同じ累計リセット日を使用する必要があります。
  • リセットは、顧客が送付した発行を発注先が受領して承認した場合のみ実行できます。そうでない場合、リセット日の後に処理される発行はリセット日が異なるため、発注先はこれを承認できません。
  • 発注先は、受領した発行を更新することはできません。また、マニュアルで新しい発行を作成することもできません。これは、リセットで誤った数量になる場合があるためです。
注: 
  • [不一致] 状況で、[処理日] が累計リセット日より前の調整レコードが存在する場合、販売スケジュールの販売スケジュール累計をリセットすることはできません。[販売スケジュール調整 (tdsls3131m000)] セッションでは、販売スケジュール調整レコードを表示できます。
  • [販売スケジュール (tdsls3111m000)] セッションに保存されている特定の販売スケジュール改訂の累計は、リセット処理中には更新されません。履歴情報として保持されます。

リセット数量の計算

[累計のリセット (tdsls3230m000)] セッションで累計をリセットする場合、LN によりまずリセット数量が決定されます。

リセット数量を計算するには:

  1. リセット数量は、[累計のリセット (tdsls3230m000)] セッションで指定した [累計リセット日] より前の最後の累計レコードから、LN により取得されます。リセット数量になる数量は [累計モデル使用] で指定されている累計モデル使用によって決まります。

    [累計モデル使用] に応じて、次のようになります。

    • [オーダ基準] の場合、[優先所要累計] がリセット数量です。
    • [入庫基準] の場合、[入庫累計] がリセット数量です。
  2. LN によって新しい累計レコードが作成されます。

    LN により次の新しい累計レコードが作成されます。

    • 出荷済累計レコード ([出荷済累計 (tdsls3532m000)] セッション)
    • 請求済累計レコード ([請求済累計 (tdsls3533m000)] セッション)

    新しい累計レコードの場合:

    • [累計リセット日] は、[累計のリセット (tdsls3230m000)] セッションで指定した [累計リセット日] と等しくなります。
    • [状況] が [リセット] である

出荷済累計のリセット

新しい出荷済累計の場合、LN により次の数量がリセット数量で減算されます。

  • [出荷累計].
  • [入庫累計].

[累計リセット日] より後の取引日の出荷済累計レコードがすでにある場合、LN によりそれらのレコードが次のように調整されてコピーされます。

  • [出荷累計] と [入庫累計] もリセット数量で減算されます。
  • 古い [累計リセット日] が、新しい [累計リセット日] で置き換えられます。

請求済累計のリセット

新しい請求済累計レコードの場合、LN により [累計請求数量] がリセット数量で減算されます。

[累計リセット日] より後の請求日の請求済累計レコードがすでにある場合、LN によりそれらのレコードが次のように調整されてコピーされます。

  • [累計請求数量] も、リセット数量で減算されます。
  • 古い [累計リセット日] が、新しい [累計リセット日] で置き換えられます。

例 1 - [オーダ基準] 累計モデルの累計をリセットするには

  • リセット日 = 第 3 週開始
  • スケジュールラインはリセットが実行される前に生成される
  • スケジュールライン 2 は第 3 週に入庫する
  • スケジュールライン 3 は第 5 週に入庫する
ライン 1 リセット前の優先所要累計 ライン 2 リセット前の優先所要累計 ライン 3 リセット前の優先所要累計 リセット後の優先所要累計
1 20 20 - 20 - 20 20
2 20 40 - 40 - 40 40
3 20 60 5 45 - 45 5
4 20 80 5 50 - 50 10
5 20 100 5 55 20 70 30
6 20 120 55 110 5 75 35
7 - - 5 115 5 80 40
8 - - 5 120 5 85 45
9 - - - - 5 90 50
10 - - - - 5 95 55

合計 累計ライン 1 累計ライン 2 累計ライン 3 リセット後の累計
累計開始 0 40 50 10

リセット日は第 3 週に開始されます。[オーダ基準] 累計モデルのため、リセットは優先所要累計に基づいて実行されます。第 2 週終わりのリセット数量は 40 です。このため、すべての累計は累計リセット日 (第 3 週) から -40 で更新されます。

例 2 - [入庫基準] 累計モデルの累計をリセットするには

前の例と同じデータを使用しますが、次のデータも考慮されます。

入庫済数量 リセット前の入庫済累計 リセット後の入庫済累計
1 10 10 10
2 25 35 35
3 20 55 20
4 - 55 20
5 5 60 25

リセット日は第 3 週に開始されます。[入庫基準] 累計モデルのため、リセットは所要累計に基づいて実行されます。第 2 週終わりのリセット数量は 35 です。このため、すべての累計は累計リセット日 (第 3 週) から -35 で更新されます。

例 1 の合計は、次のようになります。

合計 累計ライン 1 累計ライン 2 累計ライン 3 リセット後の累計
累計開始 0 40 50 15