リードタイムフェンスあり/なしの転送可能在庫の使用

ときには、プロジェクトの需要の優先順位が非常に高く、即座に履行する必要がありながら、プロジェクトの在庫が不十分で、他のプロジェクトからの転送可能原価ペグ転送も品目のリードタイムフェンスが原因で作成できない場合があります。

転送可能リードタイムフェンスは、永続または借受/貸付原価ペグ転送で転送可能在庫を利用できるかどうかに影響します。転送可能リードタイムフェンスは使用することも無視することもできます。転送可能リードタイムフェンスを使用する場合は、タイムフェンスを拡大するオプションが利用できます。

品目の転送可能タイムフェンスを広げた場合、その品目を使用するプロジェクトで転送可能在庫の利用性は減少します。この結果、原価ペグ転送の数は減りますが、短期需要を満たすために利用できる在庫も減少します。

逆に、転送可能タイムフェンスを無視すると、転送可能在庫の利用性は増加します。また、永続または借受/貸付転送の対象となるプロジェクトの数も増加します。したがって、タイムフェンスを無視すると、原価ペグ転送の数が増加します。在庫が別のプロジェクトに転送される各プロジェクトは、さらに別のプロジェクトから転送を受けて自身の在庫ギャップを容易に埋めることができます。

転送可能リードタイムフェンスは、品目のオーダリードタイムに基づいて計算されます。品目のオーダリードタイムは、品目 - 計画 (cprpd1100m000) セッションの計画オーダフィールドに表示されます。デフォルトの転送可能リードタイムフェンスは、オーダリードタイムと同一です。転送可能タイムフェンスを広げるために、このセッションの転送可能在庫のリードタイムの使用フィールドで必要な値を指定できます。

補充リードタイムフェンスを考慮しないで転送可能原価ペグ転送の作成を有効にするには、以下を実行します。

  1. [プロジェクトペギングパラメータ (tcpeg0100m000)] セッションで [送信時に ATT タイムフェンスを無視] チェックボックスをオンにします。
  2. [原価ペグ転送ルール (tcpeg1100m000)] セッションで [転送可能在庫の使用] チェックボックスをオンにします。

この結果、出庫処理で、他のプロジェクトに属する過剰在庫または転送可能在庫の永続原価ペグ転送が作成され、以下の順番で、転送する原価ペグが選択されます。

  • 過剰在庫
  • リードタイムを考慮した転送可能在庫
  • リードタイムを考慮しない転送可能在庫
注: 
  • 倉庫管理の出庫処理では、以下の条件の場合、転送可能在庫の借受/貸付転送を生成することもできます。

    • 借受/貸付および返却チェックボックスが [プロジェクトペギングパラメータ (tcpeg0100m000)] セッションでオンである
    • [借受/貸付] セッションの [原価ペグ転送タイプ] フィールドで [原価ペグ転送ルール (tcpeg1100m000)] が選択されている
  • 企業計画のエンジンは [送信時に ATT タイムフェンスを無視] チェックボックスを無視します。