入庫処理と検査処理でのペグ配分

入庫とペギング

これにより、[プロジェクトペギング在庫 (whwmd2560m000)] セッションでペギング在庫レベルが更新されます。入庫オーダラインの計画数量が [計画在庫処理 (whinp1500m000)] セッションで更新され、ペグデータも含まれます。各ペグについて、計画在庫処理も生成されます。

入庫ラインに検査のマークが付けられると、入庫数量がブロックされます。パラメータ設定によっては、数量の企業計画による使用もブロックされます。適時需要に対応するために、直近の所要日を持つペグにできるだけ多く承認済品目を確実に割り当てるように、入庫検査中の不合格 (または破壊済) の数量が、最も遅い所要日を持つペグに割り当てられます。

プロジェクト倉庫

プロジェクト倉庫またはプロジェクト仕掛品倉庫である出荷元倉庫または出荷先倉庫の場合、入庫/出庫オーダラインペグ配分は作成されません。代わりに、入庫/出庫オーダラインのプロジェクトフィールドが使用されます。ただし、通常倉庫に関連するプロジェクトペギング品目について入庫/出庫オーダラインが作成された場合、ペグ配分が適用可能であり、入庫/出庫オーダラインのプロジェクトフィールドは無効になります。

入庫オーダラインペグ配分

入庫オーダラインの場合、ペグ配分データは表示のみが可能であり、メンテナンスはできません。マニュアル転送オーダの場合、ペグ配分のメンテナンス (マニュアル) は出庫オーダラインでのみ可能です。ペグ配分を修正して出庫オーダラインを保存するときに、入庫オーダラインペグ配分がそれに従って変更されます。

原価品目とサービス品目

原価品目またはサービス品目を持つオーダラインでは、ペグ配分も存在することがありますが、これらの品目タイプの入庫数量のペグラインへの割当は常時、比例的に実行されます。このペグ配分データは適切に原価をプロジェクト/ペグに引き当てるためにのみ重要であり、これらの品目は非物理エンティティであるため、ロジスティック上の目的を持ちません。特定の原価/サービス品目を 0 個オーダすると、1 行のみのペグラインで構成されるペグ配分も作成されます。

倉庫入庫

• 入庫ラインペグ配分

  入庫ラインを確認すると、入庫ラインの下にペグ配分が作成されます。さらに、[プロジェクトペギングパラメータ (tcpeg0100m000)] セッションのプロジェクトペグ入庫処理チェックボックスがオンの場合、ペグ配分入庫データが将来の監査のために入庫ラインペグ配分監査 (whinh3579m000) セッションに記録されます。

  入庫品目をペグに割り当てる順序は、企業計画から取得した直近の所要日と所要数量に基づきます。

  入庫ラインに複数のペグがあり、かつ入庫数量がオーダ済数量と異なる場合、企業計画で指定された直近の所要日により決定された優先順位に基づいて、入庫数量をペグ配分に配分する必要があります。入庫の確認時にペグ配分ラインが作成されます。

  場合によっては、オーダのオーダ数量が品目の合計所要数量を超え、過剰在庫数量になることがあります。過剰在庫は企業計画で決定され、この場合、配分ラインには需要オーダ参照と所要日がありません。所要数量を超える過剰在庫 (オーダ数量を超えない) は、ペグライン連番内のペグに割り当てられます。オーダ数量を超えて入庫した過剰在庫は、オーダ数量の割合に基づいて、ペグラインに比例配分されます。

• 計画在庫処理/在庫レベルの更新

  入庫ラインを確認すると、対応する入庫ラインペグ配分の入庫数量に基づいて計画在庫処理が更新されます。次に、計画在庫処理がプロジェクトペグレベルに記録されます。

  入庫ラインを確認すると、[倉庫 - 品目在庫 (whwmd2515m000)] セッションの手持在庫が増加します。同様に、対応する入庫ラインペグ配分の入庫数量に基づいて、[プロジェクトペギング在庫 (whwmd2560m000)] セッションの手持在庫が増加する必要があります。

• 入庫数量のプロジェクトペグへの割当

  複数のペグラインが存在する予定入庫オーダラインへの完全入庫、部分入庫、または過剰入庫は、次の順序に基づいて入庫数量の割当先となるペグが決定されます。

  1. 全所要数量に達するまで、直近の所要日を持つペグに最初に入庫されます。
  2. オーダ数量に達しないペグ (および所要数量がすでに 0) には、ペグラインの順序で入庫されます。
  3. オーダ数量を超えた分は、ペグに比例的に割り当てられます。

  オーダラインの全数量が、リンクされた入庫ラインで入庫した場合、各オーダラインペグについて入庫ラインが作成され、ペグラインあたりの合計入庫数量はオーダ数量に等しくなります。

• バックオーダ

  確認済入庫ラインで入庫数量が予測数量より小さい場合、作成したバックオーダを購買管理で処理することで差異を解決する必要があります (可能な場合)。バックオーダは、全体が入庫しなかったペグのペグライン配分を持つ別の入庫ラインで入庫されます。

  バックオーダラインが入庫して確認されると、入庫した残存ペグについて入庫ラインペグ配分が作成されます。

• 入庫訂正

  [入庫訂正 (whinh3121s000)] セッションを使用して、確認済入庫済数量を変更できます。すでに入庫済の数量を増やすと正の入庫訂正になります。追加の入庫済数量は、当初の入庫と同様にペグに割り当てられます。

  1. 直近の所要日を持つペグに最初に入庫されます。
  2. オーダ済数量に達しないペグには、ペグラインの順序で入庫されます。
  3. オーダ数量を超えた分は、ペグに比例的に割り当てられます。

  すでに入庫済の数量を減らすと負の入庫訂正になります。

  入庫済数量が減少すると、入庫済数量の変更分が次のように入庫済ペグに配分されます。

  1. オーダ数量を超えた分は、比例的に減少されます。
  2. 入庫済数量が所要数量を超えるがオーダ数量より少ない場合は、ペグラインの順序で減少されます。
  3. 残存入庫済数量は、所要日が遅い順序で減少されます。

入庫手順 - 検査

[倉庫検査概要 (whinh3122m000)] セッションには、ペグ配分がありません。検査済数量/不合格数量の登録は、入庫ラインで利用可能なペグ配分で実行され、入庫オーダラインペグ配分にまとめられます。

通常、倉庫検査の対象となる在庫はブロックされたままです。同様に、検査予定のプロジェクトペギング在庫もブロックされたままです。検査の処理後、計画在庫処理および在庫レベルが、検査結果に従ってペグレベル別に更新されます。

承認済数量は最初に、直近の所要日を持つペグラインに割り当てられます。不合格数量または破壊済数量は最初に、最も遅い所要日を持つペグラインに割り当てられます。過剰在庫数量の場合、過剰在庫数量を最初に使用する必要があります。不合格数量または破壊済数量は、入庫ラインの実際の入庫数量 (関連する入庫オーダラインの合計値ではない) に基づいて配分されます。更新した入庫ラインペグ情報は、入庫オーダラインペグ配分のレベルにまとめられます。

出庫手順 - 検査

[倉庫検査概要 (whinh3122m000)] セッションには、ペグ配分がありません。また、出庫勧告に関する特定のペグ配分もありません。検査済不合格数量は、[出庫オーダラインペグ配分 (whinh2190m000)] セッションで登録されます。

通常、出庫検査がスケジュール済の在庫はブロックされたままです。同様に、検査予定のプロジェクトペギング在庫もブロックされたままです。検査の処理後、計画在庫処理および在庫レベルが、検査結果に従ってペグレベル別に更新されます。

出庫オーダラインペグの更新

[出庫オーダラインペグ配分 (whinh2190m000)] セッションの [棚卸単位] は、すでに発行済の勧告済ペグ数量を含む検査対象です。

倉庫検査時の出庫オーダラインペグの取扱には、次の条件が適用可能です。

• 個々の発行済出庫勧告について、検査ラインが作成されます。この時点で、[棚卸単位] が定義され、所要日が早い順序で分配されます。
• 直近のペグの勧告数量全体が [棚卸単位] に割り当てられる場合、残りの発行済数量は、次に早い要求日を持つペグの [棚卸単位] に割り当てられ、これが順次繰り返されます。
• 承認済数量は、所要日の早い順序でペグに割り当てられます。
• 不合格数量は、所要日の遅い順序でペグに割り当てられます。ただし、過剰納入 (勧告数量 > オーダ数量) の場合、過剰分は所要日の早い順序で消費する必要があります。
• ペグの [棚卸単位] は、検査用にブロックされます。
• 検査レコードの処理時に、承認済数量または不合格数量が、[棚卸単位] を持つペグにのみ分配されます。この [棚卸単位] は、ペグに割り当てられた承認済数量および不合格数量により消費されます。効果的に、処理済数量のブロック済数量が減少します。