販売スケジュールの調整

非参照販売スケジュールが承認される前に、販売スケジュールの不足納入または超過納入をチェックできます。

受領した販売スケジュール要件を調整するには、次のいずれかを実行します。

  • 販売スケジュールの調整 (tdsls3210m000) セッションを実行します。
  • 販売スケジュールの承認 (tdsls3211m000) セッションを [調整] チェックボックスをオンにして実行します。
注: 

販売スケジュールが条件契約にリンクされた販売契約に基づく場合、また条件契約について [スケジュール条件 (tctrm1131m000)] セッションの [販売スケジュールの調整活動適用] チェックボックスと [販売スケジュールの調整] チェックボックスがオンになっている場合、販売スケジュールの調整は自動的に行われます。

不足納入または超過納入を特定するために実行される計算は、使用する累計モデルによって異なります。この累計モデルは、[品目 - 販売取引先 (tdisa0510m000)]/[販売契約ラインロジスティックデータ (tdsls3102m000)] セッションの累計モデル使用フィールドで指定されます。

次の累計モデルを使用できます。

  • [オーダ基準]
  • [入庫基準]
注: 

すべての販売スケジュールの累計について [累計リセット日] が等しい場合のみ、超過納入または不足納入が計算可能になります。

オーダ基準

取引先と [オーダ基準] 累計モデルを使用することを合意する場合、取引先は販売スケジュールの新しい所要量を送信するときに [優先所要累計] を提供します。取引先が所要量を送信するたびに、新しい販売スケジュール改訂番号が作成されます。

[オーダ基準] CUM モデルの超過納入または不足納入を判断するため、次の計算が実行されます。

合計調整数量 = [出荷累計] - 優先所要累計
注: 

[出荷累計] と [優先所要累計] は [販売スケジュール (tdsls3111m000)] セッションで表示できます。

この計算結果がマイナスの場合、出荷数は取引先が必要とする数量を下回っています。このため、合計調整数量について新しい販売スケジュールラインが作成されます。この販売スケジュールラインの [所要量タイプ] は、[即時] です。

この計算結果がプラスの場合、出荷数は取引先が必要とする数量を上回っています。このため、次の販売スケジュールラインの所要数量が合計調整数量で減算されます。販売スケジュールラインの所要数量が減ると、その販売スケジュールラインの状況は [調整済] になります。合計調整数量が、次の販売スケジュールラインの所要数量以上の場合、この販売スケジュールラインは取り消されて、状況が [取消済] になります。合計調整数量の帳尻が合うまで販売スケジュールラインが取り消され、販売スケジュールライン所要量が調整されます。所要数量がゼロの販売スケジュールラインで発生する処理の詳細は、販売スケジュールラインのゼロ所要数量を参照してください。

注: 

計算結果がプラスの場合、その結果は、まず超過納入ライン (存在する場合) から差し引かれ、次に未納入のラインから差し引かれます。

購買管理の次のスケジュール出庫日: 18-09

日付 17-09 18-09 19-09 20-09 21-09
ライン番号 1 - - 2 3
オーダ済 10 - - 10 10
入庫済 10 - - 10 0
不足分 - - - - 10

ライン番号 2 は次のスケジュール出庫日前にすでに入庫しているため、数量 10 は在庫に保管されます。9 月 20 日の 10 個の需要が 9 月 19 日の 20 個の需要に変更された場合、企業計画は在庫の 10 個を使用し、残りの 10 個については別のラインが追加されます。

日付 17-09 18-09 19-09 20-09 21-09
ライン番号 1 - 4 2 3
オーダ済 10 - 10 10 10
入庫済 10 - 0 10 0
不足分 - - 10 - 10

購買管理から販売管理に数量が通知されると、次の出庫日以降に納入されるスケジュールライン数量は超過納入とみなされますが、次のように、スケジュール出庫日の 1 つのラインで通知されます。

日付 17-09 18-09 19-09 20-09 21-09
オーダ済 - 10 10 - 10

販売管理で合計出荷済数量が 20 の場合次の計算が実行されます。

合計出荷済累計 (20) - 優先所要累計 (10) = 10

販売管理は、次のように過剰納入を調整します。

日付 17-09 18-09 19-09 20-09 21-09
オーダ済 - - 10 - 10

最初の販売スケジュールライン、つまり購買管理の納入済ラインの所要数量が調整されます。

入庫基準

取引先と [入庫基準] 累計モデルを使用することを合意した場合、取引先は販売スケジュールの新しい所要量を送信するときに [入庫累計] を提供します。[入庫累計] には取引先がこれまでに販売スケジュールで受領したすべての数量の合計が含まれています。取引先が所要量を送信するたびに、新しい販売スケジュール改訂番号が作成されます。

[入庫基準] 累計モデルについて超過納入または不足納入が判断可能になるように、次の計算が実行されます。

合計調整数量 = [出荷累計] - [入庫累計]
注: 

[出荷累計] と [入庫累計] は [販売スケジュール (tdsls3111m000)] セッションで表示できます。

この計算結果がプラスの場合、出荷数は取引先が受領した数量を上回っています。この結果、[出荷累計] と [入庫累計] の差異は輸送中であるとみなされます。このため、次の販売スケジュールラインの所要数量が合計調整数量で減算されます。販売スケジュールラインの所要数量が減ると、その販売スケジュールラインの状況は [調整済] になります。合計調整数量が、次の販売スケジュールラインの所要数量以上の場合、この販売スケジュールラインは取り消されて、状況が [取消済] になります。合計調整数量の帳尻が合うまで販売スケジュールラインが取り消され、販売スケジュールライン所要量が調整されます。所要数量がゼロの販売スケジュールラインで発生する処理の詳細は、販売スケジュールラインのゼロ所要数量を参照してください。

この計算結果がマイナスの場合、出荷数は取引先が受領した数量を下回っています。この場合、販売スケジュールラインは調整されませんが、レポートに警告メッセージが追加されます。この理由は、[入庫基準] 累計モデルでは、取引先が差異を解決する責任を担っているからです (購買スケジュール累計も参照)。この場合、[販売スケジュール請求ライン (tdsls3140m200)] セッションでの [修正] レコードの作成を決定できます。請求書訂正に関する情報の詳細は、販売スケジュールと請求を参照してください。

調整処理が実行された後で、調整された販売スケジュールラインと新しく作成された販売スケジュールラインがまだ承認されていない場合、[販売スケジュールの承認 (tdsls3211m000)] セッションで承認できます。