CTP 詳細の表示

[有効在庫 (ATP) 処理 (cprrp4800m000)] セッションで [CTP 詳細の表示] チェックボックスをオンにすると、「有効在庫 (ATP) の概要」 レポートに加え、「確約可能在庫の概要」 という題名のグラフィックブラウザが生成されます。この概要には、各納入ラインの下に、確約可能在庫チェック中に検出された構成要素と能力の制約に関する情報が表示されます。

したがって、この 「確約可能在庫の概要」 には、構成確約可能在庫チェックまたは確約可能在庫能力チェックが適用されている場合の追加情報のみが表示されます。それ以外の内容は 「有効在庫 (ATP) の概要」 レポートと同じです。

「確約可能在庫の概要」 の例:

完成品 JOSUEF11 の所要数量が 247 個だとします。この品目には以下のマルチレベル部品表があります。

この製品構造で、確約可能在庫でクリティカルな構成要素は JOSUEF14 と JOSUEF17 だけです。

部品表の他の品目はすべて、[品目 - 計画 (cprpd1100m000)] セッションで [構成確約可能在庫] チェックボックスがオンに設定されています。

この例では能力を省いています。

注: 

チェックのタイプとして、[構成要素] チェックボックスがオンになっています。[CTP 詳細の表示] チェックボックスもオンになっています。これで、「有効在庫 (ATP) の概要」 レポートに加え、個別の 「確約可能在庫の概要」 が生成されます。

固定倉庫チェックの結果、以下の情報がレポートに表示されます。

この固定倉庫チェックによって以下の 「確約可能在庫の概要」 が生成されます。

どちらのレポートも、所要数量 247 個を以下のように分納できることを示しています。

  • 12 月 17 日に 101 個
  • 12 月 21 日に 83 個
  • 12 月 30 日に 63 個

レポートのメインラインとグラフィックブラウザの内容が同じであることが分かります。ただし、「有効在庫 (ATP) の概要」 レポートはここまでですが、「確約可能在庫の概要」 には全数量を納入するにあたって制約のある構成要素または能力が表示されます。

この概要は以下のように解釈できます。

  • 製品構造の分岐内で入手可能数量が十分にある資材が検出され、これが黒で表示されています。この構成要素の下に分岐がある場合、その情報はこのレポートにもはや不必要とみなされるため、その分岐は表示されません。このレポートは制約のある構成要素と能力のみに重点を置いています。
  • 上図の例にある品目 JOSUEF15 では、そのクリティカル構成要素 JOSUEF17 の入手可能性に基づいて 247 個を製造できます。さらに、最後のメインラインにある JOSUEF11 が黒で表示されています。これは、12 月 30 日時点でのこの品目の有効在庫 (ATP) が、需要の残数量 63 個を満たせると判明したからです。したがって、黒ラインの入手可能性については問題はありません。これは入手可能数量が所要数量に等しいことからも分かります。
  • 数量が不足している分岐は赤で表示されています。上の例では、最初のメインラインが展開されて分岐全体が表示されています。JOSUEF14 の数量不足が検出され、この分岐ではこれが最下位の構成要素であることから、この分岐全体が赤で表示されています。さらに 2 番目のメインラインも赤で表示されていますが、まだ展開されていません。

日付は以下のように決定します。

  • 完成品 JOSUEF11 の確約可能在庫が EP パラメータ[構成確約可能在庫チェック精度]に基づいて毎期間チェックされます。このパラメータの値が、たとえば 1 時間に設定されている場合、その後 1 時間ごとに確約可能在庫が計算されます。この確約可能在庫を計算する際、各構成要素の所要日を決定するためにリードタイムオフセットが使用されます。このオフセットは、上図の最初のメインラインの分岐に表示されています。JOSUEF14 の所要日は JOSUEF13 よりも前になっています。

入手可能数量は以下のように決定されます。

  • 確約可能在庫を計算する完成品であることを示すメインラインには、その前のメインラインと比較したときの入手可能な追加数量が常に表示されます。
  • ただし、構成要素ラインには常に累積数量が表示されます。
  • したがって、以降の各構成要素ラインに表示される入手可能数量は、前の構成要素ラインに表示される数量よりも多くなります。

例: JOSUEF11 の所要数量が 300 個の場合: 

JOSUEF11 のメインラインは、12 月 20 日に 101 個、12 月 21 日に 83 個が入手可能であることを示しています。

JOSUEF14 の構成要素ラインは、12 月 16 日 (リードタイムオフセット適用後) に 101 個、12 月 17 日に 184 個が入手可能であることを示しています。つまり、この 184 という入手可能数量は、101 個と 83 個を足した累積数量です。

この入手可能数量の表示方法は若干分かりにくいかもしれませんが、累積数量ではなく構成要素の追加数量を確認する場合は非常に有効です。メインラインを見れば追加数量がすぐに分かります。