利益分割

利益分割は、外部販売取引の利益を、取引に関係したエンティティ間で分割する方法です。LN では、2 つのエンティティが関係する販売取引に適用されます。たとえば、販売オーダの利益が、販売オフィスと倉庫に分割されます。

利益分割方法は、以下の関係会社間取引シナリオにのみ適用されます。

  • [外部資材納入販売]
  • [外部資材直送]

関係会社間取引オーダの作成時に、見積オーダ価格および見積売上原価に基づいて利益額が計算されます。請求時には、利益は実際オーダ価格およ売上原価に基づきます。

利益は利益分割割合に従って分割されます。この利益分割割合は、該当する関係会社間取引合意のデフォルト値として定義されますが、関係会社間取引オーダで調整できます。

利益分割割合は販売エンティティについて定義され、残りの割合は購買エンティティに配分されます。

利益分割割合は、販売オーダの純利益または粗利益に基づきます。これは、関係会社間取引オーダに指定された [利益分割 (総額)] または [利益分割 (正味)] の価格発生元によって決まります。デフォルトの価格発生元は、該当する関係会社間取引合意に定義します。

粗利益分割および純利益分割の計算

営業利益:
 販売オーダ価格 - 売上原価
純利益:
 販売オーダ価格 - 売上原価 - 値引

粗利益および純利益は、関係会社間取引オーダの利益分割率に従って関係するエンティティ間で分割されます。

多国籍会社のパリにある販売オフィスが、顧客に商品を 1000 ユーロで販売します。顧客に 40 ユーロの値引を行います。商品はロンドンの倉庫から納入されます。倉庫は 800 ユーロの 売上原価を負担しています。

粗利益は 1000 - 800 = 200 ユーロです。

価格発生元が [利益分割 (総額)] で利益分割割合が 60% の場合、倉庫は 120 ユーロ、販売オフィスは 80 ユーロ (残りの 40%) を受け取ります。倉庫が販売オフィスに請求する関係会社間取引価格は 920 ユーロ です。

売上原価 800 + 粗利益 120。販売オフィスの純利益は 40 ユーロ です。これは、販売オフィスの粗利益 80 ユーロから値引 40 ユーロを差し引いた額です。

総純利益は 1000 - 800 - 40 = 160 ユーロです。これは、倉庫の利益 120 に販売オフィスの純利益 40 を加えた額です。

価格発生元が [利益分割 (正味)] で利益分割割合が 60% の場合、倉庫は 96 ユーロ、販売オフィスは 64 ユーロ (残りの 40%) を受け取ります。倉庫が販売オフィスに請求する関係会社間取引価格は 896 ユーロ です。

売上原価 800 + 純利益 96。販売オフィスの純利益は 64 ユーロ です。販売オフィスの粗利益は 104 ユーロ です。これは、純利益 64 ユーロに値引 40 ユーロを加えた額です。

設定

  1. 関係会社間取引合意 (tcitr1600m000) で、以下のいずれかの関係会社間取引シナリオを持つ関係会社間取引合意を定義します。

    • [外部資材納入販売]
    • [外部資材直送]
  2. [振替価格設定ルール] タブの [新規] をクリックし、価格発生元の [利益分割 (総額)] または [利益分割 (正味)] を選択します。
  3. 利益分割率フィールドで、販売エンティティが受け取る利益割合を指定します。前述の例では、倉庫が販売エンティティです。