独立複数通貨システム

現地通貨が不安定な国では、独立した複数通貨システムを使用します。たとえば、税務当局には現地通貨でレポートし、会社の会計管理ではより安定した通貨を使用することができます。

独立複数通貨システムは、単一会社環境および複数会社 (複数国) LN 環境の両方で使用できます。

通貨の定義

独立複数通貨環境のロジスティック会社および財務会社では、以下の項目が同じである必要があります。

  • 参照通貨
  • 現地通貨
  • レポート 1 通貨
  • レポート 2 通貨

独立した計算

各外部通貨の各自国通貨に対する為替レートを定義する必要があります。すべての外部通貨の金額をすべての自国通貨に変換し、各自国通貨がそれぞれ独立した状態で金額を計算および登録します。

また、独立複数通貨システムの自国通貨との間に為替レートが使用されることはありません。したがって、自国通貨はそれぞれ独立しています。

為替差損益計算

取引金額を取引通貨から自国通貨に直接変換すると、異なる通貨間における取引値の不整合が生じることがあります。

たとえば、USD から CHF へ変換する場合の為替レートと DEM から CHF へ変換する場合の為替レートは、USD と DEM 間為替レートと不整合になることがあります。原因としては、通貨間における為替レートのシフトがあげられます。多くの場合、インフレ率が非常に高い通貨において発生します。

独立複数通貨システムでは、[為替差損益の計算 (tfgld5202m000)] セッションを使用して、為替レートをシフトした結果の差異を計算できます。LN では、特定の元帳勘定に差異が転記されます。元帳勘定は [財務会社パラメータ (tfgld0503m000)] セッションで指定できます。