財務会社別の取引先の財務詳細の例

この図は、単一ロジスティック/複数財務会社構造内の各部署の取引先データを LN で保存して取得する方法を示しています。

すべての会社で同じデータベースサーバを使用します。このため、会社はデータベーステーブルを共有してデータを共有できます。次の表は、共有テーブルに定義できるデータを示しています。

共有テーブル 取引先マスタデータ
デフォルト役割データ SA1、SA2、PA1、および PA2 の役割データ SB および PB の役割データ SC および PC の役割データ
財務取引先データ FA の財務データ FB の財務データ FC の財務データ

図では、次の設定が表されています。

  • 財務会社 F200 は、会計オフィス FB に登録されている取引先データを使用します。
  • 財務会社 F300 は、会社の会計オフィス FC に登録されている取引先データを使用します。
  • 財務会社 F100 は、会社 F100 の会計オフィス FA を使用します。

    会計オフィス FA に特定の取引先詳細を定義しなかった場合、財務会社 F100 は複数会社環境全体に定義されたデフォルトデータを使用します。デフォルトデータは、部署フィールドが空になっている取引先役割データの最初のインスタンスで定義されます。

注: 

財務会社の会計オフィスは、[財務会社パラメータ (tfgld0503m000)] セッションで定義します。たとえば、財務会社 F100 の場合、会計オフィス FA は財務会社 F100 の [財務会社パラメータ (tfgld0503m000)] セッションで会社の会計オフィスとして定義されます。

取引先財務データを部署、会社、または複数会社レベルで定義するには、各財務取引先役割の複数のインスタンスを定義する必要があります。つまり、請求先役割の複数のインスタンス、請求元役割の複数のインスタンス、回収先役割の複数のインスタンス、および支払先役割の複数のインスタンスを定義します。

各役割の最初のインスタンスでは、複数会社環境全体についてデフォルトの財務データを定義する必要があります。

次に、財務会社別の財務取引先役割データを定義します。つまり、それぞれの役割について、財務会社ごとに別々のインスタンスを定義する必要があります。

財務会社に定義されている役割データは、財務会社の部署が関係する販売オーダおよび購買オーダに適用されます。たとえば、請求先役割と財務会社 F200 に定義されている財務データは、会社 F200 の部署に適用されます。

最後に、それぞれの役割について、部署別に役割データを定義するためにインスタンスを必要な数だけ作成する必要があります。

この例では、請求先、回収先、請求元、支払先の役割について、個々のエンティティの財務データを指定する別個のインスタンスを定義します。

  • 複数会社環境全体のデフォルトの財務データ。このインスタンスでは、[部署] フィールドが使用できず、空白になります。
  • 財務会社 F100。このインスタンスでは、[部署] フィールドに会計オフィス FA を指定します。
  • 財務会社 F200。このインスタンスでは、[部署] フィールドに会計オフィス FB を指定します。
  • 財務会社 F300。このインスタンスでは、[部署] フィールドに会計オフィス FC を指定します。
  • 次の部署があります。

    • SA1
    • SA2
    • PA1
    • PA2
    • SB
    • PB
    • SC
    • PC
注: 

この例ではデータベーステーブルが共有されるので、任意の財務会社で作業して、財務取引先役割データを定義することができます。複数会社環境全体についてデフォルトの財務データを定義した後は、ロジスティック会社で作業して、部署別に財務データを定義することもできます。『Infor LN User Guide for Table Sharing (lncomtableshug)』 を参照してください。

データベーステーブルが共有されていない場合は、財務会社で作業して、会社および会社の部署について財務役割データを定義する必要があります。

この例で取引先の財務詳細を財務会社別に定義するには、次の手順を実行します。

  1. いずれかの財務会社で作業していることを確認します。
  2. 請求先、回収先、請求元、および支払先役割について、次のデータを指定する別個のインスタンスを定義します。

    • 複数会社環境全体に適用されるデフォルトの財務データ。これが最初のインスタンスです。このインスタンスでは、[部署] フィールドが使用できず、空白になります。
    • 特定の財務会社の部署に適用されるデータ。このインスタンスでは、[部署] フィールドに財務会社の会計オフィスを指定します。
    • 特定の部署に適用されるデータ。[部署] フィールドに指定する必要があります。この例ではデータベーステーブルが共有されるので、ロジスティック会社または任意の財務会社の部署を指定できます。