データ更新エンジンの概要 (OP)

データ更新エンジン (DUE) は、フィーチャーパック (FP) の更新後に、顧客データを更新するために使用します。

データ更新を実行するには、データ更新実行を実行する必要があります。場合によっては、データ更新実行が自動生成されます。また、マニュアルでデータ更新実行を作成することもできます。

データ更新実行はそれぞれ、特定のパッケージコンビネーションに属し、そのパッケージコンビネーションにリンクされた 1 つ以上の会社についてデータ更新を実行します。

データ更新実行は、複数の更新タスクで構成されます。各タスクは、1 つの会社について、更新プログラムを 1 つ実行します。各更新プログラムは、特定のテーブルを更新します。

会社 410 および 411 がパッケージコンビネーション b61ua6 にリンクされています。データ更新実行 19 はパッケージコンビネーション b61ua6 にリンクされ、次の更新タスクを含みます。

会社更新プログラム
410tcsptdll0901 - テーブル tcfin020 の更新
410tcsptdll0902 - テーブル tcfin015 の更新
410tcsptdll0905 - テーブル tccom000 の更新
410tcsptdll1902 - テーブル tccom710 の更新
411tcsptdll0901 - テーブル tcfin020 の更新
411tcsptdll0902 - テーブル tcfin015 の更新
411tcsptdll0905 - テーブル tccom000 の更新
411tcsptdll1902 - テーブル tccom710 の更新

 

注意

1 つのデータ更新実行で、パッケージコンビネーションに含まれる会社をすべて更新する必要はありません。1 つのパッケージコンビネーションに含まれる複数の会社について、複数のデータ更新実行を定義できます。たとえば、活動中の会社とテスト会社に別のデータ更新実行を定義し、異なる時刻にそれらのデータ更新を実行できます。次の例を参照してください。

次の会社がパッケージコンビネーション A にリンクされています。

  • 901 - 活動中のデータ
  • 902 - 活動中のデータ
  • 903 - テストデータ
  • 904 - テストデータ

パッケージコンビネーション A について、次のデータ更新実行を定義します。

  • 1 - 会社 901 および 902 のデータを更新する
  • 2 - 会社 903 および 904 のデータを更新する

次の図を参照してください。

[...]

次の状況で、データ更新実行が処理されます。

状況説明注意
1新規のフィーチャーパック (サービスパック) をパッケージコンビネーションにインストールした。この動作の後、新規のデータ更新実行が自動生成されます。

このデータ更新実行を初期化して実行する必要があります。

2 会社別パッケージコンビネーションの変更 (ttaad1101m000) セッションで、会社を別のパッケージコンビネーションに移動した。この動作の後、新規のデータ更新実行が自動生成されます。

このデータ更新実行を初期化して実行する必要があります。

3パッケージコンビネーション内の VRC を別の VRC に置き換えた。たとえば、パッケージコンビネーション A の VRC tdXXXX を tdZZZZ に置き換えた。

この変更がテーブルに影響する場合にのみ、更新が必要です。この場合、データ更新実行をマニュアルで作成して、実行する必要があります。

テーブルが影響を受ける場合の例:

  • 新 VRC が新規フィーチャーパックに属しているため、変更されたテーブル定義を含む場合
  • 新 VRC が、新規フィーチャーパックに属する VRC から派生している場合
4VRC の派生構造を変更した。

この変更がテーブルに影響する場合にのみ、更新が必要です。この場合、データ更新実行をマニュアルで作成して、実行する必要があります。

たとえば、新規フィーチャーパックに属する VRC から VRC を派生した場合、テーブルが影響を受けます。

例: 

  • パッケージコンビネーション A は、FP5 VRC から派生した VRC tdYYYY を含みます。tdYYYY が FP6 VRC から派生するように変更すると、定義が変更されます。
  • パッケージコンビネーション A について、データ更新実行を作成して実行する必要があります。

 

注意

データ更新実行が自動生成された場合やマニュアルで作成した場合、関連する会社はロックされます。その後、通常ユーザはこれらの会社にアクセスできなくなります。会社 (ttaad1100m000) セッションで、これらの会社の状況は更新が必要になります。

データ更新実行をシミュレーションモードで開始できます。データ更新エンジンが、トランザクションを実際化することなく更新を実行します。

実行

データ更新実行では、さまざまな更新プログラムが実行されます。あるプログラムを開始するためには、一部の更新プログラムが正常完了する必要があります。

データ更新プロセスの性能を向上させるには、複数の bshell を使用して DUE を実行します。この場合、複数の CPU を活用できます。DUE は、実行する必要のある更新プログラムのリストを収集し、タスクを異なる bshell に分散します。データ更新実行の開始時に、起動する bshell の個数を指定できます。

更新プログラムの実行順序は、次の要件によって決まります。

  1. 更新バッチ

    各更新プログラムは、次のいずれかのバッチに属します。

    • 先頭
    • 中間
    • 末尾
    • ロック解除

    データ更新実行では、先頭バッチの更新プログラムがはじめに実行されます。次に、中間バッチが実行されます。中間バッチの終了後、末尾バッチが実行されます。末尾バッチが実行されると、会社がリリースされ、ロック解除バッチが開始されます。会社がリリースされると、ユーザは再び会社を使用できるようになります。

  2. バッチ内の事前要件依存関係

    更新プログラムは、同じバッチに含まれる他の更新プログラムに依存することがあります。依存される更新プログラムの実行が正常に完了してから、依存する更新プログラムを開始する必要があります。

    更新プログラムは、事前要件の実行が完了した場合のみ、開始できます。

  3. ランタイムクラス

    バッチに、事前要件が実行された複数の更新プログラムが含まれる場合、これらのプログラムはそれぞれのランタイムクラスに基づいて開始されます。

    各更新プログラムは、次のいずれかのランタイムクラスに属します。

    • 巨大
    • 大きい
    • 中程度
    • 小さい
    • なし

    はじめに、ランタイムクラスが巨大の更新プログラムが実行されます。その後、大きいプログラムが実行されます。次に、中程度の更新プログラムが実行されます。最後に、小さいプログラムが実行されます。

    ランタイムクラスがなしの更新プログラムは実行する必要はありませんが、他の更新プログラムの事前要件である場合があります。

    タスクのランタイムクラスが、その事前要件の更新プログラムのランタイムクラスよりも高いことがあります。実行時に、事前要件の更新プログラムのランタイムクラスがこの高い値に設定されます。

データ更新実行の作成方法と実行方法の詳細については、データ更新実行の実行 (OP-CE) を参照してください。

シミュレーションモード

データ更新実行をシミュレーションモードで開始できます。シミュレーションでは、データ更新エンジン がトランザクションを実際化することなく更新を実行します。これはテストを目的とする場合に便利です。

データ更新エンジン (ttspt2201m000) セッションのオンラインヘルプを参照してください。

性能と調整

データ更新エンジン の性能を最適化できます。性能と調整 (OP) を参照してください。

トラブルシューティング

データ更新実行で更新プログラムが 1 つ以上失敗した場合は、トラブルシューティング手順を使用します。トラブルシューティング (OP-CE) を参照してください。

エラー復旧

各更新プログラムは、個別のプロセスで実行されます。更新プログラムは、実行の成功や失敗に関する状況情報を返すことができます。一部の状況は、更新プロセスの一部を中断します。その他の状況は単に、エラーが発生したこと、または更新プログラムが正常に実行されたことを通知します。エラー 606 「参照が見つかりません」 のような致命的なエラーが発生した場合、失敗した更新プログラムに依存する更新プログラムのみが実行できなくなります。その他の更新プログラムはすべて、実行できます。

ログ

更新プログラムは、エラーや変更のレポートを生成できます。データ更新実行の開始時に、エラーのみをレポートするように指定できます。

ログ情報には、データ更新タスク (ttspt2520m100) セッションからアクセスできます。