トップダウン予算を使用するには

プロジェクト合計原価は、履歴原価と他のプロジェクト変数に基づいて、各活動に分割されます。トップダウン予算の目的は、予算の可能性の概要を把握し、予算という観点からプロジェクトに柔軟性があるかどうかを確認することです。この予算で作業するには、時系列予算を作成する必要があります。

トップダウン予算は、活動構造に金額を配分するために使用します。トップダウン予算には、配分金額について下位レベル要素の金額との比較チェックが実行されるため、配分金額よりも高い金額を下位レベルに入力できないという制約があります。

時系列トップダウン予算

各活動の予算と各活動の原価は不明だがだいたいの配分金額がわかっている場合、トップダウン予算でプロジェクトを開始する必要があります。トップダウン予算バージョンの場合、契約金額、収益報酬、および管理費を入力して残った金額が活動に配分されます。この金額を予算編成に使用できます。トップダウン予算バージョンでは、構造およびトップダウン予算の生成 (tpptc5210m000) セッションで活動構造をリンクした後、トップダウンデータ (tpptc5510m000) セッションで配分金額を複数の活動間で配分できます。バージョンには、派生構造があります。仮バージョンが最終である場合、新しいバージョンに新しいデータを入力できます。

派生構造:

金額が 100,000 USD のトップダウン予算バージョン 1 が、活動構造の最上位にリンクされます。

金額の配分 (バージョン 1):

  • 活動 1: 65,000 USD
  • 活動 2: 35,000 USD

予算金額 120,000 USD でバージョン 2 を作成します。バージョン 1 のデータがバージョン 2 に転送され、修正されます。

金額の配分 (バージョン 2):

  • 活動 1: 65,000 USD (バージョン 1 にリンク)
  • 活動 2: 55,000 USD (バージョン 2 にコピーされ、金額が修正された)

バージョン 2 では、最上位活動と活動 2 のデータが修正され、活動 1 のデータはバージョン 1 から派生しています。

時系列ボトムアップ予算

構造およびトップダウン予算の生成 (tpptc5210m000) セッションを使用してトップダウン予算データを作成することで、ボトムアップ活動予算を時系列化できます。この結果、ボトムアップ予算は時系列になります。

たとえば、最上位活動に 2 つの子活動 (ACT1 と ACT2 など) があるとします。この最上位活動のボトムアップ予算金額は 600 ドルで、ACT1 は 300 ドル、ACT2 も 300 ドルです。この最上位活動には、Activity1 の 300 ドルと Activity2 の 200 ドルで構成される、500 ドルの予算を持つ予算バージョンも存在します。構造およびトップダウン予算の生成 (tpptc5210m000) セッションを使用して、トップダウン構造の一部として Top、ACT1、および ACT2 を持つ活動構造が作成されます。予算金額の合計の 600 ドルは、最初に最上位活動に配分され、その後に子活動の ACT1 に 300 ドル、ACT2 に 300 ドル配分されます。配分される合計金額は、予算バージョンの金額の 500 ドルを超えます。

ボトムアップ金額が、構造およびトップダウン予算の生成 (tpptc5210m000) セッションの活動予算ラインのコピーオプションを使用して考慮される場合、最上位活動の予算金額の合計は 600 ドルになります。この金額は、指定された予算バージョンの金額の 500 ドルを超えます。収益額 100 ドルが計算されます。この場合はマイナス金額です。この金額が計算されるのは、予算バージョン金額を超えた場合フィールドが続行に設定されている場合のみです。