プロジェクトデータ管理を使用するには

プロジェクトのプロジェクト定義モジュールは、プロジェクトマスタデータをメンテナンスします。プロジェクトマスタデータは、プロジェクトの目的が効率的に遂行されるよう管理するための、総合的な基本データです。マスタデータの多くは、複数のプロジェクト間で再利用できます。賃金レート、従業員の担当、職種のグループ化などは異なるプロジェクト間でもほとんど変わりありません。

プロジェクト定義でメンテナンスされるデータは、大きく 2 つに分けることができます。

  • 全プロジェクトで共通の一般データ
  • あるプロジェクトに固有のデータ

通常、一般レベルでデータのデフォルトを定義し、それから個別プロジェクトに合せて細かく定義します。この例としては、全プロジェクトに対して一般的な賃金レートを定義して、その後で個別プロジェクトに合せて修正できることが挙げられます。プロジェクト定義モジュールには、会社や組織の全プロジェクトに適用される一般テーブルデータをメンテナンスするためのセッションが数多く用意されています。

一般テーブルデータは、必要に応じて特定のプロジェクトに適用可能なデータのライブラリで構成されています。たとえば標準要素のライブラリを設定して、プロジェクト定義の作成時にこのライブラリからデータを引き出すことができます。

プロジェクト情報: プロジェクトは設定したすべてのプロジェクトに関する総合的な情報をメンテナンスします。この情報の保持するため、多数のセッションが使用されます。

  • プロジェクト (tppdm6100m000) セッションは、プロジェクト固有データをメンテナンスするための中心的なセッションです。有効なプロジェクト管理を行うためには、プロジェクトのあらゆる事項に関する情報を保存しメンテナンスする必要があります。プロジェクトは、プロジェクト固有の情報を保持するために多くの異なるセッションを使用します。プロジェクト (tppdm6100m000) セッションがこれらのセッションの中心となり、主要な情報の集積点として機能します。
  • プロジェクト状況 (tppdm6107s000) セッションを使用して、プロジェクト状況をメンテナンスします。
  • プロジェクト - 原価管理レベル (tppdm6102m000) セッションを使用して、プロジェクトの原価管理を実行する必要のあるレベルを指示します。
  • プロジェクト - アポイントメント (tppdm6132m000) セッションを使用して、特定のプロジェクトに関連するアポイントメントの詳細をメンテナンスします。
  • プロジェクト - サードパーティ (tppdm6130m000) セッションを使用して、プロジェクトに関連したサードパーティの詳細をメンテナンスします。
  • 従業員別担当 (tppdm6149m000) セッションを使用して、プロジェクト固有の担当を従業員に割り当てます。
  • プロジェクト - 伝票 (tppdm6134m000) セッションを使用して、プロジェクトに関連した伝票の詳細をメンテナンスします。
  • プロジェクト - ロケーション (tppdm6136m000) セッションを使用して、プロジェクトに関連した保管場所の詳細をメンテナンスします。

プロジェクト定義の関係: 購買契約とプロジェクトとの関係の詳細についてメンテナンスできます。契約 (tpctm1100m000) セッションを使用して、これらの詳細をメンテナンスします。

プロジェクト (tppdm6100m000) セッションでは、情報をいくつかに分類して保持します。

  • プロジェクトの分類に使用される一般情報。この情報には、特にメインの請求先取引先、使用される組織分解構造、プロジェクトを担当する財務会社や企業単位が含まれます。
  • プロジェクトに関連する会計情報および契約情報。この情報には契約タイプの詳細、請求方法、保証の詳細などが含まれます。
  • プロジェクトの単位原価や販売単価などの予算情報。
  • 計画情報ならびにプロジェクトに適用される支払条件に関する情報。
  • その他の情報。プロジェクト期間中に原価対象の中間結果を記録する方法の詳細などです。

プロジェクト (tppdm6100m000) セッションでは、他のセッションに保存された情報を引き出すことができます。たとえば組織分解構造を指定する場合、この構造はユーザ定義構造 (tppdm0595m000) セッションであらかじめ定義されている必要があります。プロジェクト (tppdm6100m000) セッションでは、プロジェクトパラメータ (tppdm0100s000) セッションからデフォルト値を取得して、この値を個別のプロジェクトの所要量に合せて修正することもできます。