作業費レート

作業費レートは労務費、機械費、または間接費によって決定されます。作業費レートは、作業費レート (ticpr1150m000) セッションで定義されます。このセッションでは、これらのレートが原価計算コードおよび作業費レートコードにリンクされています。作業費レートは、作業費タイプの原価構成要素によって登録されます。

注意
  • 労務段取は、導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000) セッションでサイト別ジョブショップパラメータが有効に設定されている場合のみ適用されます。

  • プロジェクト品目は標準品目と同じように扱われます。プロジェクト関連の作業費レートは適用されません。特定のプロジェクト作業費レートを定義するには、プロジェクトの非標準原価計算コードを定義する必要があります。

作業費レートタイプには、次の 5 種類があります。

  • 労務費 (1 時間あたりの平均労務費)
  • 機械費 (1 時間あたりの平均機械費)
  • 労務間接費 (1 時間あたりの間接労務費)
  • 機械間接費 (1 時間あたりの間接機械費)
  • 労務段取 (製造用の段取原価)

各種作業原価タイプでは、金額は次のように計算されます。

  • 労務段取

    :労務段取資源 (FTE) × 段取 (h) × レート

  • 労務

    労務資源 (FTE) × 実行 (h) × レート (ここで、実行 (h) = サイクル時間 × オーダ数量)

  • 労務間接費
    :労務資源 (FTE) × 実行 (h) × レート (ここで、実行 (h) = サイクル時間 × オーダ数量)
  • 機械
    (段取 (h) + 実行 (h)) × 機械数 × レート
  • 機械間接費
    (段取 (h) + 実行 (h)) × 機械数 × レート
注意

品目のタイプが異なると、計算に使用されるオーダ数量も以下のように異なります。

プロジェクト品目のオーダ数量が 0 の場合、プロジェクト別の標準原価が計算されていません。プロジェクト別標準原価の計算 (tipcs3250m000) セッションを使用して、原価をマニュアルで計算できます。

プロジェクト品目のオーダ数量が不明な場合は、作業原価計算でオーダ数量 1 が使用され、その結果がジョブショップ作業費分析 (tirou4101m100) セッションに表示されます。

サイト別ジョブショップが有効な場合の作業費レート

導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000) セッションでサイト別ジョブショップパラメータが有効に設定されている場合、作業費レートは作業費レート (ticpr1151m000) セッションから取得されます。

作業費レートは、作業原価タイプ別に製造オーダに直接適用されます。

作業費レートは、以下の 6 つのレベルで定義されます。

  • 実際レート

    このレートは、従業員レベルで、労務単価と労務段取レートのみに定義されます。実際時間のみに適用され、見積には適用されません。

    注意: この従業員レベルのレートは、標準原価計算には適用されません。

  • 製造プロジェクト

    注意: 該当する顧客固有の製品のみが対象となります。

    このレートは、プロジェクトでプロジェクト固有の原価計算コードが指定されたカスタマイズプロジェクト品目専用に、プロジェクトレベルで定義されます。

  • 参照作業は、参照作業コード、機械タイプ、ワークセンタ、およびサイトの組合せです。

  • 機械能力グループ

    レートは、機械タイプ、ワークセンタ、およびサイトの組合せに対して定義されます。

  • 機械能力グループのワークセンタです。

  • レートは、製造部署の計算オフィスによって定義されます。

作業タイプのレートが見つからない場合は、0 (ゼロ) と解釈されます。

注意

検索は、詳細レベルからグローバルレベルに進みます。最初に見つかった作業費レートタイプが使用され、それよりも上のレベルは無視されます。つまり、異なるレベルから異なる作業費レートを取得することができます。

繰返生産および組立管理には、参照作業も機械能力グループもありません。

作業費レート (ticpr1151m000) セッションにおける既存の作業費レートの管理

承認済フィールドがYesに設定された既存のレートのデータを変更する必要がある場合は、次の手順を実行します。

  1. コピーする作業費レートの行を選択します。
  2. 選択した行をコピーします。

    新しい行には、コピー元の行の連番、説明、作業原価のタイプがコピーされています。

    新しい行の承認済フィールドは自動的にNoに設定されます。

    レートや原価構成要素など、残りのデータを管理できます。また、変更されたレートの発効日を変更することもできます。

  3. すべての変更を完了したら、承認コマンドを使用して、承認済フィールドの状況をYesに変更します。原価計算コード、作業費レートコード、サイトおよび連番が同じで以前に承認した行の失効日は自動的に、新しく承認したレートの発効日に設定されます。
サイト別ジョブショップが無効な場合の作業費レート

作業費レートライン用の連番を定義しておくと、複数の作業費レートラインが使用可能になります。作業費レートごとに、最高 999 ラインまで定義できます。

作業費レートに対応する作業費レートコードは、ワークセンタ (tirou0101m000) セッションのワークセンタまたはタスク関係 (tirou0104m000) セッションのワークセンタ/タスク関係、あるいはその両方にリンクされています。

ワークセンタにリンクされた作業費レート、またはワークセンタ/タスク関係にリンクされた作業費レートのどちらを原価計算に用いるかは、標準原価計算パラメータ (ticpr0100m000) セッションの作業費レートタイプフィールドの設定に依存します。

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