統合取引を処理するには

統合取引を処理し、総勘定元帳に対応する入力を作成するには、次の一連のステップを実行します。

ステップ 1. 取引データのログを記録する

ロジスティックイベントが発生して会計転記が行われると、LN はオーダ金額、オーダ番号、数量、取引先のようなロジスティックデータのログを 「統合取引 (tfgld482)」 テーブルに自動的に記録します。同時に、このデータは 「調整データ (tfgld495)」 テーブルにも格納されて、問合せ、レポート、および調整の目的で使用されます。

LN は、取引日に基づいて、取引を転記しなければならない会計期間を決定します。これは、とくに調整プロセスで重要になります。会計期間がクローズされている場合は、LN がエラーメッセージを表示します。ただし、統合パラメータ (tfgld4150s000) セッションで、デフォルトのクローズ期間処理オプションを選択することができます。詳細は、次の情報を参照してください: 統合取引の期間処理

元帳コードを入力した取引のマッピング要素は、その取引の元帳勘定とディメンションを決定する必要がないため、ログが記録されません。

ステップ 2. 統合取引を表示する

統合取引 (tfgld4582m000) セッションを使用して統合取引を表示できます。さまざまなタブで、統合取引のすべての詳細を表示できます。

ステップ 3. オプションで個別の取引のマップと転記を行う

オプションで個別の取引のマップと転記を行うことができます。例: 取引日に有効であったマッピング体系バージョンを使用して、特定の取引の転記または前日付の取引のマップを行うことができます。

統合取引 (tfgld4582m000) セッションで取引を選択し、適切なメニューで次の動作を行います。

  • 特定取引のマップをクリックして現在有効なマッピング体系に基づいて選択した取引をマップする
  • 特定のマッピング体系でマップをクリックして特定のマッピング体系バージョンに基づいて選択した取引をマップする。マッピング体系 (tfgld4573m100) セッションから任意のマッピング体系バージョンを選択できます。選択済バージョンが有効ではなかった場合は、マッピングをシミュレートすることしかできません。選択したバージョンが常時有効である場合は、マッピングのシミュレーションを行い、実際に取引をマップすることができます。
  • 特定取引の転記をクリックして、選択した取引をマニュアルで転記する
ステップ 4. 統合取引をマップする

統合取引のマップ (tfgld4281m000) セッションで、マップする取引の範囲を選択します。

マップボタンをクリックすると、LN は、統合マッピング体系とマッピング要素の値に基づいて、元帳勘定とディメンションを取引に割り当てます。

LN は、取引日に関係なく現在有効なマッピング体系バージョンを使用します。

特定の状況にある取引を選択してマップすることができます。デフォルトでは、LN は次の状況にある取引をマップします。

  • ログ済
    取引データがログ済である。通常はこのチェックボックスがオンになっています。
  • マッピングエラー
    取引の前のマッピングでエラーメッセージが出されている
  • 転記エラー
    取引の前の転記でエラーメッセージが出されている

元帳コードを入力している取引は、その元帳コードの元帳勘定とディメンションに直ちに転記されるため、マップされません。

以前にマップ済の取引を再マッピングするには、状況フィールドでマップ済を選択します。以前のマッピングは新規マッピングに置き換えられます。たとえば、統合取引 (tfgld4582m000) セッションで実行した取引の各マッピングを無効にする場合は、このオプションを使用できます。

マッピングの後でも、前に有効だったマッピング体系バージョンに基づいて個別の取引をマップできます。統合取引 (tfgld4582m000) セッションの適切なメニューのコマンドを使用します。

ステップ 5. マッピングエラーを解決する

統合取引のマッピング後にエラーが発生していないかを確認するには、統合取引エラーログの出力 (tfgld4484m000) セッションを開始して、エラーレポートを表示または印刷します。

マッピングエラーが発生している場合は、そのエラーを解決するマッピング体系の新規バージョンを作成します。または、統合取引 (tfgld4582m000) セッションで、前に有効だったマッピング体系に基づいて個別の取引をマニュアルでマップできます。

ステップ 6. 統合取引を転記する

統合取引の転記 (tfgld4282m000) セッションで、転記する取引の範囲を選択します。

ユーザが統合ユーザグループに属する場合のみ、統合取引を転記できます。詳細については、統合ユーザグループを参照してください。

転記コマンドボタンをクリックすると、LN は未ファイナライズ仕訳を総勘定元帳に作成します。マッピング体系でこれが示されると、借方および貸方取引は集約されます。バッチ番号は、統合パラメータ (tfgld4150s000) セッションのバッチ番号の処理パラメータの設定に従って割り当てられます。

継続処理頻度チェックボックスがオンの場合、セッションがオープンである限り、選択した範囲の新規マップ済取引が LN により定期的に転記されます。2 つの転記処理の実行間隔は分単位で入力できます。0 を入力するとその処理は繰り返されません。

ステップ 7. 転記エラーを解決する

統合取引の転記後にエラーが発生していないかを確認するには、統合取引エラーログの出力 (tfgld4484m000) セッションを開始して、エラーレポートを表示または出力します。

発生する主な転記エラーは次のとおりです。

  • 複数会社構造で、関係会社間の関係またはグループ間の関係が関係会社間関係 (tfgld0515m000) セッションおよびグループ間関係 (tfgld2501m000) セッションで正しく設定されていない。例: 元帳勘定が存在しているかチェックする
  • 取引日に対応する会計期間がすでにクローズされている。取引を転記するには、期間状況 (tfgld0107m000) セッションで総勘定元帳 (GLD) 取引の期間をオープンに設定する必要があります。
  • 一般取引処理エラーが発生した。例: 利用可能な最大伝票番号シリーズに到達している

エラーを解決して統合取引をもう一度転記します。

ステップ 8. 取引をファイナライズする

ファイナライズバッチ一括選択 (tfgld1210m000) セッションまたはファイナライズ実行番号 (tfgld1609m000) セッションで、バッチをファイナライズします。バッチの取引が清算されているかがチェックされます。

取引の借方取引と貸方取引を異なる財務会社に転記しなければならない場合は、関係会社間取引が作成されます。さらに、為替差損益の金額が計算されて転記されます。

ファイナライズ済の取引が元帳勘定に保存され、対応する未ファイナライズ取引は削除されます。

ステップ 9. 転記済取引の再マッピング

正しくマップされていない転記済取引は、統合取引のアーカイブおよび削除の前に、再マッピングすることができます。詳細については、統合取引を再マッピングするにはを参照してください。

ステップ 10. 統合取引をアーカイブまたは削除する

取引が転記されると、統合取引詳細は不要になります。問合せ、レポート、調整に必要なロジスティックデータは、「調整データ (tfgld495)」 テーブルに個別に格納されます。

不要になったログ済データが大量にあると、統合取引および調整取引を処理するプロセスで、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。スペースを確保するとともにパフォーマンス低下の可能性を回避するためには、統合要素および統合取引のアーカイブ/削除 (tfgld4283m000) セッション (総勘定元帳モジュールのユーティリティの一部) を定期的に実行してください。選択範囲内にある統合取引およびそれらの取引のマッピング要素のうち、状況が転記済のものはすべて、選択されたオプションに基づいてアーカイブ/削除されます。

マッピング要素にはロジスティックデータが反映されます。ロジスティックデータに変更があった場合 (たとえば、品目コードまたはプロジェクトが失効した場合や、オーダタイプが再定義された場合)、以降のステージでは訂正統合取引を作成することも統合取引を再マッピングすることもできません。そうした状況では、マッピング要素をアーカイブすることも可能です。

転記済取引は、正しくマップされなかった場合、再マッピングすることができます。LN は統合取引の転記を振り戻し、新規の統合取引を作成します。マッピング要素が依然として使用可能な場合は、たとえば新バージョンのマッピング体系を使用するとか、元帳コードを使用するなどの方法で、統合取引を再マッピングすることができます。詳細は、次の情報を参照してください: 統合取引を再マッピングするには

注意

固定資産取引、調達カード取引、およびディメンション会計では、LN はマッピング体系機能のみを使用して、取引を元帳勘定とディメンションにマップします。これらの処理では、統合取引のマップと転記を行ったときに統合取引とそれに関連する取引が含まれません。