分散ルール

企業計画が選択したマスタ計画データを下位レベルの計画品目のマスタ計画に分散する方法は、とりわけ、チャネル、計画、およびオーダの分散 (cprmp2260m000) セッションで指定する分散ルールに依存します。

企業計画は以下ののタイプの分散ルールをサポートします。

  • 分散割合
  • 在庫レベル
  • 確約可能在庫
  • 比例的比率
分散ルール: 分散割合

親品目の期間別数量は、総計関係で定義されている計画割合に基づいて子品目に分配されます。この結果、合計が 100% を超える場合があります。

品目 A の需要予測 = 100。この需要予測は A から A1、A2、および A3 に分散されます。

-A1A2A3
計画割合754530
分散量754530

 

分散ルール: 在庫レベル

親品目の期間別数量は、在庫計画予想在庫との差に基づいて子品目に分配されます。

このルールは通常、計画供給の分散に使用されます。計画供給の大部分は、在庫が比較的少ない場所に移動されます。これによって在庫レベルが最適化されます。

品目 A の製造計画 = 100。この製造計画は A から A1、A2、および A3 に分散されます。

-A1A2A3
在庫計画100100100
予想在庫255570
差異754530
分散量503020

 

注意

A1 の差異の値がマイナスまたはゼロの場合、LN は計画供給を A1 に分散しません。

分散ルール: 確約可能在庫

親品目の期間別数量は、子品目の確約可能在庫 (CTP) に基づいて子品目に分配されます。確約可能在庫の全タイプがサポートされており、それらがここで考慮されることに注意する必要があります。確約可能在庫機能の詳細は、関連トピックも参照してください。

品目 A の製造計画 = 100。この製造計画は A から A1、A2、および A3 に分散されます。

品目A1A2A3
確約可能在庫754530
分散量503020

 

注意: A1 に対する確約可能在庫の値がマイナスまたはゼロの場合、LN は確約可能在庫を A1 に分散しません。

分散ルール: 比例的比率。親品目の期間別数量は、子品目に対する既存の値に基づいて子品目に分配されます。

例: 品目 A の在庫計画 = 100。この在庫計画は A から A1、A2、および A3 に分散されます。

品目A1A2A3
既存の在庫計画754530
分散量503020

 

分散ルール: 比例的比率

LN は、品目マスタ計画の現行値に基づいて、計画数量を比例方式で分散します。サブ品目 1 が現在の状況で最も多ければ、分散後にこれが最も多くなります。

比例的比率の分散ルールによって、基礎となる (個々の) 計画品目の元の数量に基づいて、ファミリ計画品目の計画データを分割できます。このように、品目レベルの予測データは、品目ごとに異なる傾向に沿う場合があります。たとえば、次の例のように、品目 A は一定で、品目 B が増加し、品目 C は減少するといった場合があります。ファミリ品目の予測数量が修正された場合は、修正されたファミリレベルの総計予測データを、品目レベルの元の予測数量に基づいて分散し、品目レベルに戻すことができます。これを以下の表に示します。

注意

LN が通常品目から該当するチャネル品目に計画数量を分散する場合、すべての計画 (製造および購買)、オーダ (製造、購買および物流) および受取 (製造、購買および物流) は、チャネルマスタ計画 (cpdsp5130m000) セッションの許容需要フィールドに分散されます。

次の表は、計画期間 1 から 5 までの、ファミリ品目およびサブ計画品目 A、B、および C の予測数量を示します。

計画期間12345
品目 A1010101010
品目 B5791113
品目 C1413121110
ファミリ品目 (総計)2930313233

 

以下の表は、計画期間 3 および 4 でファミリ品目の予測値が変わった場合に、LN が比例的比率の分散ルールに従って予測数量を分散する方法を示したものです。

計画期間12345
ファミリ品目 (修正済)2930363833
品目 A (比例的比率)11.6111.87
品目 A (丸め)1212
品目 B (比例的比率)10.4513.06
品目 B (丸め)1013
品目 C (比例的比率)13.9413.06
品目 C (丸め)1413