クロスドッキングのプロセス

倉庫管理で、クロスドッキングは次の各ステップによって構成されます。

ステップ 1. クロスドックオーダの作成

クロスドックオーダは、以下のように、マニュアルまたはバッチ処理で作成することも、LN によって自動的に生成することもできます。

  • マニュアル
    クロスドックオーダ (whinh6100m000) セッションで、出庫オーダライン、要求されたクロスドック数量、および単位を入力します。クロスドックオーダ ID は、番号グループおよびシリーズに基づいて生成されます。オプションで、商品がクロスドックされるユーザ優先順位および発送確定保管場所を入力できます。
  • バッチ処理
    クロスドックオーダおよびクロスドックオーダラインの生成 (whinh6200m000) セッションを使用して、一定範囲のクロスドックオーダを生成します。
  • 自動
    1. 在庫処理パラメータ (whinh0100m000) セッションおよび倉庫 (whwmd2500m000) セッションで、動的クロスドッキングチェックボックスがオンになっていることを確認します。
    2. 倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッションで、次のチェックボックスのいずれかまたは両方をオンにします。
      • 倉庫にオーダ発行する時にクロスドックオーダを作成
      • 出庫勧告不足のクロスドックオーダ作成

新しく作成されるクロスドックオーダの状況はオープンになります。

ステップ 2. クロスドックオーダラインの作成

クロスドックオーダラインは、次のように、マニュアルまたはバッチ処理で作成することも、LN によって自動的に生成することもできます。

  • マニュアル
    クロスドックオーダ (whinh6100m000) セッションの適切なメニューでクロスドックオーダラインを選択します。クロスドックオーダライン (whinh6110m000) セッションで、入庫オーダライン、計画クロスドック数量、および単位を入力します。
  • バッチ処理
    クロスドックオーダおよびクロスドックオーダラインの生成 (whinh6200m000) セッションを使用して、一定範囲のクロスドックオーダラインを生成します。
  • 自動
    1. 在庫処理パラメータ (whinh0100m000) セッションおよび倉庫 (whwmd2500m000) セッションで、動的クロスドッキングチェックボックスがオンになっていることを確認します。
    2. 倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッションで、入庫確認時のクロスドックオーダライン作成チェックボックスをオンにします。
ステップ 3. クロスドックオーダラインの承認

入庫勧告を発行する前に、クロスドックオーダラインを承認しておく必要があります。未承認のクロスドックオーダラインに対して、クロスドッキングは実行されないためです。クロスドックオーダラインは、マニュアルで、バッチ処理によって、または自動的に承認できます。

  • マニュアル
    • 単一のクロスドックオーダラインを承認するには、クロスドックオーダライン (whinh6110m000) セッションの適切なメニューで状況の変更を選択してから承認済を選択します。
    • 1 つのクロスドックオーダのクロスドックオーダラインをすべて承認するには、クロスドックオーダ (whinh6100m000) セッションで該当のクロスドックオーダを選択し、適切なメニューでクロスドックオーダラインの承認を選択します。
  • バッチ処理
    クロスドックオーダラインの承認 (whinh6210m100) セッションを使用して、一定範囲のクロスドックオーダラインを承認します。
  • 自動
    1. 在庫処理パラメータ (whinh0100m000) セッションおよび倉庫 (whwmd2500m000) セッションで、動的クロスドッキングチェックボックスがオンになっていることを確認します。
    2. 倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッションで自動承認クロスドックオーダラインチェックボックスをオンにします。

クロスドックオーダラインが作成および承認されると、対応するクロスドックオーダの状況は計画済になります。

ステップ 4. クロスドックオーダラインの処理
  • 商品の入庫
    倉庫の入庫サイドでは、ユーザがクロスドッキングを開始できます。このためには、倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッションの入庫確認時のクロスドックオーダライン作成の設定に基づいて、入庫ラインの確認時にクロスドックオーダラインを生成します。ただし、この設定は、入庫確認を実行する前に入庫 (whinh3512m000) セッションのクロスドッキングチェックボックスをオンまたはオフにすることによって、ユーザが上書きできます。
  • 入庫勧告
    入庫勧告の生成時に、LN では入庫ラインをクロスドックする必要があるかどうかをチェックします。その必要がある場合、発送確定保管場所用に商品が勧告されます。クロスドック計画済数量が入庫数量より少ない場合、入庫ラインの一部のみが発送確定保管場所用に勧告され、残りはバルク保管場所またはピッキング保管場所用に勧告されます。入庫ラインの検査フィールドから判定して検査が必要な場合、まず検査場所用に商品が勧告されます。入庫ラインに対して入庫勧告が作成され、検査の必要がない場合、クロスドックオーダラインの状況が勧告済に設定されます。最初に検査を実行する必要がある場合は、検査後に商品に対して勧告が行われるときに状況が勧告済に割り当てられます。複数のクロスドックオーダにリンクしている入庫オーダラインに対して入庫勧告が生成される場合、まず優先順位が最も高いクロスドックオーダに対して商品が勧告されます。
  • 検査 (入庫)
    検査の際に、商品は承認されたり、廃棄されたり、不合格になったりします。
  • 商品の承認
    商品が承認されると、これらの商品は勧告の対象になります。
  • 商品の廃棄または不合格
    商品が廃棄されるか、不合格になり、残余数量ではクロスドッキングできない場合、対応するクロスドックオーダラインのクロスドック計画済数量が減少します。この結果、該当のクロスドックオーダでは、減少分を補うために追加のクロスドックオーダラインが必要になります。1 つの入庫オーダラインに複数のクロスドックオーダラインがある場合、まず優先順位が最も低いクロスドックオーダに対応するクロスドックオーダラインのクロスドック計画済数量が減少します。クロスドックオーダラインのクロスドック計画済数量がすべて廃棄されるか、不合格になった場合、そのクロスドックオーダラインは取り消されるか、クローズします。クロスドック済実際数量がゼロより大きい場合、クロスドックオーダラインはクローズされるか、または取り消されます。
  • 承認 (出庫検査)
    出庫手順で承認/出庫検査が定義されている出庫オーダラインにクロスドックオーダが対応している場合、これらの検査は対応する入庫オーダライン/クロスドックオーダラインの入庫検査時に実行されます。つまり、クロスドックオーダラインに対応している入庫オーダラインについては、入庫検査または出庫検査が必要な場合に入庫検査が実行されます。
  • 保管リストのプットアウェイ/確認
    商品は勧告された保管場所に置かれます。これが発送確定保管場所である場合、その商品はクロスドックされています。クロスドックオーダラインのクロスドック済実際数量は増加します。出庫勧告手順は、クロスドッキングの際には完全にスキップされます。
  • 出荷
    商品がプットアウェイされた後、出荷および出荷ラインが作成されます。この時点で、商品を出荷することができます。出庫オーダラインの状況が出荷済になると、クロスドックオーダの状況はクローズになります。クロスドックされたものがない場合、クロスドックオーダの状況は取消済になります。
クロスドッキングの設定
  • 在庫処理パラメータ (whinh0100m000) セッションの設定は、倉庫 (whwmd2500m000) セッションにおける対応する設定のデフォルトとして使用されます。
  • 同様に、倉庫 (whwmd2500m000) セッションの設定は、倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッションにおける対応する設定のデフォルトとして使用されます。
  • LN では倉庫/品目に固有の設定のみが考慮されるので、必要に応じて一般設定を簡単に上書きできます。
重要

倉庫/品目レベル (倉庫別品目データ (whwmd2110s000) セッション、動的クロスドッキングチェックボックス) で動的クロスドッキングを使用するには、まず在庫処理パラメータ (whinh0100m000) および倉庫 (whwmd2500m000) セッションで該当するチェックボックスをオンにする必要があります。

クロスドック制約

クロスドック制約定義 (whinh6150m000) セッションを使用して、クロスドック制約定義を設定します。

クロスドッキング優先順位または計画優先順位規則

クロスドックオーダ優先順位の定義 (whinh6120m000) セッションを使用して、クロスドックオーダ優先順位定義または計画優先順位規則のいずれかを定義します。