在庫評価

評価方法の結果は台帳の特定の棚卸資産評価額になります。ただし、在庫の市場価格は台帳の棚卸資産評価額よりも低くなることがあります。たとえば、品目価格が値下がりした場合や、品目のライフサイクルが終わりに近付いている場合などです。したがって、台帳の価格が今後も常に在庫の実価を表すとは限りません。

国際財務報告基準 (IFRS) では、元の購買価格によって決定された棚卸資産評価額ではなく、在庫の 「市場」 価格の報告を必要とする場合もあります。市場価格を参考にすることで在庫の実価をさらに的確に判断することができます。(比較的高い) 購買価格ではなく市場価格に基づいた棚卸資産評価額を報告するやり方は、低価法 (LCMV) とも呼ばれます。

市場価格を基準にして棚卸資産評価額を 「再評価する」 かどうかを選択できます。したがって、利用可能な出力オプションは次のとおりです。

  • 再評価 「なし」 の棚卸資産評価額のレポート
    棚卸資産評価額は市場価格によって決定されます。ただし、この在庫市場評価は一時的なものに過ぎません。次の会計期間が始まると (購買価格に基づいた) 元の棚卸資産評価額が使用されます。
  • 再評価 「あり」 の棚卸資産評価額のレポート
    棚卸資産評価額は市場価格によって決定されます。さらに、在庫は市場価格によって再評価されます。そして、次の会計期間が始まると市場価格が新規在庫値として使用されます。
倉庫管理での市場価格

LN では、市場価格を使用して、購買品目および製造品目の在庫を評価することができます。市場価格は、市場価格 (whina1118m000) セッションで入力できます。

市場価格は、承認済購買価格またはマニュアルで入力した価格のいずれかであり、次のセッションで使用されます。

  • 在庫評価の実行 (whina1210m000)

    差異タブの棚卸資産評価額の比較領域で、次のオプションのいずれかがオンになっている場合

    • 市場価格 (付加費用を含む)
    • 市場価格 (付加費用を除く)
  • 評価方法変更 (whina1232m000)
    評価方法の変更後に棚卸資産評価額が市場価格と同じでなければならない場合
  • 実際原価の修正 (whina1230m000)
    評価方法が、先入れ先出し (FIFO)後入れ先出し (LIFO)ロット価格 (ロット)シリアル価格 (シリアル)、または移動平均単位原価 (MAUC) で、棚卸資産評価額が現在の棚卸資産評価額と市場価格のうちのいずれか低い方と同じであることが必要な場合
  • 標準原価の計算 (ticpr2210m000)
    評価方法が標準原価で、新規標準原価 (および棚卸資産評価額) が現在の標準化と市場価格のうちのいずれか低い方と同じでなければならない場合

市場価格 (whina1118m000) セッションで入力された品目の市場価格がその品目の元の購買価格よりも低い場合、評価額は市場価格を使用して計算されます。

標準原価評価方法

在庫の値は、在庫数に該当品目の標準原価を乗算して得られます。在庫は各稼働日の処理によって変更され、標準原価は特定の期間に対して有効です。過去の特定の日付からの在庫値を計算するには、在庫数にその日付の標準原価を乗算します。

注意

1 回の実行で計算を行うには、在庫評価の実行 (whina1210m000) セッションを使用します。この計算は、使用されている評価方法に基づいて実行されます。

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