ソフトウェア構成管理システムを使用するには

ソフトウェア構成管理システム (SCM) を使用して、元の VRC から専用の開発 VRC にソフトウェア構成要素をコピーできます。これにより、バグ修正など、構成要素を修正できます。構成要素が完成しテストされたら、ランタイム環境に戻すことができます。

このプロセスはチェックアウトプロセスおよびチェックインプロセスと呼ばれます。構成要素の VRC コードは同じですが、改訂番号が異なります。構成要素の旧改訂版は、まだ取得可能です。

チェックアウト期間中、

  • ランタイム環境の通常ユーザに対しては、元のバージョンがまだ使用可能です。
  • その他のユーザは元のバージョンの修正やチェックアウトができません。
  • その他のユーザはチェックアウトされた構成要素をテストできます。詳細については、SCM グループ を参照してください。
次の図は、ソフトウェア構成管理 (SCM) のコンセプトを示したものです。
[...]

SCM は 1 つの VRC 内の構成要素の改訂のみを制御します。構成要素が別の VRC にコピーされると、その改訂情報は無効になります。

注意

新規ランタイム環境にソフトウェア構成要素をコピーするのと、SCM を使用して開発 VRC に構成要素をコピーするのとでは、本質的な違いがあります。SCM ツールを使用して開発 VRC にコピーされる構成要素は、元の構成要素と同じレベルに位置づけられ、tfB61O_a_dev1 のように開発拡張コードを持ちます。このプロセスはチェックインプロセスおよびチェックアウトプロセスと呼ばれます。

次の図は、SCM 手順とコピー手順の関係を示したものです。
[...]
注意

SCM はフォーム、セッション、テーブル定義、レポートおよび関数といったメインの構成要素タイプに対する構成管理のみをサポートします。SCM は、ラベル、問合せおよびメッセージなどの 4GL 構成要素タイプをサポートしません。

SCM は LN サーバ上の RCS ソフトウェアを使用します。RCS (改訂管理システム) は無料のソフトウェアです。SCM の詳細については、Infor ERP LN Development Tools 8.x Developer's Guide (U8883 US)を参照してください。

Infor Enterprise Server の以前のバージョンでは、SCM は UNIX プラットフォームでのみ使用できます。バージョン 8.4.2 以降では、Windows プラットフォームでも SCM を有効にできます。詳細については、ソリューション 230630 を参照してください。

SCM グループ

SCM グループにおいて、開発者はチェックアウトされたランタイム構成要素を共有できます。これにより互いの構成要素をテストすることができますが、変更はできません。

SCM の使用を開始すると、システムによって自動的に SCM グループが生成されます。SCM グループの名前はユーザ名と同じです。

通常、自分の SCM グループに属する構成要素にのみアクセスできます。

別の SCM グループに属する構成要素 (別の開発者によってチェックアウトされた構成要素) をテストするには、ログイン構成を変更する必要があります。

  1. Windows クライアント構成 (.bwc ファイル) を開きます。
  2. BW Configuration のプロパティダイアログボックスの コマンド フィールドに、変数 BAAN_SCM_GRP と希望する SCM グループの名前を指定します。たとえば、SCM グループ 「peter」 に属するソフトウェア構成要素をテストするには、「-- -set BAAN_SCM_GRP = peter」 と指定します。
  3. 新規構成を使用してログインします。

自分の SCM グループに戻るには、ログオフして Windows クライアント構成から 「-- -set BAAN_SCM_GRP = ....」 設定を削除し、再びログインします。

SCM 環境をセットアップするには

VRC について SCM を有効化するには、以下のステップを実行します。

  1. パッケージ VRC (ttadv1511m000) セッションを開始し、開発 VRC を作成します。新 VRCは元の VRC から派生していなくてはなりません。上の図の例を見てください。開発 VRC tfB61O_a_dev1 は元の VRC tfB61O_a_cus1 から派生しています。
  2. パッケージ VRC 別 SCM および構成要素管理の起動(停止) (ttscm0501m000) セッションを開始します。元の VRC (tfB61O_a_cus1 など) を選択し、コンテキストメニューのSCM (と CM)を起動をクリックします。
  3. SCM およびパッケージ VRC 別構成要素管理の起動 (ttscm0110s000) セッションが自動的に開始します。希望する開発 VRC を選択して OK をクリックします。
  4. ログオフしてからもう一度ログインし、変更を有効にします。

SCM を有効化したい VRC それぞれについてこのステップを繰り返します。

セッション

以下はソフトウェア構成管理 (SCM) メニューから開始できるセッションです。

  • パッケージ VRC 別 SCM および構成要素管理の起動(停止) (ttscm0501m000)
  • 構成要素の一括チェックイン (ttscm1200m000)
  • 構成要素改訂の削除 (ttscm1201m000)
  • 構成要素チェックアウトの一括取消 (ttscm1202m000)
  • チェックアウト済構成要素のコピー/移動 (ttscm1203m000)