Enterprise Server Service Manager

概説

Microsoft 管理コンソール (MMC) 用の LN スナップインを使用して、Windows サーバ上で Infor Enterprise Server Service Manager を管理できます。

Infor ES Service Manager スナップインを使用して、次のことを実行できます。

  • LN 環境をすべて表示する
  • 各 LN 環境の LN 固有のサービスの状況を表示する
  • LN 環境に固有の変数を追加、変更、削除する
  • LN 固有のサービスをインストール、開始、停止する
  • LN 固有のサービスの設定を編集する

この章には、次のトピックが含まれています。

  • ES Service Manager スナップインの概要
  • LN の管理手順
Enterprise Server Service Manager スナップインの概要

Microsoft Management Console (MMC) 用 Enterprise Server Service Manager スナップインを使用すると、システムで LN ソフトウェア環境 (BSE) を管理できます。

ES Service Manager スナップインは、LN のインストール中、自動的に LN サーバにインストールされます。

ES Service Manager は、システム上の LN 環境 (BSE) をリストします。表示された BSE は個別に管理できます。

ES Service Manager は次の処理を実行します。

  • ERP LN のインストールごとに ES ロジックサービスを表示する
    ES Service Manager を使用すると、LN のインストールごとにロジックサービスを有効または無効にできます。
  • すべての BSE に共有メモリサービスを表示する
    ES Service Manager を使用すると、BSE ごとに共有メモリサービスを有効または無効にできます。
ES ロジックサービス

LN の接続プロトコルを構成するには、ES ロジックサービスを使用します。ES ロジックサービスは、LN Windows (BW) クライアントを LN サーバに接続し、ユーザが LN サーバに接続する権限があるかどうかをチェックします。ES ロジックサービスを使用すると、LN 仮想マシン (VM) とデータベースドライバを開始/停止できます。

ES ロジックサービスは、LN サーバに接続する方法として次を提供しています。

  • Rexec
    標準のリモート実行プロトコルです。Rexec はパスワードの暗号化を使用しません。
  • BAANLOGIN
    ユーザのパスワードを暗号化します。
  • フェデレーションサービス
    複数のアプリケーションを対象に中央認証/承認を提供します。フェデレーションサービスにより、LN でシングルサインオン (SSO) が使用できるようになります。
  • セキュリティサポートプロバイダインターフェイス (SSPI)
    Windows 以降でのみ使用可能です。

シングルサインオン (SSO) は、1 回のユーザ認証/承認処理で、ユーザがアクセス権を持っているコンピュータとシステムのすべてにアクセスを許可できるメカニズムで、複数のパスワードを入力する必要がありません。

SSO はパスワードを使用しませんが、Windows ユーザ認証を使用します。SSO を使用すると、ユーザは複数のログオンを実行する必要がなくなり、ネットワークリソースにアクセスするために複数のパスワードを覚える必要もありません。ユーザは Windows に 1 回ログオンすれば、それ以降、パスワードの入力を求められません。

SSO 固有の情報はすべて 1 つのリポジトリ、Active Directory に格納されています。Active Directory は、各ユーザのアクセス権と特権を 1 つの権限リストで提供します。ユーザの権限を変更すると、その結果がネットワーク全体に配布されます。

認証に SSPI プロトコルを使用する場合、Infor ES サーバが属している Windows ドメイン用の Active Directory サーバを使用/アクセスすることで、着信するユーザ要求の ID を認証する上で十分な権限をもつシステムで LN ロジックサービスが実行されている必要があります。そのシステムがユーザ ID を認識できない場合、該当のユーザログオンは拒否されます。LN システムおよび Active Directory サーバ/ドメインコントローラの信用設定および認証設定についてローカル Windows 管理者に連絡してください。そのような関係が存在しないと、(ドメイン) ユーザを検証することはできません。Infor10 ERP Enterprise (LN) Configure Single Sign On Guide (U9559 US) を参照してください。

共有メモリサービス

共有メモリサービスによって、LN の共有メモリを構成できます。共有メモリは、共用を目的とした物理メモリの一部です。プログラムは共有メモリを使用して相互に通信します。共有メモリを使用すると、ここにロードされている構成要素に高速でアクセスできます。アプリケーションを開始する前に、共有メモリを初期化して設定する必要があります。

次の構成要素を共有メモリにロードできます。

  • レポートオブジェクト
  • プログラムオブジェクト
  • テーブル定義
LN の管理手順

ES Service Manager は、システムで LN を管理/運用するためのツールを提供します。

ES Service Manager を使用すると、次のことが行えます。

  • LN ソフトウェア環境 (BSE) を開始または停止する
  • 現行 BSE 環境の共有メモリサービスの有効化/無効化、開始/停止を実行する
  • ES ロジックサービスを設定する
  • システムの LN 環境の ES ロジックサービスの有効化/無効化、開始/停止を実行する
  • 共有メモリのパラメータを構成する
  • BSE 環境の名前を変更する
  • BSE の変数を編集する
注意

Infor Baan 5.2a 以前Infor ES Service Manager を使用して、次のサービスの有効化/無効化、開始/停止もできます。

  • ERP のインストールによるジョブデーモンサービス
  • 7.1d.12 以前のポーティングセット: BSE による ERP ライセンスサービス。ポーティングセット 7.1d.12 から、ライセンスは Infor Solution License Manager (SLM) によって外部で管理されます。

これらのオプションは新しいリリースには付いていません。Infor Baan 5.2a 以降には、次のことが適用されます。

  • Solution License Manager (SLM) はライセンスを外部で管理します。
  • 8.3a 以前のポーティングセットでは、アプリケーションサービスマネージャ (ASM) はジョブデーモンサービスを外部で管理します。ポーティングセット 8.3 からは、ASM を使用するかジョブデーモンサービスを使用するかを選択できます。
重要

オプションで、Windows Service Manager からサービスの開始、停止、無効化を実行するか、-start、-stop、-remove コマンドラインオプションを使用することができます。ただし、サービスを有効にするには、ES Service Manager スナップインを使用する必要があります。Windows Service Manager や -install コマンドラインオプションからサービスを有効にすることはできません。

すべての処理を ES Service Manager スナップインから実行することをお勧めします。

LN ソフトウェア環境 (BSE) を開始するには

次の手順は、LN ソフトウェア環境 (BSE) を開始または停止する方法について説明しています。

  • Microsoft Windows の [スタート] メニューから ES Service Manager を開始します。
  • ES Service Manager のツリーペインで、ソフトウェア環境が含まれている LN サーバノードを展開します。
  • 開始する LN ソフトウェア環境 (BSE) を選択し、ツールバーの Start Service ボタンをクリックします。これで BSE が実行されます。
ES ロジックサービスを設定するには

LN ソフトウェア環境 (BSE) の ES ロジックサービスを設定するには、次の手順を実行します。

  • ES Service Manager を開始します。
  • [ES Logic Service のプロパティ] ダイアログボックスを開始します。
  • サービスのプロパティを入力または変更します。
  • サービスのプロパティに加えた変更を保存します。
  • ロジックサービスを再起動します。
  • 共有メモリサービスを再起動します。
共有メモリサービスを構成するには

LN ソフトウェア環境 (BSE) の共有メモリサービスを構成するには、次の手順を実行します。

  • ES Service Manager を開始します。
  • 共有メモリを構成する LN ソフトウェア環境 (BSE) を選択します。
  • 共有メモリのプロパティダイアログを開始します。
  • 共有メモリのプロパティを入力または変更します。
  • 変更した共有メモリのプロパティを保存します。
  • 共有メモリサービスを再起動します。
注意

Loaded Shared Memory タブに、読み込まれた共有メモリオブジェクトが表示されます。Shared Memory Areas タブに、使用可能な共有メモリ領域とそのアドレスがリストされます。

BSE 環境の名前を変更するには

BSE 環境がシステム内で重複しないように確認します。必要な場合は、環境の名前を変更できます。

BSE 環境の名前を変更するには、次の手順を実行します。

  • ES Service Manager を開始します。
  • 選択した BSE 環境の名前を変更します。
ソフトウェア環境変数を編集するには

Enterprise Server Service Manager を使用すると、ソフトウェア環境変数を編集して Enterprise Server の動作を変更できます。

ソフトウェア環境変数を編集するには、次の手順を実行します。

  • ES Service Manager を開始します。
  • BSE のプロパティダイアログを開始します。
  • 変数名を入力します (例: BSE_SORT)。
  • 変数の値を入力します。たとえば BSE_SORT 変数の場合は、ソートプロセス中に一時データを格納するディレクトリのパスを入力します。
  • 新しい変数を保存します。