原価分割

品目の製造またはサービスに関係するプロジェクトの場合 (デポ修理サービスなど)、ユーザがさまざまなレベルで単位原価をモニタする必要があります。

原価分割は、プロジェクト WBS のさまざまなレベルで単位原価の明細を表示する柔軟な方法です。原価分割を使用して、最上位需要プロジェクトペグから他のプロジェクト WBS レベルに単位原価を移動することができます。労務費、材料費、外注費など、他の特定の原価タイプを識別して、その単位原価を他の WBS レベルにリダイレクトすることもできます。

以下を対象として原価分割を登録できます。

プロジェクトに複数の原価分割を作成できます。プロジェクト WBS の特定のレベルで原価分割を作成すると、BOM のそれより下位のレベルは、BOM 構造のさらに下位のレベルに別の原価分割が存在しない限り、原価分割 WBS リンクを継承します。

プロジェクト PRJ001 には要素 E と活動 A があり、部品表 (BOM) の以下の構成要素を使って完成品を製造します。

  • 組立
  • 部分組立品 1 と部分組立品 2
  • MFG 構成要素 1、MFG 構成要素 2、MFG 構成要素 3、MFG 構成要素 4
  • Pur 構成要素 1 と Pur 構成要素 2
[...]

プロジェクトのペグ配分は、当初は、最上位需要品目レベルです (この例では完成品)。

原価分割は次のレベルで作成されます。

  • 原価分割 1 - 部分組立品 1
  • 原価分割 2 - MFG 構成要素 1
  • 原価分割 3 - MFG 構成要素 2
  • 原価分割 4 - Pur 構成要素 2

以下の単位原価を収集して表示できます。

  • 原価分割 1 (ペグ PRJ001、E10、A101 にリンク) の代わりに、原価分割 2 の MFG 構成要素 1 (ペグ PRJ001、E10、A105 にリンク)。原価分割 1 が下位レベルの原価分割 2 に置き換えられます。
  • 原価分割 1 (ペグ PRJ001、E10、A101 にリンク) の代わりに、原価分割 3 の MFG 構成要素 2 (ペグ PRJ001、E10、A110 にリンク)。
  • 原価分割 2 の Pur 構成要素 1 (ペグ PRJ001、E10、A105 にリンク)。これは、Pur 構成要素 1 に原価分割が作成されていないためです。
  • 原価分割 4 の Pur 構成要素 2 (ペグ PRJ001、E10、A115 にリンク)。

部分組立品 2、MFG 構成要素 3、MFG 構成要素 4 の場合、単位原価分割を最上位需要品目レベル (ペグ (PRJ001、E10、A100) にリンクされた完成品) で表示できます。

原価分割作成の前提条件

プロジェクトの原価分割を作成できるのは、導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000) セッションの原価分割チェックボックスがオンの場合だけです。

原価分割は、タイプが内部およびテンプレートのプロジェクトでは作成できません。

プロジェクトの原価分割を作成するには、要素/活動を指定する必要があります。原価分割の作成に使用される活動は、タイプが統制勘定またはワークパッケージである必要があります。

原価分割の設定

原価分割 (tppdm3600m000) セッションを使用して、プロジェクトの生産材料と生産資源の費用、サービスデポ修理材料費、労務費などの原価分割を作成し設定します。

注意

また、原価分割 (tppdm3600m000) セッションの [プロジェクト] フィールドでプロジェクトコードが指定されていない空のプロジェクトの原価分割を作成することもできます。ただし、標準要素または標準活動は指定する必要があります。

原価分割の検索基準

Infor LN が従う検索基準は、原価分割の場合、次のとおりです。

  1. 特定のプロジェクトの生産資源に定義された原価分割
  2. 空のプロジェクトの生産資源に設定された原価分割
  3. 特定のプロジェクトの生産材料に設定された原価分割
  4. 空のプロジェクトの生産材料に設定された原価分割

生産 (材料と資源) に適用される階層的検索順序:

製造タイプIIIIIIIVV
生産材料主品目/BOM 構成要素品目品目グループ/主品目主品目のみBOM 構成要素品目のみ品目グループ
生産資源主品目/工順/処理主品目/工順ワークセンタ原価タイプ/主品目

 

注意
  1. 生産材料の場合、品目グループのインポートおよび構成要素のインポートオプションを使用して、複数の品目グループと主品目の構成要素品目に原価分割を設定できます。
  2. 生産資源の場合、作業のインポートおよびワークセンタのインポートオプションを使用して、複数の工順作業とワークセンタに原価分割を設定できます。

サービスデポ修理に適用される階層的検索順序:

サービスタイプIIIIIIIVV
サービスデポ修理材料費サービス品目グループ設置グループサービス品目 (主品目)シリアル番号付品目 (品目)品目シリアル番号
サービスデポ修理労務費マスタ工順工順オプション参照活動タスク
サービスデポ修理雑費品目グループ品目工具費や外注費などの原価タイプレベル

 

注意
  1. サービスデポ修理材料費の場合、サービス品目グループのインポートおよび設置グループのインポートオプションを使用して、複数のサービス品目グループと設置グループの原価分割を設定できます。
  2. サービスデポ修理労務費の場合、マスタ工順のインポートオプションを使用して、複数のマスタ工順に原価分割を設定できます。
  3. その他のサービスデポ修理費の場合、品目グループのインポートオプションを使用して、複数の品目グループに原価分割を設定できます。
原価分割のコピー

原価分割 (tppdm3600m000) セッションの参照メニューにある別のプロジェクトにコピーオプションを使用して、原価分割をコピー先プロジェクトにマニュアルでコピーすることができます。別のプロジェクトにコピーウィンドウが開き、ターゲットプロジェクトを指定できます。また、既存の原価分割の置換チェックボックスを使用して、ターゲットプロジェクトにある既存の原価分割を置き換えることもできます。

注意

既存の原価分割の置換チェックボックスは、MMT セッションから別のプロジェクトにコピーオプションを使用した場合は、表示されません。

Infor LN では以下の方法で原価分割をコピーできます。

  • 既存のプロジェクトから新しいプロジェクトに
  • テンプレートから新しいプロジェクトに
  • 既存のプロジェクトから新しいテンプレートプロジェクトに
  • 既存のプロジェクトから別の既存のプロジェクトに
空の原価分割の削除

原価分割 (tppdm3600m000) セッションで空の原価ペグの削除を使用して、プロジェクトペグ (要素/活動) にリンクされていない原価分割を削除します。