原価予測を登録するには

プロジェクトに関する原価予測を表示する場合は、原価対象または原価タイプのいずれかを使用します。

  • 原価対象を使用すると、要素と活動に関連するすべての原価対象の原価予測をメンテナンスして、その予測を管理問合せ (tpppc4850m000) セッション、会計分析の表示 (tppss0701m000) セッション、および中間結果の生成 (tpppc3250m000) セッションで使用することができます。
  • 原価タイプを使用すると、活動に関する原価予測のみをメンテナンスして、その予測を業績測定 (tpppc5840m000) セッションおよびアーンドバリュー方法による業績測定 (tppss0702m000) セッションで使用できます。

原価予測の登録方法は、プロジェクト会計パラメータ (tpppc0100s000) セッションで定義した先行予測方法によって異なります。予測方法を使用して、予算への変更の予測、追加単位原価の予測、またはプロジェクト合計原価を予測します。これらの予測は、業績測定とモニタリングに表示されます。

次の手順では、原価対象別原価予測の生成 (tpppc2216m000) セッションまたは活動/原価タイプ別原価予測ラインの生成 (tpppc2226m000) セッションで予測を生成します。予測の生成手順の説明で取り上げるセッションには、次のチェックボックスがあります。

  • 生成予測を空にする
  • 前の日付にもとづいて生成
  • 予算から生成
完了時の見積 (EAC)

完了時の見積 (EAC) は、プロジェクトの最終段階の予測です。原価予測が実際原価や予算の変更による影響を受けることがほとんどないという利点があります。このため、頻繁に登録する必要がない上に正確です。完了時の差異 (VAC) を計算するには、少なくともプロジェクトスコープの予算化された作業ごとに 1 つ有効な登録原価予測が必要です。

先行予測方法の完了時の見積 (EAC) 手順は次のとおりです。

  1. 原価対象別原価予測の生成 (tpppc2216m000) セッションまたは活動/原価タイプ別原価予測ラインの生成 (tpppc2226m000) セッションで、予算から生成チェックボックスをオンにして、原価予測を生成します。最初の完了時の見積では、デフォルトでユーザの予算を使用します。
  2. 原価予測を定期的に挿入する場合は、次の方法で実行できます。

    • 新しい予測を必要とする部分がプロジェクトスコープにある場合、原価予測概要 (tpppc2816m000) セッションで現在の日付で新しい原価予測を挿入します。
    • プロジェクトスコープの大部分で新しい原価予測が必要な場合、新しい原価予測の入力は煩雑な作業になるため、新しい日付で予測レコードを生成します。その後、生成した原価予測レコードを調べて予測値を修正できます。
  3. 予測レコードは次の方法で生成できます。

    • 予算から生成チェックボックスをオンにして原価予測を生成する

      予算全体の変更が生じた場合は、このチェックボックスをオンにします。このチェックボックスをオンにすると、新しい値を入力する場合に予算の変更がわかるという利点があります。一方で、予算変更がないプロジェクトスコープの部分について、新しい予測 (予算値) によって既存の予測値が無効にされるという欠点もあります。

    • 前の日付にもとづいて生成チェックボックスをオンにして原価予測を生成する

      予算を完全に変更する場合は、このチェックボックスをオンにします。オンにすると、新しい値を入力する場合に以前の予測値が表示されるという利点があります。

EAC 手順の結果をモニタする場合は、次のようになります。

  • 管理問合せ (tpppc4850m000) セッション、業績測定 (tpppc5840m000) セッション、およびアーンドバリュー方法による業績測定 (tppss0702m000) セッションの完了時の差異 (VAC) は次のとおりです。完了時の予算 (BAC) から完了時の見積 (EAC) を減算します。
  • 入力した予測金額は、会計分析の表示 (tppss0701m000) セッションで計画原価として表示できます。
  • 入力された完了時の見積 (EAC) は完成までの見積 (ETC) に転送されます。計算式は、完成までの見積 (ETC) = 完了時の見積 (EAC) - 実際値です。
完成までの見積 (ETC)

完成までの見積 (ETC) は残りの作業を予測することを意味します。ただし、残りの作業は 1 日ずつ減っていくため、ETC は時間のかかる予測方法です。完了時の差異 (VAC) を計算するには、少なくともプロジェクトスコープの予算化された作業ごとに 1 つ有効な登録原価予測が必要です。

完成までの見積 (ETC) の手順は次のとおりです。

  1. 管理予算を基準として開始できます。予算から生成チェックボックスをオンにして原価予測を生成します。この時点で、完成までの見積は予算と同じ値になります。これは、作業はまだ開始されておらず、進捗が記帳されていないためです。
  2. 進捗が作成されると、原価予測概要 (tpppc2816m000) セッションから原価予測をその日付で登録する必要があります。データ入力の作業を軽減するために、前の日付にもとづいて生成チェックボックスをオンにして原価予測を生成できます。ここでは、次の公式に基づいて新しい予測を取得します: 新しい日付の予測 = 前の日付の予測 - 前の日付と新しい日付の間に発生した原価。間の期間に発生したすべての単位原価を考慮するには、先行予測方法の完成までの見積 (ETC) を使用する必要があります。
  3. 作業が完了した場合、完成までの見積はゼロでなければなりません。生成予測を空にするチェックボックスをオンにして原価予測を生成します。

ETC 手順の結果をモニタする場合は、次のようになります。

  • 管理問合せ (tpppc4850m000) セッション、業績測定 (tpppc5840m000) セッション、およびアーンドバリュー方法による業績測定 (tppss0702m000) セッションの完了時の差異 (VAC) は次のとおりです。完了時の予算 (BAC) - 完成までの見積 (ETC) - 実際原価
  • 会計分析の表示 (tppss0701m000) セッションでは、入力した完成までの見積 (ETC) 予測金額を計画原価として表示できます。
追加費用見積 (EEC)

追加費用見積 (EEC) は、予算の最上位で予測することを意味します。予算が正しくない場合は、予算を変更するか、予算偏差を予測することができます。予算偏差を予測する場合、予測の登録が必要とされるのは、プロジェクトスコープの予算偏差が予期される部分のみです。ただし、予算の変更が生じた場合は、さらに予測を変更する必要があります。

追加費用見積 (EEC) の手順は、次のとおりです。

  1. 最初に、予測が必要な部分がプロジェクトスコープにある場合、原価予測概要 (tpppc2816m000) セッションから現在の日付で新しい原価予測を挿入します。
  2. 原価予測を定期的に挿入する場合は、次の方法で実行できます。

    • 新しい予測を必要とする部分がプロジェクトスコープにある場合、原価予測概要 (tpppc2816m000) セッションで現在の日付で新しい原価予測を挿入します。
    • プロジェクトスコープの大部分で新しい原価予測が必要な場合、新しい日付で予測レコードを生成します。生成された新しい日付の原価予測レコードを調べて、必要であれば予測値を修正します。前の日付にもとづいて生成チェックボックスをオンにして原価予測を生成します。このチェックボックスを使用すると、新しい値を入力する場合に前の予測値が表示されるという利点があります。
  3. 作業が完了した場合、完成までの見積はゼロでなければなりません。データ入力の作業を軽減するために、生成予測を空にするチェックボックスをオンにして原価予測を生成できます。

EEC 手順の結果をモニタする場合は、次のようになります。

  • 管理問合せ (tpppc4850m000) セッション、業績測定 (tpppc5840m000) セッション、およびアーンドバリュー方法による業績測定 (tppss0702m000) セッションの完了時の差異 (VAC) は、原価差異 (CV) - 追加費用見積 (EEC) で計算されます。この原価差異 (CV) は実行済 - 実際で計算されます。
  • 会計分析の表示 (tppss0701m000) セッションでは、入力した追加費用見積 (EEC) 予測金額を、追加計画原価として予算の最上位に表示できます。