テーブル共有

LN の 1 つのインストール上で複数の会社を使用する場合、特定のビジネス要件を満たすために 2 つ以上の会社でテーブルを共有させることができます。たとえば、数社が同じ発注先から同じ品目を購入する場合、これらの会社は取引先テーブルを共有できます。

目的

テーブル共有には、次の利点があります。

  • 入力するデータは他のすべての会社でも利用できます。データ入力に必要な作業の量が削減されます。
  • 会社間でデータの整合性が保たれます。

テーブル共有には、次の欠点があります。

  • 正しく設定されていないと、テーブル共有によってエラーが生じます。
  • テーブル共有によってテーブルが巨大化し、パフォーマンスが低下する場合があります。
  • データ複製を使用してテーブル共有が実行されている場合、定期的に複製処理を実行する必要があります。
メソッド

テーブル共有の次の 2 つのメソッドのいずれかを適用できます。

  • テーブル共有 - データは効率的に 1 箇所に保持されます。このため、変更はすべての会社で即座に把握できます。
  • データ複製 - データは複数の会社で個別に保持されます。このため、ある会社での変更が他の会社で有効になるのは複製後です。

データ複製には、2 タイプあります。

  • メッセージングシステムを使用した連続複製。連続複製は、Infor LN Business Adapter を使用して実行できます。連続複製については、ここでは詳しく説明しません。
  • バッチ指定複製

また、作業手順を確立して、ある会社のデータ変更を他の会社にマニュアルでコピーすることもできます。この方法は、言語コードや国コードなど、変更のペースが早くない静的データに適しています。

テーブル参照

テーブル共有の構成では、テーブル参照を考慮してください。考慮しない場合、参照整合性に問題が生じることがあります。

テーブル参照の結果は、テーブル参照の参照モードによって決まります。

  • テーブル A にテーブル B を参照するフィールドがあり、参照モード必須の場合、次の規則が適用されます。

    • 2 社がテーブル A を共有する場合、両社はテーブル B も共有します。
  • テーブル A にテーブル B を参照するフィールドがあり、参照モードが空でなければ必須の場合、次の規則が適用されます。

    • 2 社がテーブル A を共有する場合、両社は参照フィールドが常に空でない限りテーブル B も共有します。
  • 参照モード非必須の場合、適用される追加の制約はありません。

品目 - 一般テーブルに、生産国フィールドがあり、そのフィールドにテーブルへの参照があり、参照モード空でなければ必須に設定されています。

品目 - 一般テーブルが会社 100 と 200 で共有されており、テーブルは共有されていないものとします。新しい国コードを会社 100 に挿入し、その国コードを品目の生産国フィールドに挿入すると、同じ品目を会社 200 で表示した場合に参照エラーを受け取ります。会社 200 で品目を表示すると、その品目の生産国には 「*****」 が表示されます。この品目を使用すると、重大なエラーが発生します。この問題を避けるには、テーブルも共有するか、生産国フィールドを常に空にします。