製造オーダ分割 - 概要

分割機能を使用して、製造オーダを分割できます。処理中の製造オーダを分割することによって、複数の製造オーダに分割できます。新しい子オーダに移動する分割数量を選択するか、不合格品目を分割することができます。

次のような場合に分割が必要になることがあります。

  • 能力の問題により、合計オーダ数量を予定通りに完了できない
  • 合計オーダ数量を予定通りに完了するためにの資材が不足している
  • 合計オーダ数量の一部が不適合である、早められている、または遅れている
注意

作成された子オーダは、親オーダとは無関係で、親から継承された特徴をマニュアルで調整できます。子オーダと親オーダは常に互いに参照します。親オーダは複数の子を参照できますが、子オーダは 1 つの親しか参照しません。

マスタデータ

製造オーダを分割する前に、製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションの製造オーダ分割を許可チェックボックスをオンにする必要があります。

製造オーダ分割機能を有効にすると、製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションの次の設定が使用できるようになります。

製造オーダの分割

製造オーダの分割 (tisfc0208m000) セッションで製造オーダを分割できます。このセッションは、製造オーダ (tisfc0501m000) セッションから、または分割が不合格品目に関連している場合は作業の完了レポート (tisfc0130m000) セッションおよびオーダの完了レポート (tisfc0520m000) セッションから開始できます。

順に子オーダを分割できます。したがって、1 つの製造オーダが同時に親オーダと子オーダの両方になっている場合もあります。オーダ分割のツリー表示 (tisfc0708m000) セッションを開始すると、グラフィカルブラウザフレームワークで分割のすべてのレベルを表示できます。

シリアル番号付品目または有効化構成完成品を含む製造オーダは、シリアル番号または有効化コードによって分割できます。製造オーダの分割 (tisfc0208m000) セッションの分割数量の下にある選択をクリックすると、次のいずれかのセッションが開始され、子オーダに分割するシリアル番号または有効化コードを選択できます。

オーダを分割するには、次の条件を満たしている必要があります。

  • 製造オーダを分割できるのは、製造オーダの状況が発行済または有効の場合のみです。
  • 分割が可能なのは、親オーダに工順数量 (単位) 以上が残っている場合のみです。
  • オーダが分割されると、新規製造オーダまたは子オーダが作成され、そのオーダ数量はオリジナル製造オーダから分割する数量 (ユーザが定義) と等しくなります。子オーダは、納期、製造計画、作業ステップ、資材要件などのオーダ特徴を親製造オーダから継承します。
  • オーダ分割の開始元製造オーダでは、オーダ分割数量に基づいて、合計オーダ数量が削減されます。
  • 部品表 (BOM) または工順がチェックされ、見積資材または JSC 製造計画が決定されます。データは親オーダからコピーされます。
  • 親オーダがプロジェクト原価内訳を含む場合、子は最も遅い所要日を持つ内訳ラインを取得します。
  • 子オーダは、オーダ特徴とともに、オーダ状況および作業状況を親から継承します。
  • オーダが分割条件を満たしている限り、1 つの製造オーダに適用可能な分割の数に制限はありません。
  • すでに完了している、または倉庫に納入されているオーダ数量は分割できません。分割で、オーダレベルまたは作業レベルの完了数量は、常に親オーダと同じです。
警告

製造オーダの分割は、次のように能率差異に影響する場合があります。

  • 製造オーダは、製造において一定量の仕損を考慮します。オーダを 2 つの製造オーダに分割すると、仕損数量が増えることがあります。これは、新規オーダによって完了時に追加仕損が生成されるためです。
  • オーダが分割されると、有効な作業もキュー時間を持つため、段取時間が倍になります。たとえば、オリジナルオーダの段取時間が 1 時間の場合、分割後は親オーダと子オーダの両方がこの段取時間を持つため、合計段取時間が 1 時間増えます。つまり、分割後は必要な能力も増えることになります。

外注作業のある製造オーダは、外注作業がまだ有効でない場合、または製造に必要な作業が完了している場合のみ分割できます。資材フローで外注が使用されている場合は、返却済部分組立品も処理され完了している必要があります。

不合格品目の分割

作業またはオーダを完了としてレポートするときに、不合格品目が含まれている場合があります。このような品目を作業の完了レポート (tisfc0130m000) セッションまたはオーダの完了レポート (tisfc0520m000) セッションで不合格とレポートする代わりに、オーダの不合格部分を分割することができます。不合格品目を分割すると、別のオーダとして再処理できます。

作業の完了レポート (tisfc0130m000) セッションまたはオーダの完了レポート (tisfc0520m000) セッションから製造オーダの分割 (tisfc0208m000) セッションを開始すると、不合格フィールドの値が分割数量にデフォルトで入力されています。

不合格品目を分割するメリットは、オリジナル製造オーダをクローズするときに不合格数量がレポートされないことです。

注意

製造オーダの不合格数量を自動的に分割するには、製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションで不合格数量のレポート時にオーダを分割チェックボックスをオンにする必要があります。

プロジェクトペグ内訳のある製造オーダの分割

製造オーダにプロジェクトペグ内訳が含まれる場合は、オーダ分割において考慮する必要があります。分割数量は、次の基準で選択される内訳ラインから派生します。

  • 所要日がもっとも遅い内訳ラインが最初に分割されます。
  • 内訳ラインのすべての所要日が同じ場合は、見込需要が最初に分割されます。見込需要がない場合は、プロジェクト原価ペギング需要の内訳ラインが分割されます。
  • プロジェクト原価ペギング需要内訳ラインのみが存在し、所要日が等しい場合は、最後の内訳ライン順序に基づいてラインが移動されます。

プロジェクトペギング内訳を含まない製造オーダと対照的に、計画納期は、リンクされたプロジェクトペグのもっとも早い所要日に基づきます。

注意
  • プロジェクトペギング内訳を含む製造オーダから数量が分割されると、親と子の両方のオーダペギングが更新され、更新された所要日が取得されます。
  • 子オーダにコピーされるプロジェクトペグは、LN によって生成されます。マニュアルで調整することはできません。
オーダ分割における見積資材の再計算

オーダを分割する場合は、見積資材ラインがすでに凍結されている場合でも、親オーダの見積資材を更新する必要があります。

分割後に親オーダに残っている製造品目およびオーダ数量の最初の製造オーダ資材に基づいて、作業投入数量が再計算され、各所要資材の見積数量が更新されます。見積原価は見積数量の調整に基づいて変わるだけなので、この更新は最初の評価額について行われます。

プロジェクトペギング製造オーダにプロジェクト原価ペギング資材が含まれる場合、見積資材ラインおよび見積資材内訳が更新されます。

新規に作成された子オーダについて、親製造オーダの見積資材、製造オーダ数量、計算された作業の投入数量に基づいて、見積資材ラインが作成されます。

資材出庫および (製造) 倉庫オーダ

オーダ分割時に、親オーダのすべての資材ラインが更新されます。必要な場合は、この更新をトリガとして、タイプが出庫の資材について関連製造倉庫オーダが更新されます。次の規則に基づきます。

  • 親オーダ
    製造倉庫オーダで出庫されるすべての資材は、親製造オーダに出荷される実際数量として登録されます。
  • オーダが分割されても、所要資材のすべての数量がすでに出荷済の場合は、過剰な分を親から戻して子オーダに出庫することによって、親子間の資材をマニュアルで再配分する必要があります。
  • 分割の後、作業に出庫される実際合計数量がチェックされます。作業に出庫される実際数量が、作業に必要な更新済資材数量より少ない場合は、出庫オーダが更新され、親オーダで作業への出庫が必要な数量が反映されます。
  • 作業に出庫される実際合計数量が、作業に必要な更新済数量より多い場合、この資材について未処理の資材要求があればマニュアルで削除する必要があります。
  • 子オーダ
    分割時に、所要資材のすべての数量がすでに親オーダの作業に出荷済で、満たされていない倉庫オーダが存在しない場合は、同じ作業について、子オーダレベルで倉庫オーダを作成して資材を出庫する必要はありません。実際材料費 (オーダ分割の数量割合に基づく) の割合は、親オーダから取得されます。
  • オーダ分割時に所要資材の一部しか作業に出荷されていない場合は、子オーダレベルで、作業に出庫する資材の数量について倉庫オーダが作成されます。
注意

作業レベルで、製造品目の数量が完全に納入済の場合、次の両方の条件が満たされれば、資材の倉庫オーダが作成されます。

  • 分割時に、親オーダに出庫済の資材の実際数量が所要数量より少ない
  • 残り数量を出庫するための未処理の倉庫オーダが存在する

両方の条件が満たされる場合、子オーダレベルで倉庫オーダが作成されます。この倉庫オーダには、出庫される数量 (親オーダレベルで出庫されるはずだった未処理の数量と同じ) が含まれます。

作業状況が完了になると、実際材料費の一部が親オーダから取得されます。転送される材料費の具体的な割合は、完了作業に適用される製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションの転送転記の実際材料費のブレークダウンフィールドの値に基づいて決定されます。

出庫済資材は、その資材の実際出庫を持つ製造オーダからのみ返却できます。倉庫オーダラインは親にリンクされていたため、資材が親製造オーダに出庫され、オーダ分割時に実際材料費が子製造オーダに転送された場合でも、返却は親製造オーダからしか実行できません。