製造オーダの転記

LN では、製造オーダに関して次の原価が転記されます。

  1. 材料費
  2. 作業原価 (時間原価および外注費)
  3. 仕掛品振替 (仕掛品振替を参照)
  4. 製造付加費用
  5. 製造完了および在庫入庫
  6. 価格差異、能率差異、および計算差異 (固定振替価格の品目のみ)
1. 材料費

資材は評価額と照合して出庫されます。評価額は、総計原価構成要素の実際の仕掛品値に保管されます。原価は非追加費用として表示されます。

LN で資材出庫時に記帳されるのは、移動平均単位原価 (MAUC) 価格です。見積/実際材料費 (ticst0501m000) セッションの移動平均単位原価価格は、資材ラインに対する実際原価です。

JIT 品目は倉庫を通さずに直接仕掛品に入庫されます。これらの品目には、直接入庫および使用に対する請求を有効にするための特殊な会計取引が存在します。こうした種類の取引に関しては、購買結果 (固定振替価格の品目の場合) も仕掛品に入れられます。

材料費が転記されるのは、次の発生元/会計取引です。

  • 製造 - 出庫
  • 製造 - 出庫 - 直接入庫
  • 製造 - 購買結果 - 直接入庫
2. 作業費

作業費は 2 つのパートに分けることができます。

  • 時間原価
  • 外注費

時間原価

作業別の原価は、見積/実際時間原価 (ticst0502m000) セッションで表示されます。

実際時間原価は、従業員管理で転記および処理されます。製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションの時間処理に使用するレートフィールドが見積レートの場合、標準原価計算モジュールの作業費レートおよび原価構成要素を使用して、時間原価が計算されます。

製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションの時間処理に使用するレートフィールドが労務費率/機械費率の場合、機械 (tirou0102m000) セッションの機械データおよび品目 (tcibd0501m000) セッションの従業員データから取得されたレートおよび原価構成要素を使用して、時間原価が計算されます。

時間原価は労務費、機械費、および間接費に分割されます。間接費を転記すると、従業員管理パラメータ (bpmdm0100m000) セッションの従業員部署の労務間接費を含むチェックボックスがオンになります。

転記は、時間会計処理の時点で行われます。時間数を計上するには次の方法があります。

  • マニュアルで入力する。
  • バックフラッシュによって生成する。

作業費は計算オフィスまたはワークセンタの企業単位に転記されます。作業費の転記は、次の取引発生元/会計取引に対して行われます。

  • 製造
  • 作業費

時間は、作業費レートで定義された詳細原価構成要素に対して転記されます。これらの詳細原価構成要素にもとづいて、価格および能率差異が計算されます。

外注費

LN において外注費は、外注品目の購買とみなされます。外注品目の購買オーダ価格は、標準原価計算モジュールの外注費計算方法およびレート係数を使用して計算されます。

外注した中間製品を受領して工程管理計算オフィスまたは企業単位に転記した時点で、転記が発生します。

外注費の差額は、見積価格および外注価格を比較して算出されます。そのため、購買請求書の購買オーダ価格と実際額が比較されます。外注作業用に生成された購買オーダを処理した後で、製造オーダをクローズする必要があります。オーダ見積に外注原価が含まれていない場合は、外注費の差額を算出できません。

作業時間数および外注費は両方とも作業費とみなされます。

仕掛品振替

仕掛品振替を参照してください。

4. 製造付加費用

製造オーダ関連の付加費用は、品目入庫付加費用です。付加費用は常に計算オフィスに転記されるため、製造仕掛品とみなされます。付加費用はオーダ完了時に転記され、見積オーダ原価にもとづいて算出されます。オーダをクローズした時点で、実際オーダ原価、実際付加費用が計算されます。付加費用は詳細原価構成要素を介して常に製造オーダレベルで計算され転記されます。

5. 製造完了と在庫入庫

フェーズは次のように大別できます。

  • 完了数量のレポート
  • オーダ完了のレポート
  • 倉庫への品目入庫

品目の完了がレポートされると、倉庫オーダが有効になります。入庫手順は、倉庫オーダに応じて特定のものにすることができるため、結果として、完了がレポートされた時点と品目が倉庫に転記される時点とで時間のずれが生じる可能性があります。この時間のずれは仕掛品値に反映されます。

完了数量がレポートされた品目は、計算オフィスに転記されます。最終作業/ワークセンタから計算オフィスに対しては、仕掛品振替が実行されます。計算オフィスにおいてレポート数量が不変であるのは、在庫入庫までです。在庫入庫時点で、計算オフィスの仕掛品数が固定振替価格値 (マイナスの入庫付加費用) に応じて減少します。これらの数量は両方とも、完成品の総計原価構成要素にもとづいて転記されます。転記対象となる取引発生元/会計取引は、製造、製造完了、入庫です。

最初に、品目を在庫に転記する際は固定振替価格値が用いられます。実際の製造オーダ原価は不明なため、実際品目 (単位) 原価は計算できません。実際オーダ原価は、オーダがクローズされた時点で確定されます。

6. 価格、効率、および計算差異

作業現場管理における製造オーダ原価計算オンラインマニュアルのトピックのポイント 5 を参照してください。