製造オーダの見積完成品単位原価の計算完成品単位原価は、特定の製造オーダに関する 1 つの完成品の計画原価です。LN では、時間数および資材 (品目付加費用を含む) の見積によって、完成品単位原価が計算されます。製造オーダの見積完成単位原価の計算については、次の段落で説明します。 LN で見積完成単位原価が計算されるのは、次の場合です。
凍結/現行見積原価の差異の出力 (ticst0411m000) セッションで現在の見積と前回計算値の差異を出力すると、見積単位原価が計算されます。 作業費および材料費は、製造オーダの作成時に確定されます。完成品の作業費および材料費は、原価が凍結されたときに計算されます。この時点で、見積/実際材料費 (ticst0501m000) セッションおよび見積/実際時間原価 (ticst0502m000) セッションのデータがすでに完全に入力されています。見積完成品の単位原価を計算すると、次の処理が実行されます。 ステップ 1. 作業費の確定 見積/実際時間原価 (ticst0502m000) セッションでは、製造時間および作業費レートを使用して、完成品単位ごとに作業費が決定されます。作業費レートは、賃金、機械、および間接費の原価合計に基づいて計算されます。 この作業費は原価構成要素に保管されます。作業費は完成品単位の最終製品ごとに計算されます。結果がワークセンタごとに計算された場合 (製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションのワークセンタ別会計取引フィールドを参照)、原価はワークセンタごとに計算されます。原価は、計算オフィスの品目ベース表示で、総計原価構成要素を使用して総計されます。 ステップ 2. 材料費の計算 保管済資材の所要量は、見積/実際材料費 (ticst0501m000) セッションで算出されます。構成要素ごとの材料費は、標準原価を用いて計算されます。 標準原価には、品目に割り当てられている倉庫関連付加費用が含まれます。資材が別の倉庫にリンクされている場合は、倉庫付加費用部分をリンク先の倉庫に変更する必要があります。 資材出庫元ワークセンタがジョブショップ倉庫として保管されている場合は、ジョブショップ倉庫関連付加費用を用いる必要があります。 資材は、オーダ発行時にジョブショップ倉庫に割り当てられます。ジョブショップ倉庫付加費用は、計算実行時にオーダ状況が未発行であったとしても算出されます。WIP タイプの直接入庫資材に関しては、倉庫付加費用が算出されません。 資材の標準原価が未計算の場合、材料費は算出されません。 見積完成単位原価を見積完成品単位原価の計算 (ticst0210m000) セッションで計算する場合、材料費の標準原価の有無をチェックチェックボックスをオンにすることができます。このチェックボックスがオンの場合、適正な見積作成のための資材標準原価がすべて利用可能かどうかがチェックされます。 ステップ 3. 完成品付加費用の計算 材料費および作業費がすべて計算された後は、付加費用が計算されます。付加費用は、標準原価計算モジュール内に定義されている順序 (品目グループ、品目、および倉庫レベル) で計算されます。 ステップ 4. 振替価格の計算 仕掛品振替の計算が可能になるのは、製造オーダパラメータ (tisfc0100s000) セッションのワークセンタ別会計取引チェックボックスがオンで、かつ仕掛品振替方法が常にまたは完了時のみの場合のみです。計算価格は、納入先ワークセンタの最終作業までの増分価格です。
例
ワークセンタ 1 からワークセンタ 2 への振替価格 = ($100 + $600)÷7 = $100 ワークセンタ 2 から計算オフィスへの振替価格 = $7.00 + $1.20 = $8.20 材料費および作業費の原価構成要素はすべて、計算のベースになります。金額は総計された後、製造オーダ (tisfc0101s000) セッションで定義される転送構成要素 (仕掛品振替原価構成要素) に振替価格で保管されます。 会計取引の詳細については、JSC 会計取引 (ticst3500m000) セッションおよび取引発生元および会計取引別 PCS 会計取引 (tipcs3500m000) セッションのヘルプを参照してください。
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