手形分割

支払合計金額を額面金額の小さい複数の手形に分割することができます。会社は全額を 1 つの手形で発行せずに、この金額をカバーする複数の手形を発行します。

手形の分割には、2 つの理由があります。

  • 小額で手形を作成すると、裏書または割引ができるため。このような手形の額面金額は、会社と取引先間の合意によって決定されます。
  • 印紙税の金額を最低限に抑えるため。全額を 1 つの手形で発行せずに、この金額をカバーする複数の手形を発行します。

取引先ごとに、回収先取引先 (tccom4114s000) セッションで以下のように手形の分割方法を指定できます。

  • 取引先に指定された事前定義の値
    手形金額を分割するには、手形の分割方法フィールドで事前定義の値オプションを選択します。
  • 印紙税関税表
    手形に関して印紙税の支払義務がある場合、印紙税の説明に従って、印紙税を設定してください。
事前定義値に基づいた分割データ

発注先から会社の会計士に対し、1 つの取引で受け取る手形の最大数および手形の額面金額について指示されることもあります。

たとえば、発注先が 1 つの請求書に対して 4 枚以上の手形を希望しない場合などがあります。請求額が 100,000 ユーロまでの場合、この金額は 25,000 ユーロの手形に分割されます。請求額が 1,000,000 ユーロまでの場合、この金額は 100,000 ユーロの手形に分割されます。このような例があります。

次のテーブルは、この契約のデータを示しています。すべての値は、現地通貨で表しています。

金額上限手形の額面最大数
100,00025,0004
1,000,000100,0004
10,000,0001,000,0004

 

このデータに基づいて、85,000 ユーロの請求書は次のようになります。

  • 25,000 ユーロの手形が 3 枚作成されます。
  • 残余金額は、10,000 ユーロで 1 枚作成されます。

手形の最大数が 3 の場合、85,000 ユーロの請求書は次のようになります。

  • 25,000 ユーロの手形が 2 枚作成されます。
  • 残りの金額は 30,000 ユーロで 1 枚作成されます。
印紙税関税表による分割データ

取引先が手形分割の事前定義値を提供していない場合、最適な手形分割を設定して、印紙税の金額を最小化することができます。

国によっては、手形の印紙税が次の例のように段階的計算テーブルに基づいて決定されます。

手形額面金額まで印紙税額
10,000 ユーロ2 ユーロ
100,000 ユーロ20 ユーロ
1,000,000 ユーロ200 ユーロ

 

印紙税は現地通貨で表されています。

注意

印紙税は、通常段階的に減額または固定になります。つまり、手形金額が高くなると、税率は固定か減少になります。その結果、手形を分割するときは、手形は常に可能な限り高い額面で作成する必要があります。

印紙税を節約するため、手形数および手形の額面に対する最適構造を計算することができます。

たとえば、支払う金額が 40,000 ユーロの場合、次のいずれかを行うことができます。

  • 40,000 ユーロの手形を 1 枚作成し、20 ユーロの印紙税を支払う
  • 8,000 ユーロの手形を 5 枚作成し、5 x 2 = 10 ユーロの印紙税を払う