総勘定元帳勘定照合 (旧)

総勘定元帳勘定照合は、単一の元帳勘定の貸方および借方入力の照合から構成されています。総勘定元帳勘定照合は、通常、次のタイプの元帳勘定で実行されます。

期間をクローズすると、これらの元帳勘定の残高はゼロまたは可能なかぎり小さな値にする必要があります。通常、関連する転記と照合され一致します。関連する取引の金額と僅差で異なる場合、照合取引を作成し勘定を清算することができます。

これらの勘定科目を分析する場合は、清算する取引のレポートを出力し、一致しない転記を確認することができます。

総勘定元帳照合の基本的なルール

総勘定元帳照合の基本的なルールは、次のとおりです。

  • 次の勘定科目に対して総勘定元帳照合を実行できます。

    • 貸借対照表または損益タイプの勘定科目
    • 照合可能な勘定科目として定義されている。勘定科目表 (tfgld0508m000) セッションで、勘定科目について照合チェックボックスをオンにしておく必要があります。
    • 統合取引には使用されていない
  • 総勘定元帳勘定照合は、同じ勘定科目の入力に対してのみ実行できます。
  • 照合する取引は、異なる取引通貨でも可能です。
  • 総勘定元帳勘定照合をファイナライズ済取引で実行できます。
  • 照合取引がすでにファイナライズされていても、照合を取り消すことができます。

総勘定元帳勘定照合処理では、次の状況が発生します。

  • 選択した取引の貸方金額および借方金額の合計に差がない、または差額が通貨許容範囲内である。取引が照合されます。
  • 貸方および借方金額の合計が許容範囲の割合および/または許容金額以上に異なる。取引は照合されません。
  • 貸方金額と借方金額の合計の差が照合許容範囲の割合内で、照合許容範囲金額よりも少ない。差額に対して、取引を照合取引と照合することができます。
照合取引と照合するには

照合取引は差額に対して作成され、自国通貨の金額は内部為替レートタイプを使用して取引通貨で差額として計算されます。

次の状況が発生します。

  • 各自国通貨の残余額はゼロまたは通貨許容範囲内になります。
  • 少なくとも 1 つの自国通貨の残余額はゼロにはなりません。これは、照合する取引の取引日間の通貨レートが変更されるためです。仕訳は次の 2 とおりです。

    • 自国通貨の差額は、総勘定元帳に残ります。
    • 自国通貨で勘定科目を清算するため、自国通貨での差額に対して 2 つ目の取引が作成されます。この取引は、差額に基づいており、通貨レートは関係しません。

1 つの照合取引は、総勘定元帳で取引を清算します。もう 1 つの照合取引は、照合勘定科目に転記されます。

例 1: 自国通貨の残高

照合取引が作成されると、その他の自国通貨に残る差額がなくなります。

取引額取引通貨貸借現地通貨 EURレポート通貨 1 USDレポート通貨 2 CAD
取引 1100GBPD9010150
取引 250GBPC45.449.8024.4
取引 351GBPC45.551.1025.1
照合取引1GBPD0.90.100.5
結果0000

 

他の照合取引は照合勘定科目に転記されます。この場合、照合勘定科目の入力は、次のようになります: 1 イギリスポンド、0.9 ユーロ、0.1 US ドル、0.5 カナダドル

例 2: 不完全照合

為替差が残る自国通貨もあります。これは、次の例のように照合取引が必要であるときも必要でないときも発生します。

取引額取引通貨貸借現地通貨 EURレポート通貨 1 USDレポート通貨 2 CAD
取引 1100GBPD90.1101.0250.5
取引 2100GBPC90.9101.150.5
結果00.80.080

 

例 3: 差額に基づく照合

照合取引が作成されると、為替差額は自国通貨に残ります。差額に基づいて、2 つ目の照合取引が作成されます。

この取引は、為替差取引に該当します。自国通貨での取引額は、為替レートでそれぞれに関連付けはされていません。

取引額取引通貨貸借現地通貨 EURレポート通貨 1 USDレポート通貨 2 CAD
取引 1100GBPD90.1101.250.1
取引 2100GBPC90.9101.150.5
結果00.80.080
現地通貨での差額に基づく取引0.8
レポート通貨での差額に基づく取引0.08
結果0000

 

他の照合取引は照合勘定科目に転記されます。

この場合、照合勘定科目の入力は、次のようになります。

  • 1 回目の入力: 1 イギリスポンド、0.9 ユーロ、0.1 US ドル、0.5 カナダドル
  • 2 回目の入力: 0 イギリスポンド、0.8 ユーロ、0 US ドル、0 カナダドル
  • 3 回目の入力: 0 イギリスポンド、0 ユーロ、0.08 US ドル、0 カナダドル
総勘定元帳勘定の照合に頻繁に使用される勘定科目
  • 諸債権および債務勘定
    この勘定科目には、日常業務サイクルに直接付随しない売掛金および買掛金を記録します。たとえば、払い戻されるべきであるが、記録する時点では仕訳が不明確な割当経費を記録します。損益勘定に転記されてはならない、サードパーティに代わって行う購買を記録する場合にも、このレコードが使用されます。
  • 保留勘定
    ある勘定科目に確定的に転記することのできない取引を記録するための勘定科目です。ただし、このような勘定科目は貸借対照表に表示しないでください。たとえば、会社と銀行の勘定科目の残高を一致させるために銀行調整を行うときに、銀行勘定照合表にリストされている未確認の取引 (たとえば、顧客からの支払) は保留勘定に転記されます。
  • 内部移動勘定
    これらの仮勘定は、実務的で管理的な会計処理に使用されます。現金を銀行勘定に移動するのがその例です。それに加えて、いくつかの会計仕訳帳を必要とする処理にも、それらの勘定科目が使用されます。内部勘定は貸借対照表に現れてはなりません。
  • 社内売上勘定
    これらの社内勘定は、提供した商品およびサービスに関して借方記入され、受け取った商品およびサービスに関して貸方記入されます。会社の諸々のブランチのこれらの勘定は全体で貸借が一致し、貸借対照表に現れてはなりません。
  • 従業員への前払勘定
    これは前払いを借方記入するとともに、それを控除する対象の給与に貸方記入する勘定科目です。
  • グループ勘定
    この勘定は、同一グループの会社内における一時的な前受金を記録するための勘定科目です。

中間勘定について、取引作成時に自動的に取引参照が作成されます。たとえば、取引参照は取引発生元とオーダ番号から構成することができます。

注意

統合取引に使用する元帳勘定に対して総勘定元帳勘定照合を実行できますが、調整プロセスを使用することをお勧めします。

総勘定元帳勘定照合を設定するには

総勘定元帳勘定照合を設定するには、次のステップを実行します。

  1. 勘定科目表 (tfgld0508m000) セッション内

    • 総勘定元帳勘定照合を実行する勘定科目の照合チェックボックスをオンにします。勘定科目のタイプは、貸借対照表または損益にする必要があります。これらの勘定科目は統合取引に使用することはできません。
    • 照合可能な勘定科目について、デフォルト照合連番を選択します。元帳勘定別照合シリーズ (tfgld1517m000) セッションにズームします。
    • 元帳勘定別照合シリーズ (tfgld1517m000) セッションで、作成された照合取引の伝票番号を作成するために使用されるシリーズを定義します。
  2. 必要に応じて、勘定科目照合の履歴の再作成 (tfgld1218m000) セッションで、元帳勘定履歴を再作成します。
  3. 会社パラメータ (tfgld0503m000) セッションで、次のデータを定義します。

    • 法定照合勘定および補完照合勘定。総勘定元帳が法定勘定なのか補完勘定なのかによって、片方の照合取引が法定照合勘定または補完照合勘定に転記されます。
    • 許容範囲照合 (割合)
    • 照合許容範囲 (金額)
    • 照合取引タイプ
    • マニュアル照合パラメータボックスで、次の処理を行うかどうかを指定します。

      • 不完全照合を許可する。小額の為替差を照合した後に少なくとも 1 つの自国通貨が残ります。
      • 照合後に自国通貨での差額に基づいた取引を作成する
      • 異なる取引通貨での取引を照合する
      • 取引通貨とは異なる場合、照合取引の自国通貨
総勘定元帳勘定照合を実行するには

次の方法で、総勘定元帳勘定照合を実行できます。

  • 総勘定元帳勘定科目照合 - 自動 (tfgld1216m000) セッションで自動的に実行する。取引には取引参照がある必要があります。照合取引を作成するには、取引を作成チェックボックスをオンにします。
注意

LN では、借方取引と貸方取引の自動的な照合のみを行うことができます。たとえば、正の額の借方転記と負の額の借方転記を照合するには、総勘定元帳勘定科目照合 - マニュアル (tfgld1516m000) セッションを実行します。

  • 総勘定元帳勘定科目照合 - マニュアル (tfgld1516m000) セッションでマニュアルで実行する。このセッションでは、照合する取引を選択できます。このセッションを使用して、取引参照でリンクされていない取引を照合することもできます。
  • 選択した取引の収支が合う場合は、LN メニューの取引のない照合をクリックできます。選択した取引の貸方金額と借方金額の合計が異なる場合は、取引のある照合をクリックできます。 
    • 取引のある照合をクリックすると、総勘定元帳勘定科目照合取引の作成 - マニュアル (tfgld1217m000) が開始されます。
    • 総勘定元帳勘定科目照合取引の作成 - マニュアル (tfgld1217m000) セッションで、照合取引の照合勘定、ディメンション、およびその他各種の詳細を入力できます。
    • 残余差額の照合取引を自国通貨で作成するには、差額の転記チェックボックスをオンにします。
  • 以下のセッションで、ファイナライズする前にマニュアルで入力した取引を照合することができます。

    • 振替仕訳に対し、振替仕訳伝票 (tfgld0618m000) セッション
    • 購買、販売、および銀行取引ラインに対し、 セッション
     これらのセッションで照合可能な元帳勘定上に取引を作成する場合、適切なメニューから総勘定元帳勘定照合を選択して総勘定元帳勘定科目照合 - マニュアル (tfgld1516m000) セッションを開始することができます。このセッションを使用して取引を照合し、勘定科目の借方取引および貸方取引を表示することができます。
注意

ファイナライズしていない取引を照合した後は、この取引に対して変更を加えることはできません。

照合用総勘定元帳勘定の再作成

照合可能な勘定科目としてすでに存在する取引のある元帳勘定を定義できます。勘定科目表 (tfgld0508m000) セッションで、照合チェックボックスをオンにできます。このチェックボックスをオンにする場合、対応する残高分析 (tfglf116) テーブルに既存の取引を入力する必要があります。

残高分析 (tfglf116) テーブルにレコードを作成するには、勘定科目照合の履歴の再作成 (tfgld1218m000) セッションを実行します。