税金計算

次のタイプの税金計算について説明しています。

販売請求書の税金

販売請求書の税金は販売請求書 (tfacr1110s000) セッションで生成され、次の 2 つの異なるレベルで計算できます。

  • 請求書ヘッダのレベル
  • 取引ラインのレベル

請求書に適用される税金タイプが 1 つだけのときは、請求書ヘッダレベルの税金を使用できます。複数の税金タイプが存在するときは、取引ラインで税金を定義する必要があります。

販売請求書 (tfacr1110s000) セッションの税額計算レベルフィールド中の各請求書には、税額計算レベルを定義できます。買掛金パラメータ (tfacp0100m000) セッションではデフォルト値を定義できます。

販売請求書 (tfacr1110s000) セッション中で請求書ヘッダレベルの税額計算を選択した場合、次の項目を入力できます。

  • 課税国
  • 税金コード
  • 税額

合計請求額、課税国、税金コード、および請求書の伝票日付に基づき、デフォルトの税額が計算されます。税金コードを入力しなかった場合には税額は自動的にゼロとなり、変更できなくなります。

販売請求書 (tfacr1110s000) セッション中で取引ラインレベルでの税額計算を選択した場合、請求書ヘッダレベルで課税国を入力する必要があります。ただし税金コードや税額を入力することはできません。税金コードと税額は、取引 (tfgld1102m300) セッション内でそれぞれの取引ラインについて別個に入力する必要があります。取引ラインにそれぞれ入力された税額に基づき、請求書の税額合計が計算されます。取引を入力後、販売請求書 (tfacr1110s000) セッションの税額 (支払通貨) フィールドに合計税額が表示されます。

デフォルトの税額は、次のものに基づいて計算されます。

  • 請求額 (この金額は国別税金コード (tcmcs0136s000) セッションの財務会計に入力された金額フィールドの値に従って、正味額または総額となります)
  • 課税国
  • 税金コード
  • 伝票日付

ライン別税金コード (tfgld1109m000) セッションで、税額を指定できます。単一税率が使用されている場合は、ラインが 1 つだけ表示されます。複数税率が使用されている場合、取引ラインごとに税額を指定できます。

転嫁型税金

転嫁型税金は税額合計には含まれません。転嫁型税額は税勘定科目に転記されます。同時に評価勘定科目に振戻仕訳が生成されます。税金分析では、この金額は次のように 2 度考慮されます。

  • 税金勘定科目の仕訳として
  • 評価勘定科目の振戻仕訳として

転嫁型税金はオランダでは、税金および社会保障の負担金の支払義務 (下請け業者から主請負業者への請求) に関する法規に関連して使用されます。転嫁型税金は、EU 内で他の EU 国からの購買請求書として使用できます。このような請求書では税は請求されませんが、請求書を転記するときには (国の税率に基づいて) 仮の税額を計算し、課税および支払の対象になるものとして税金レポートに含める必要があります。

購買請求書の税金

購買請求書の税金は購買請求書入力 (tfacp2600m000) セッションで生成され、次の 2 つの異なるレベルで計算できます。

  • 請求書ヘッダのレベル
  • 取引ラインのレベル

請求書に適用される税金タイプが 1 つだけのときは、請求書ヘッダレベルの税金を使用できます。複数の税金タイプが存在するときは、取引ラインで税金を定義する必要があります。

税金計算のレベルは、購買請求書入力 (tfacp2600m000)セッションの税額計算レベル フィールドで定義できます。このフィールドのデフォルト値は、買掛金モジュールのパラメータ設定に応じて決まります。

税金の計算レベルが請求書ヘッダレベルのときは、購買請求書入力 (tfacp2600m000) セッションで税金コードと税額を入力できます。デフォルトの税額が、次のものに基づいて自動的に入力されます。

  • 請求総額
  • 課税国
  • 税金コード
  • 請求書の伝票日付

次の場合には、間違ったデフォルト税額が表示されます。

  • 入力した税金コードが複数または単一税率のとき、かつ
  • 超過額税率が単一税率 (tcmcs0132m000) セッションで定義済の場合。金額フィールドに入力されている税額は、必ず税込の総額です。税金はこの金額から税率により計算され、デフォルトで税額 (支払通貨) フィールドに表示されます。この金額は必要なら変更できます

税金コードを入力しなかった場合には税額は自動的にゼロとなり、変更できなくなります。

税金コードと税額は、次のいずれかのセッションで取引ラインごとに入力する必要があります。

  • 取引 (tfgld1102m300) セッション ‐ 費用請求書が関連するとき
  • 税金取引 (tfacp1112m000) セッション ‐ オーダに関する請求書が関連するとき。このセッションを有効化できるのは、請求書がオーダに関わるものであり、税金計算のレベルが取引ラインレベルの場合のみです。

これらのいずれかのセッションを終了すると、合計税額が計算され、購買請求書入力 (tfacp2600m000) セッションに表示されます。

注意

複数税率が使用されている場合、ライン別税金コード (tfgld1109m000) セッションで取引ラインごとに税額を指定できます。ライン別税金コード (tfgld1109m000) セッションは、税金計算レベルがヘッダのときに有効化できます。

消費税を使用している場合には、税額は承認時に再分類されます。

  • オーダに免税が存在する場合には、買掛金パラメータ (tfacp0100m000) セッションで税総額が税金差異勘定に再分類されます。
  • オーダに免税が存在しない場合には、オーダの税額は統合取引 (統合マッピング体系を参照) 消費税の借方勘定科目に再分類されます。この統合購買消費税の貸方勘定科目は使用されません。オーダと請求書との差額は差異勘定科目に転記されます

請求書とオーダの税金コードが異なるときは、転記した税金の振戻があります。次に、消費税のみの場合には請求書の税総額が再分類されます。承認時に税額が再度転記されますが、その際オーダの税金コードが使用されます。

原価品目が関与し、品目グループが品目グループ (tcmcs0123m000) セッションで指定した品目グループの 1 つに一致する場合、この原価品目の税金は、照合済購買請求書/取引明細書ライン取引 (tfacp1133s000) セッションで入力した勘定科目に再分類されます (このセッションは、購買オーダラインの照合 (tfacp2541m000) セッションの [特定] メニューの [原価品目] コマンドから開始されます)。したがって、統合マッピング体系の消費税の借方勘定科目には分類されません。この借方勘定科目は、購入した品目、および品目グループ (tcmcs0123m000) セッションで指定された品目グループが原価品目の品目グループと一致しない原価品目にのみ使用されます。他のケースでは、オリジナルの原価勘定科目には分類されません。

前払金の税金

国によっては一定の金額の限度を超えた前払金/前受金に対して課税する場合があります。前払金/前受金に対して課税したいときには、現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000) セッションで前払金/前受金の税金計算チェックボックスをオンにする必要があります。また、現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000) セッションの税金計算の最低額フィールドに最低金額を入力する必要があります。

前払金を支払ったとき、または受け取ったときは、次のセッションにより税額を指定できます。

  • 銀行取引 (tfcmg2500m000)
  • 支払予定 (明細) (tfcmg2116s000)
  • 回収予定 (明細) (tfcmg2117s000)

単一税率の金額が前払金の租税勘定元帳勘定と前受金の租税勘定元帳勘定に入力されます。これらの元帳勘定は税金コードに対する転記データ (tfgld0171s000) セッションで定義できます。

複数税率の金額が前払金の租税勘定元帳勘定と前受金の租税勘定元帳勘定に入力されます。これらの元帳勘定は複数税金コード用転記データ (tfgld0170s000) セッションで定義できます。

清算割引の税金

国によっては、たとえば請求書から現預金割引が差し引かれる際に、請求税額が清算されることがあります。現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000) セッションで控除の税金調整チェックボックスをオンにすると、支払予定の税額は次の場合に調整されるようになります。

  • 割引
  • 支払遅延
  • 支払差額

支払予定がある場合には、銀行/支払方法別転記データ (tfcmg0146s000) セッションで、清算を行うステップを定義する必要があります。