銀行取引のデフォルト金額

銀行取引 (tfcmg2500m000) セッションで支払を入力すると、LN は、支払が関連付けられている請求書に記録されたデータをもとに、次のデフォルト金額を決定します。

  • 支払予定額 (支払が購買請求書に関係する場合)
  • 入金予定額 (支払が販売請求書に関係する場合)
  • 割引額
  • 延滞金利

支払/回収スケジュールがあると、デフォルト金額の計算方法に影響を及ぼしますが、デフォルト割引額および支払延滞金利額はほかのデータに基づいて計算されます。またデフォルト許容支払差額も計算されます。

支払/回収スケジュール

次のいずれかのセッションに請求書を登録すると、支払/回収スケジュールを請求書にリンクすることができます。

  • 販売請求書 (tfacr1110s000)
  • 購買請求書入力 (tfacp2600m000)

支払/回収スケジュールを請求書にリンクするには、適切なメニューで該当するコマンドを選択してください。支払/回収スケジュールは次のいずれかのセッションの請求書に定義されています。

  • 回収スケジュール (tfacr1103m000)
  • 支払スケジュール (tfacp1103m000)

支払を作成している請求書に支払/回収スケジュールがある場合、LN は支払日または回収日を基準としてデフォルト支払予定額を決定します。

購買請求書の支払予定額合計が 1,200 US ドルだとします。

支払スケジュール:

金額支払期日
700 US ドル2017-02-15
300 US ドル2017-03-01
200 US ドル2017-03-15

 

初回支払日が 2017 年 02 月 18 日だとすると、表示されるデフォルト支払金額は 700 US ドルです。

初回支払日が 2017 年 03 月 04 日だとすると、表示されるデフォルト支払金額は 1,000 (700 + 300) US ドルです。

初回支払日が 2017 年 02 月 10 日だとすると、表示されるデフォルト支払金額は 700 US ドルです。支払の作成日より前に支払金額がない場合は、LN により次の支払日で指定した金額が入力されます。したがって、支払日が 2017 年 02 月 10 日の場合のデフォルト支払金額は 700 US ドルになります。

割引/延滞金利

支払を作成している請求書に支払/回収スケジュールがない場合は、LN は次の値に基づいてデフォルト支払/回収予定金額を算出します。

  • 支払/回収伝票日付
  • 未決済請求金額
  • 請求書に記録されている割引日

現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000) セッションの一部支払の延滞金利/割引パラメータは、一部支払の割引の計算方法を決定します。このパラメータがなしに設定された場合、デフォルト割引額は与えられません。

一部支払の延滞金利/割引パラメータが比例的に設定された場合は、デフォルト割引額が次の例のように計算されます。

例 1

買掛金購買請求額は 100 US ドルです。許容割引額は 8 US ドルです。

初回支払のデフォルト金額は、支払済金額は 92 US ドル、割引額は 8 US ドルです。

一部支払予定額が 20 US ドルだとすると、デフォルト割引は、1.74 US ドル (20 × 100 ÷ 92 × 8 ÷ 100) となります。

したがって、2 回目の支払のデフォルト金額は、支払予定額は 72 US ドルとなります。

デフォルト割引額は 72 × 100 ÷ 92 × 8 ÷ 100 = 6.26 US ドルとなります。

一部支払の延滞金利/割引パラメータが全額に設定された場合は、デフォルト割引額が次の例のように計算されます。

例 2

買掛金購買請求額は 1,000 US ドルです。次の割引データは請求書に記載されています。

割引額 1:20割引日:2017-01-01
割引額 2:15割引日:2017-02-01
割引額 3:5割引日:2017-03-01

 

初回支払に入力される支払済額は 800 US ドル、割引額は 18 US ドルです。

次回の一部支払の 200 US ドルが 2017 年 01 月 15 日に行われるとすると、デフォルト割引額はゼロです。支払の伝票日付に基づいて、LN はそのときに許容されている割引額 (15 US ドル) を決定します。この金額が最初の支払で計算された割引額 (18 US ドル) よりも小さい場合、デフォルト額はゼロになります。

注意

デフォルト支払金額は最初、請求通貨で計算されます。回収/支払通貨が請求通貨と等しくない場合、両通貨の為替交換レートに基づく請求通貨で計算されます。請求通貨に固定為替レートがある場合は、このレートが使用されます。

許容支払差額

支払差額許容範囲は、支払権限 (tfcmg1100m000) セッションで特定ユーザに対して定義された支払差額限度、または現預金管理パラメータ (tfcmg0100s000) セッションでデフォルト値として定義された支払差額限度に依存します。

LN は、次に基づく請求書の許容支払差額を決定します。

  • 未決済金額
  • 請求額
  • 定義済の支払差額許容範囲
例 1

請求書の金額は 1,000 US ドルです。次の許容範囲が支払差額に定義されます。

請求差額の予定下限 (%):10%
請求差額の予定下限:50 (参照通貨)

 

デフォルト支払差額は 50 です。

デフォルト支払差額は両条件を満たす必要があります。このケースでは、最初の条件は支払差額が 100 (10% × 1,000 = 100) より小さくなければならないことを表しています。一方、2 つ目の条件は支払差額は 50 より小さくなければならないことを表しています。したがって、デフォルト支払差額は 50 になります。

例 2

請求書の金額は 1,000 US ドルです。次の許容範囲が支払差額に定義されます。

請求差額の予定下限 (%):3%
請求差額の予定下限:50

 

デフォルト支払差額は 30 (3% x 1,000) です。

注意

実際支払の支払差額が許容デフォルト支払差額より大きい場合、表示されるデフォルト支払差額はゼロです。