自己請求

各購買オーダヘッダごとに、自己請求を使用するか否かを定義することができます。

通常、次の場合に自己請求が使用されます。

  • 購入する商品の価格を設定する発注先との契約がある場合
  • 商品の請求書を受け取らなくても代金を支払うことを発注先と合意している場合

発注先は請求書を送付する必要はありません。その代わりに、該当商品に関する請求書を自動的に作成する自己請求手順を使用します。

自己請求手順を使用する場合、LN は商品の受領時に請求書を自動的に作成、照合、承認します。これはすべて買掛金モジュールで行います。

自己請求内部請求書

別々の財務会社の倉庫間で請求済商品を転送する際、すべての販売請求書について、対応する購買請求書が利用可能であることが重要です。そうでない場合は、調整が不可能になります。

LN ですべての内部販売請求書に対して内部購買請求書が作成されるようにするには、自己請求購買請求書の生成 (tfacp2290m000) セッションでマニュアル請求した請求日の指定チェックボックスをオンにしておいてください。

このチェックボックスがオンの場合、売掛金および請求でセットアップ済の販売請求書の構成基準が無視され、すべての内部販売請求書を対象に内部購買請求書が作成されます。

自己請求手順

自己請求手順は、マニュアルで購買請求書を作成する手順と類似しており、次の手順で行います。

  1. 商品の受領は倉庫管理で登録します。
  2. 買掛金の自己請求購買請求書の生成 (tfacp2290m000) セッションで、購買請求書伝票を作成します。未決済請求書入力が作成されます。
  3. 請求書伝票が自動的に照合、承認されます。
  4. 作成された購買請求書は、総勘定元帳に転記されます。
転記情報

自己請求伝票の場合、購買請求書入力 (tfacp2600m000) セッションで入力できるオーダに関連付けられたマニュアル登録済請求書の場合と同じ転記が作成されます。作成された請求書の各請求書ラインに対し、LN は税額計算レベルを取引ラインに設定します。

借方伝票の場合、購買オーダに関連付けられた登録済貸方票の場合と同じ転記が作成されます。取引タイプ分類は購買貸方票です。作成した借方伝票の各ラインに関して、LN は税額計算レベルを取引ラインに設定します。

統制勘定の転記は、通常、自己請求請求書の貸方転記か借方伝票請求書の借方転記になります。これは、金額がプラスなのかマイナスなのか、および取引タイプでマイナス金額と貸方票のマイナス金額を転記できるかどうかによって決まります。

自己請求請求書の作成ルール

調達では、自己請求手順は購買オーダライン (tdpur4101m000) セッションの次のフィールドで管理されます。

  • 自己請求。請求書をオーダラインの入庫ごとに作成できます。購買オフィスがリンクしている財務会社で、自己請求購買請求書の生成 (tfacp2290m000) セッションまたは内部輸送請求書の作成 (tfacp2246m000) セッションでオーダラインを選択して請求書を作成できます。
  • 請求開始時点
  • 自己請求日付タイプ
  • 自己請求方法

これらのフィールドは、次のセッションのデータからデフォルト設定されます。

  1. 請求条件 (tctrm1145m000) セッション
  2. 購買契約ライン (tdpur3101m000) セッション
  3. 品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000) セッション
  4. 購買元の取引先 (tccom4120s000)/購買オーダ (tdpur4100m000) セッション

非購買自己請求請求書

買掛金モジュールのプロセスにより作成される次のタイプの内部請求書に対しては、自己請求購買請求書の生成 (tfacp2290m000) セッションで自己請求請求書を作成することができません。

  • 内部輸送請求書
    内部輸送請求書は、内部輸送請求書の作成 (tfacp2246m000) セッションで作成されます。
  • 手数料請求書
    手数料請求書の作成は、販売の手数料およびリベートモジュールから全面的に開始します。この処理をサポートするには、手数料請求書に対する取引タイプ、シリーズ、およびバッチ記述を買掛金パラメータ (tfacp0100m000) セッションに保存します。
請求日および伝票日付

自己請求購買請求書の生成 (tfacp2290m000) セッションでは、自己請求請求書を含むバッチに対してデータを入力できます。

入力した会計期間情報は、処理中のすべての取引に対して使用されます。マニュアル請求した請求日の指定の日付チェックボックスをオンにすると、バッチに対する請求日、取引入力日、および会計期間を入力できます。請求日は請求書締切日以降の日付にする必要があります。

注意

未着買掛金は、購買オーダの入庫を登録すると増大し、請求書を承認すると減少します。自己請求請求書の期間を入庫を記録した期間よりも前に指定する場合は、未着買掛金勘定は増大する前に減少します。このような矛盾を避けるため、日付を入力する場合は取引入力日および請求日は同じ日付にする、または請求書締切日より後の日付にする必要があります。

期間情報はマニュアルでも変更できます。また、必要に応じて期間残高も変更できます。購買請求書の照合/承認 (tfacp2107m000) セッションでマニュアルで請求書を承認すると、期間情報を変更できる承認取引の転記データ (tfacp1141s000) セッションが開始されます。

すべての取引の取引日および請求書の請求日付

  • マニュアル請求した請求日の指定チェックボックスがオフの場合、請求書に含まれる最終入庫の入庫日を、各請求書の取引日付および伝票日付に使用します。
  • マニュアル請求した請求日の指定チェックボックスがオンの場合、取引日および伝票日付に対して入力された請求日が使用されます。入力する請求日は締切日以降にしてください。したがって、請求日は入庫日より常に後の日付になります。締切日より前の日付を入力すると、エラーメッセージが表示されます。
レート情報

レート情報に基づいて、取引の為替レートが決定されます。

レート情報は次の詳細情報からなります。

  • レートタイプ
  • レート日
  • 為替レート
  • レート係数

レート情報だけではなく、請求書の作成および総勘定元帳での転記に使用される為替レートは、購買オーダの為替レート換算基準の値に依存しています。

レート換算基準は必須集約であるため、請求書で統合されているすべてのオーダラインで同じになります。レート換算基準の値が伝票日付とは違う場合、各関連オーダラインが未着買掛金勘定科目のそれぞれのレート情報と一緒に転記されます。この場合、オーダラインのレート情報は購買オーダヘッダのレート情報と同じになります。その結果、関連する未着買掛金勘定科目は入庫により増加され、自己請求請求書の作成により減少されます。したがって、統合取引では現在為替差の転記は行われません。請求書と統制勘定転記のレート情報は、関連するすべての未着買掛金転記の平均レートです。

レート換算基準が伝票日付の場合、転記ではすべて請求書の伝票日付で有効な為替レートが使用されます。したがって、それぞれの未着買掛金で、統合取引に為替差入力を作成できます。為替差入力は、購買オーダヘッダレート情報と請求書伝票日付で有効なレート情報の差分から生じます。