調整処理

財務会計分析プロセスおよび調整プロセスの 2 つは、次のように区別できます。

  • 全調整エリアの一般財務会計分析
  • 調整エリアの未着買掛金 3 で表される、未請求の入庫品 (GRNI) に関する調整および財務分析 (未請求の入庫品調整プロセスを参照)

財務会計分析および調整は、調整グループ別に実行できます。財務分析および調整処理は、次のステップから成ります。

  1. 会計期間のクローズ (新規取引入力の不許可)
  2. 為替差および端数修正の計算/転記
  3. 試算表の印刷
  4. 調整開始残高の作成 (必要な場合)
  5. 調整データの印刷
  6. レポートの比較
  7. 元帳勘定履歴の再作成、およびレポートの再生成 (必要な場合)
  8. 貸借を一致させることの可能な調整取引の受入
  9. データの分析
  10. 取引詳細の表示
  11. 必要な訂正取引の生成
  12. 訂正取引の転記
  13. 調整データの受入

これらのステップの詳細については、続いて説明します。

調整処理
ステップ 1. 期間のクローズ

通常、調整は特定の会計期間にわたって行われます。調整プロセスを開始する前に、期間のクローズ (tfgld1206m000) セッションを使用して統合期間をクローズし、新規の取引を入力できないようにします。

ただし、調整レポートを生成および出力する場合は、LN による期間状況のチェックは行われません。レポートは、期間の状況に関係なくいつでも出力できます。

ステップ 2. 為替差の転記

調整処理を実行する前に、端数調整と為替レートの変動により起こる為替差を計算して適切な元帳勘定に転記するには、次のセッションを実行します。

  • 統合勘定に対する為替差の計算 (tfgld4295m400)
  • 統合勘定に対する丸め為替差の計算 (tfgld4295m500)

重要

端数修正を避けるため、次のいずれかが該当する場合は統合勘定に対する丸め為替差の計算 (tfgld4295m500) セッションを実行する必要があります。

  • 消費税を使用する場合は、中間差異調整グループに対してこのセッションを実行します。
  • ペグ購買オーダの場合は、未着買掛金調整グループに対してこのセッションを実行します。

為替差取引のバッチをファイナライズします。詳細は、次の情報を参照してください: 為替差勘定

ステップ 3. 試算表の印刷

試算表の出力 (tfgld3402m000) セッションを使用して、分析する統合元帳勘定の試算表を印刷します。

ステップ 4. 調整開始残高の作成 (必要な場合)

在庫取引のような調整グループに依然として影響を与える取引をアーカイブした場合は、調整開始残高を作成して調整データの差異を消去できます。その場合は、調整開始残高 (tfgld4195m000) セッションを使用します。

特定のビジネスオブジェクトと調整要素の調整開始残高を作成するには、作業管理 - 財務調整 (tfgld4595m000) セッションで取引を選択し、適切なメニューで調整開始残高の作成を選択します。

ステップ 5. 調整データの印刷

調整データの出力 (tfgld4495m000) または調整データプロジェクト (PCS) 仕掛品の出力 (tfgld4495m300) セッションを使用して、調整レポートを印刷します。

この処理段階で、標準レポートを出力することができます。

  • 調整要素ごとなどの高いレベルでの小計を出力して、次のチェックボックスをオンにします。

    • 要約レポートの出力
    • 調整とファイナライズ済総勘定元帳の比較
    • 残高 0 を除く
  • 調整要素レベルで小計を出力するには、特定グループセクションのオプションタブで、必要に応じて次のいずれかのチェックボックスを選択します。

    • 調整要素
    • 調整要素の組合せ

詳細は、次の情報を参照してください: 調整レポートを出力するには

ステップ 6. 試算表と調整データレポートの残高の比較

金額が一致する元帳勘定については、調整データを受け入れることができます。ステップ 8. 調整データの受入に進みます。

ステップ 7. 履歴の再作成

調整レポートの金額が試算表の金額に一致しない場合は、まず分析を行う元帳勘定の履歴を再作成します。

取引からの開始残高/履歴の再作成 (tfgld3203m000) セッションを使用して、次の 3 つのチェックボックスをすべてオンにします。

  • 開始残高
  • 親勘定の履歴を再作成
  • 親ディメンションの履歴を再作成

ステップ 4. 資産表の印刷に戻ります。

ステップ 8. 調整データの受入

問題のない元帳勘定の調整データを受け入れます。調整データの受入 (tfgld4295m000) セッションで、調整グループを選択します。次に、調整データを受入れる元帳勘定の範囲を選択します。

注意 在庫勘定と終了勘定は、調整データを受入れる前に最初に分析する必要があります。

ステップ 9. 調整データレポートの残高分析

調整レポートの金額が試算表の金額と一致しない場合は、問題のタイプと監査の要件に基づいてさまざまなアクションを取ることができます。

調整データの出力 (tfgld4495m000) セッションを使用して、調整できない取引のレポートを印刷します。この段階では、調整データと残高の関係がすでに検証されているため、調整とファイナライズ済総勘定元帳の比較チェックボックスをオフにします。

在庫勘定と終了勘定以外の勘定科目については、未承認取引のみ合計を出力チェックボックスをオンにすることもできます。詳細の少ないレポートの出力から開始します。詳細は、次の情報を参照してください: 調整レポートを出力するには

調整データの出力 (tfgld4495m000) セッションで、差異の理由が簡単にはわからない場合は、次のチェックボックスをオンにしてさらに詳細なレポートを出力します。

  • ロジスティック詳細
  • 財務詳細
ステップ 10. 取引詳細の表示

作業管理 - 財務調整 (tfgld4595m000) セッションで、さまざまなオプションを使用して取引詳細を表示できます。

たとえば、ラインを選択した場合は、適切なメニューから次の選択を行うことができます。

  • 取引発生元を選択すると、作業管理のオリジナル取引を表示できます。
  • 統合取引を選択すると、取引のマッピング詳細および転記詳細を表示できます。

参照のために、作業管理の対応するロジスティックデータのレポートを印刷することもできます。

財務データが正しいことが確認できたら、ステップ 13. 調整データの受入に進みます。

ステップ 11. 訂正

正しくない転記の修正取引をマニュアルで作成できます。詳細は、次の情報を参照してください: 修正取引を作成するにはこの訂正タイプでは、財務会計の不整合が解決されます。この訂正により、試算表と調整レポートの差異が解決されるわけではありません。そのような差異は専門家の手で解決されなければなりません。

次に、ステップ 9. 調整データレポートの残高分析から開始して、調整プロセスを繰り返します。未転記の訂正を含む調整レポートを印刷できます。

ステップ 12. 調整訂正の転記

調整訂正の転記 (tfgld4295m300) セッションを使用して、修正取引を総勘定元帳勘定科目に転記します。

次に、ステップ 3. 資産表の印刷に戻ります。

ステップ 13. 調整データの受入

調整グループで訂正の必要がなくなったら、調整データの受入 (tfgld4295m000) セッションでその調整グループを選択します。次に、調整データを受入れる元帳勘定の範囲を選択します。

特定のビジネスオブジェクトを選択チェックボックスをオンにして、特定のビジネスオブジェクトまたは特定の範囲のビジネスオブジェクトの調整データを受入れることもできます。

借方および貸方残高のみチェックボックスをオンにして、ほとんどの取引を受け入れることもできます。それぞれの自国通貨で許容金額を入力する必要があります。

処理をクリックすると、LN はいくつもの条件をチェックし、条件を満たす取引の状況を受入に設定します。作業管理 - 財務調整 (tfgld4595m000) セッションで、取引の状況を表示し、必要に応じて受入チェックボックスをオフにすることができます。

数多くの調整グループで調整プロセスを実行したら、プロセスをファイナライズして調整データを削除する準備を行うことができます。詳細は、次の情報を参照してください: 調整プロセスを完了するには