販売オーダラインと納入ラインの同期化

販売オーダラインは、納入ラインまたはバックオーダラインにリンクされます。納入ラインは、バックオーダラインにもリンクされます。販売オーダラインは、納入ラインまたはバックオーダラインの総計情報を保持します。別の製品の外部オーダラインを販売オーダラインに接続し、販売オーダラインを更新できます。販売オーダラインの変更されたフィールドは納入ラインと同期され、その逆も同期されます。

同期化処理をトリガするフィールド

販売オーダラインおよび/または納入ラインの次のフィールドに対する変更によって、同期処理をトリガできます。

日付フィールド数量フィールド価格と値引フィールド金額フィールド
ddta計画納期qrrqオーダ数量pric価格oamt金額
prdt計画入庫日qidl納入数量disc値引率amld合計値引額
rdta発行日qbboバックオーダ数量ldam値引額amodオーダ値引
--qicm約定引当数量dmse値引マトリックス順序damt納入済額
----dmde値引マトリックス定義fram輸送費額
----dmth値引方法--
----dmty値引マトリックスタイプ--
----cdis値引--
----dtrm決定--
----elgb適合--

 

注意

販売オーダラインのフィールドの変更は、必ずしも納入ラインに表示されるわけではありません。これは、価格、値引、金額などの商業データが販売オーダラインでしか表示できないためです。納期や納入場所などのロジスティックデータは納入ラインでのみ表示できます。この結果、販売オーダラインには、リンクされている納入ラインの商業情報の総計が保持されます。これらの商業情報は複数の納入ラインに分配されていますが、納入ラインに表示されません。ただし、納入ラインを請求に発行すると、納入ラインがリンクされている販売オーダラインは直接請求できないため、納入ラインで非表示の商業データが使用されます。

日付フィールド
計画納期の更新

納入ラインがリンクされていない場合は、販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションで計画済納期を更新できます。それ以外の場合は、計画済納期は無効です。

ただし、次の操作が可能です。

  • 販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションで、リンクされた納入ラインの計画納期を変更します。納入ラインの最新の計画納期は販売オーダラインの計画納期と同期されます。
  • 販売オーダ (tdsls4100m900) セッションで、販売オーダヘッダの計画納期を変更します。この結果、リンクされているすべての販売オーダラインの計画納期が更新されます。ただし、納入ラインがリンクされている販売オーダラインが更新される場合、削除される納入ラインが通知されます。納入ラインを削除しない場合は、計画納期の更新を元に戻し、必要に応じて納入ラインの計画納期を変更できます。

販売オーダラインの計画納期は常に外部オーダラインによって更新できます。ただし、納入ラインが販売オーダラインにリンクされている場合、外部オーダラインによって計画納期が更新されると納入ラインは削除されます。納入ラインの削除については、外部オーダラインに通知されません。

販売オーダラインの計画納期を変更できるかどうかをチェックするために、LN では、計画パラメータ (cprpd0100m000) セッションの販売の確約可能在庫チェックチェックボックスがオンかどうかが確認されます。このチェックボックスがオンの場合、品目が新しい計画納期で利用可能かどうかがチェックされます。品目が、要求数量分利用可能でない場合、計画納期は変更できません。品目が利用可能な場合、納入ラインがあるかどうかが判断されます。

注意
  • リンクされている納入ラインが納入済の場合、オーダラインの計画納期は変更できません。このため、すべての納入ラインについて販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションの納期は空である必要があります。
  • 新しい計画納期が計画入庫日以降の場合、計画納期と計画入庫日が同じになります。定義済リードタイムに従って計画入庫日が再計算されません。計画入庫日は、販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションまたは販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションで再計算できます。
  • 外部オーダラインが価格を変更せずに計画入庫日を変更する場合、価格フィールドを再計算できます。
計画入庫日の更新

納入ラインがリンクされていない場合は、販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションの計画入庫日を更新できます。それ以外の場合は、計画入庫日は無効です。

販売オーダラインの計画入庫日は常に外部オーダラインによって更新できます。納入ラインが販売オーダラインにリンクされている場合、納入ラインの計画入庫日も更新されます。

注意
  • リンクされている納入ラインが納入済の場合、オーダラインの計画入庫日は変更できません。このため、すべての納入ラインについて販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションの納期は空である必要があります。
  • 新しい計画入庫日が計画納期以降の場合、計画入庫日と計画納期が同じになります。定義済リードタイムに従って計画納期が再計算されません。計画納期は、販売オーダライン (tdsls4101m000)、または販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションで再計算できます。ただし、計画入庫日の変更によって計画納期が変更される場合、オーダラインにリンクされている納入ラインが削除されます。
  • 外部オーダラインが価格を変更せずに計画入庫日を変更するとき、同様に計画納期も変わる場合には、価格フィールドを再計算できます。
  • 納入ラインの最新の計画入庫日は販売オーダラインの計画入庫日と同期されます。
数量フィールド
オーダ数量の更新

販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションでオーダ数量を変更すると、リンクされているすべての納入ラインが削除されます。これは、有効在庫処理によって自動的に作成された納入ラインと、マニュアルで作成した納入スケジュールから生成された納入ラインの両方に適用されます。リンクされている納入ラインの 1 つが納入済の場合、または倉庫処理が大部分まで進んでいる場合、オーダ数量は変更できません。この場合、納入ラインのオーダ数量を修正してオーダ数量の変更を実行する必要があります。納入ラインでオーダ数量を変更した場合、納入スケジュールが保持され、オーダラインでオーダ数量が変更されます。

外部オーダラインのオーダ数量を変更した場合、リンクされている納入ラインの削除について外部オーダラインには通知されません。

注意
  • 新しい納入スケジュールは販売オーダライン (tdsls4101m900) セッションで作成できます。
  • バックオーダの場合、オーダ数量と金額はオーダラインと同期されません。これは、(親の) オーダラインまたは納入ラインで、バックオーダラインのオーダ数量がすでに計上されているためです。
販売単位の更新

倉庫管理が、リンクされている納入ラインをまだ処理していない場合は、オーダラインの販売単位を更新できます。ただし、オーダラインの販売単位を更新する場合、まだ処理されていない納入ラインは削除されます。必要に応じて、変更した販売単位に新しい納入ラインを作成する必要があります。

外部オーダラインの販売単位を変更した場合、リンクされている納入ラインの削除について外部オーダラインには通知されません。

価格と値引フィールド
価格フィールドの同期化

価格の同期で最も重要なのは、次のフィールドです。

  • 価格
  • 値引額
  • 値引 %

これらのフィールドが同期されると、価格と値引関連の次のフィールドも同期されます。

  • 値引マトリックス定義
  • 値引マトリックス順序
  • 値引方法
  • 値引
  • 値引マトリックスタイプ
  • 決定
  • 適合
価格の更新

オーダラインが作成されるとき、価格は次の項目に基づいて決定されます。

  • 価格設定パラメータ (tdpcg0100m000) セッションの販売価格日付タイプパラメータ。このフィールドにより、価格の計算にオーダ日付、システム日付、または納期のいずれを使用する必要があるかが決まります。
  • オーダ数量
  • 販売単位

オーダラインが複数の納入ラインに分割されると、オーダラインで決定された価格はすべての納入ラインのデフォルト価格になります。計画納期を変更すると (販売価格日付タイプパラメータが納期に設定されている場合)、または納入ラインのオーダ数量を変更すると、新しい値とオーダラインが同期されます。販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションを閉じると、価格を再計算するかどうか質問されます。価格は、販売オーダラインの同期されたフィールドに基づいて再計算されます。

固定額に基づく価格の更新

外部オーダラインによって価格が設定されなかった場合、または販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションの価格フィールドに価格を指定していない場合、販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションの金額フィールドに金額を入力する必要があります。この金額は、オーダラインで固定されます。この結果、価格は販売単位ごとの価格として計算されます。

外部オーダラインから金額が通知される場合、販売価格単位も通知されます。この結果、金額は販売価格単位別の価格に変換されます。

固定額から計算された価格と、納入ラインが同期されます。

販売価格単位の更新

外部オーダラインを使用して変更できるのは、販売価格単位のみです。販売価格単位をマニュアルで変更することはできません。また、オーダラインに最終納入が作成されている場合、販売価格単位は変更できません。つまり、オーダラインとリンクされている納入ラインを納入完了にしてはなりません。

納入後の価格の更新

オーダラインまたは納入ラインが納入されると、ラインの価格は直接更新できなくなります。納入後の価格および値引の変更 (tdsls4122m000) セッションまたは販売請求書ラインの価格および値引の変更 (tdsls4132m000) セッションでは、納入されているがまだ請求されていないラインの価格を更新できます。

これらのセッションには、その他の連番に適用チェックボックスが表示されます。このチェックボックスの設定によって、次のように処理されます。

  • このチェックボックスがオンの場合、このセッションで入力する修正済の価格または値引は、同じオーダと位置の他のライン順序でも更新されます。請求へ発行済のライン順序は、スキップされます。
  • 納入後の価格および値引の変更 (tdsls4122m000) セッションのオーダラインの価格または値引を更新する場合、このチェックボックスは利用できず、オンになっています。
  • 販売請求書ラインの価格および値引の変更 (tdsls4132m000) セッションのオーダ/納入ラインの価格または値引の更新時に、このチェックボックスがオンになっていると、オーダ/納入ラインにリンクされたバックオーダラインの価格フィールドと値引フィールドも更新されます。ただし、このチェックボックスがオンの場合にバックオーダラインの価格または値引を更新すると、このバックオーダにリンクされているバックオーダラインは更新されますが、(親の) オーダラインまたは納入ラインは更新されません。

外部オーダラインは納入後でも価格を更新できません。

販促

販促は、顧客にプレミアム品目または追加値引を提供するために使用します。

プレミアム販促

プレミアム品目が提供可能な場合、プレミアム品目の新しい販売オーダラインが作成されます。

販促値引

納入ラインがリンクされている販売オーダラインで販促値引を提供できる場合、販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションで合計販促値引が増やされ、金額が減らされます。ただし、販売オーダラインでは請求ができません。これは、販売オーダラインが複数の連番に分割され、販売オーダラインに表示されるのは合計数量と金額のみであるためです。このラインに対しては、ロジスティック上の処理または会計上の処理は行いません。このため、販促値引はリンクされている納入ラインにも登録されます。納入ラインに割り当てられている販促値引は、納入ラインのオーダ数量によって決まります。

販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションで金額を計算するために次の計算ステップが実行されます。

  1. 納入ラインの販促値引が算出されます。

    (販売オーダライン (tdsls4101m000) セッションの合計販促値引 ÷ 金額) × 販売オーダ計画納入ライン (tdsls4101m100) セッションのオーダ数量
                         
  2. 納入ラインの金額が算出されます。

    販売オーダ納入ラインの金額 - ステップ 1 の結果

販売オーダラインを EDI または外部オーダラインで作成する場合、販促は自動的に適用されません。EDI または外部アプリケーションで作成された販売オーダラインを開き、マニュアルで販促を割り当てる必要があります。