販売スケジュールの権限

販売スケジュール品目は、所要量タイプに基づいて出荷されます。ただし、確定所要量タイプは、以前に受領された計画済所要量タイプと差があってもかまいません。

権限を使用する場合、販売先取引先は、確定所要量タイプを通知する前に、一定の数量レベルまで商品を加工するか、または原料を購入する許可を付与します。このプロセスを使用すると、販売先取引先は、商品がコールオフされたかどうかに関係なく、加工または原料もしくは両方について支払う必要があります。

利用できる権限のタイプは次のとおりです。

  • FAB 権限
    販売スケジュールで必要とされる品目の数量の製造を開始する有効な権限
  • 高度 FAB 権限
    特定の販売スケジュールに関して取引先から与えられる最高の FAB 権限で、最新の累計リセット日からカウントされます。取引先は、製造されたが出荷されていない品目のこの数量について支払の義務があります。
  • RAW 権限
    販売スケジュールで要求されている品目数量の製造に必要な原材料を購入するための権限
  • 高度 RAW 権限
    特定の販売スケジュールに関して取引先から与えられる最高の RAW 権限で、最新の累計リセット日からカウントされます。取引先は、品目のこの数量について購入した原材料について支払の義務があります。
注意
  • 販売では、取引先から権限を受け取るため、FAB または RAW 権限値は計算されません。
  • FAB 権限と RAW 権限は資材発行についてのみ通知されます。
  • 高度 FAB 権限と高度 RAW 権限は、販売先取引先から通知されません。送付済の FAB/RAW 権限で最も高いものが検索され、これらの値が計算されます。
権限を受け取るには

販売先取引先から販売スケジュールに関する FAB/RAW 権限を受け取ります。このため、販売スケジュール (tdsls3111m000) セッションで受け取った FAB/RAW 権限は、取引先の購買発行ラインにリンクされている FAB/RAW 権限を反映します。販売スケジュールが承認されると、FAB/RAW 権限 (tdsls3134m000) セッションで受け取った FAB/RAW 権限が保存されます。

取引先が、LN を使用する場合、FAB/RAW 権限を決定する方法の詳細については購買スケジュール権限を参照してください。

権限をリセットするには

権限をどのようにいつリセットするのかは、スケジュール条件 (tctrm1131m000) の累計の同期チェックボックスの値によって異なります。

累計の同期はオンになっています。

外部構成要素から受信した累計データに基づいて累計を同期してリセットする場合、出荷累計は、販売発行を販売スケジュール (改訂)へ処理するとき、外部構成要素から受信した出荷累計で比較され同期されます。

出荷済累計レコードが検出された後、販売発行ライン (tdsls3508m000) セッションの顧客累計リセット日は、出荷済累計 (tdsls3532m000) セッションの累計リセット日の後にすることができます。この場合、権限をリセットする必要があります。

FAB および RAW 権限をリセットするには

権限をリセットするには、リセット数量を計算する必要があります。

この数量は次のとおり計算されます。

                  出荷済累計 (tdsls3532m000) の 出荷済累計 - 販売発行ライン (tdsls3508m000) の 出荷済累計
               

FAB/RAW 権限のリセットの例については、累計基準の外部構成要素データを同期するにはを参照してください。

累計の同期はオフになっています。

FAB 権限と RAW 権限は、長期にわたると、非常に高い値に増加することがあります。これらの値を減らすには、累計のリセット (tdsls3230m000) セッションで FAB/RAW 権限をリセットします。年度が変わる場合は、権限を正確にリセットできません。このため、リセット日の後に、FAB/RAW 権限 (tdsls3134m000) セッションで更新を保存することができます。リセット後の数量を計算することによって、リセット処理にこの値を含めることができます。

FAB/RAW 権限を正常にリセットするには、次の条件を満たす必要があります。

  • 累計のリセット (tdsls3230m000) セッションと累計のリセット (tdpur3230m000) セッションで FAB/RAW 権限をリセットする際、発注先と顧客は、同じ累計リセット日を使用する必要があります。
  • リセットは、顧客が送付した発行を発注先が受信して承認した場合のみ実行できます。そうでない場合、リセット日の後に処理される発行はリセット日が異なるため、発注先はこれを承認できません。
  • 発注先は、受領する発行を更新することはできません。また、マニュアルで新しい発行を作成することもできません。これは、リセットで誤った数量になる場合があるためです。
注意
  • 状況が不一致で、処理日が累計リセット日より前の調整レコードが存在する場合、販売スケジュールの FAB/RAW 権限をリセットすることはできません。販売スケジュール調整 (tdsls3131m000) セッションでは、販売スケジュール調整レコードを表示できます。
  • 販売スケジュール (tdsls3111m000) セッションに保存されている特定の販売スケジュール改訂の FAB/RAW 情報は、リセット処理中に更新されることはありません。履歴情報として保持されます。
FAB および RAW 権限をリセットするには
ステップ 1. リセット数量を決定するには

FAB/RAW 権限をリセットする場合、まずリセット数量が決定されます。リセット数量は、累計のリセット (tdsls3230m000) セッションで指定した累計リセット日より前の最後の FAB/RAW 権限レコードから取得されます。リセット数量の数量は、品目 - 販売取引先 (tdisa0510m000) セッションまたは販売契約ラインロジスティックデータ (tdsls3102m000) セッションで指定した累計モデル使用により決まります。

累計モデル使用に応じて、次のように決まります。

  • オーダ基準の場合、優先所要累計がリセット数量です。
  • 入庫基準の場合、入庫済累計がリセット数量です。
ステップ 2. 新しい FAB/RAW 権限レコードを作成するには

次の場合、FAB/RAW 権限 (tdsls3134m000) セッションで新しい FAB/RAW 権限レコードが作成されます。

  • リセット日が、累計のリセット (tdsls3230m000) セッションで指定された累計リセット日と等しい場合
  • 優先所要累計または入庫済累計がリセットされた場合

    累計モデル使用に応じて、次のように決まります。

    • オーダ基準の場合、優先所要累計がリセット数量で減算されます。
    • 入庫基準の場合、入庫済累計がリセット数量で減算されます。
高度 FAB 権限および高度 RAW 権限をリセットするには

高度 FAB 権限および高度 RAW 権限は、品目 - 販売取引先 (tdisa0510m000) セッション/販売契約ラインロジスティックデータ (tdsls3102m000) セッションの権限の処理パラメータの設定に基づいてリセットされます。

  • 翌期繰越
    高度 FAB 権限と高度 RAW 権限からリセット数量が差し引かれます。
  • リセット
    高度 FAB 権限と高度 RAW 権限は、FAB 権限と RAW 権限の値と等しくなっています。
繰越

累計リセット日より後の発行日で、すでに FAB/RAW 権限レコードが存在している場合、これらのレコードが次のように調整されてコピーされます。

  • FAB 権限高度 FAB 権限RAW 権限、および高度 RAW 権限がリセット数量で減算されます。
  • 古いリセット日が、新しいリセット日で置き換えられます。
リセット

累計リセット日より後の発行日ですでに FAB/RAW 権限レコードが存在している場合、次の処理が実行されます。

  • これらのレコードの FAB 権限および高度 FAB 権限が、FAB リセット数量で減算されます。
  • これらのレコードの RAW 権限および高度 RAW 権限が、RAW リセット数量で減算されます。
  • 古いリセット日が、新しいリセット日で置き換えられます。
  • FAB 期間 = 4 週間
  • 累計モデル = オーダ基準
  • リセット日 = 第 3 週開始
  • スケジュールラインはリセットが実行される前に生成される
  • スケジュールライン 2 は第 3 週に入庫する
  • スケジュールライン 3 は第 5 週に入庫する
翌期繰越を行う権限
ライン 1-ライン 2-ライン 3-リセット後の累計
-数量累計数量累計数量累計-
12020-20-2020
22040-40-4040
32060545-455
42080550-5010
520100555207030
6201205511057535
7--511558040
8--512058545
9----59050
10----59555

 

合計累計ライン 1累計ライン 2累計ライン 3リセット後の累計
累計開始0405010
FAB801108545
高度 FAB8011011070

 

リセット日は第 3 週に開始されます。オーダ基準累計モデルのため、リセットは優先所要累計に基づいて実行されます。第 2 週終わりのリセット数量は 40 です。「権限」 が翌期繰越の場合、権限累計はリセット日 (第 3 週) から -40 で更新されます。

ただし同じ例でも、繰越以外の権限リセットの場合、高度 FAB は更新されずに FAB 数量と等しくなります。計算は次のようになります。

合計累計ライン 1累計ライン 2累計ライン 3リセット後の累計
累計開始0405010
FAB801108545
高度 FAB8011011045