発注先段階的支払

段階的支払によって、顧客は購買オーダでオーダした商品が実際に入庫する前でも後でも、発注先に支払うことが可能になります。支払は一定期間にわたって行い、その総額を特定の日付に発注先に支払う必要があります。購買オーダ品目の請求フローは、その商品フローからは切り離されています。

発注先段階的支払は、長い納期、高価値、多くの設計、および固定価格といった特徴を持つ品目の場合に有用です。発注先が商品の入庫前に特定のタスクを完了する必要があるような場合に (たとえば設計文書やテスト結果の提供など)、その日付およびイベントを段階的支払に含めることができます。

段階的支払ライン記述期日金額
1最終設計の納入1 月 1 日300k
2最終テスト結果の納入7 月 31 日400k
3入庫と検査12 月 31 日300k

 

注意

発注先段階的支払を次の項目と組み合せて使用することはできません。

マスタデータ

発注先段階的支払を使用するには、導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0500m000) 詳細セッションで発注先段階的支払チェックボックスをオンにします。

オプションで、次のマスタデータを指定し、デフォルト設定として使用できます。

  1. 品目 - 購買 (tdipu0101m000) セッションで、品目の段階的支払による請求チェックボックスをオンにします。
  2. 分割払スケジュール (tcmcs2640m000) セッションで発注先段階的支払スケジュールを指定し、これを使用して段階的支払ラインのセットを見積依頼回答ラインおよび購買オーダラインに簡単にコピーすることができます。
  3. 品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000) セッションで、品目と購買取引先の組合せについて段階的支払による請求チェックボックスをオンにします。
  4. 見積依頼回答 (tdpur1506m000) または購買オーダライン (tdpur4101m000) セッションで品目と購買取引先の組合せに関するレコードを保存するときに、自動的に段階的支払ラインが生成されるようにする場合は、品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000) セッションの段階的支払スケジュールセットフィールドでデフォルトの段階的支払スケジュールを指定します。
手順
ステップ 1. 段階的支払ラインの作成

見積依頼回答 (tdpur1506m000) セッションまたは購買オーダライン (tdpur4101m000) セッションの段階的支払による請求チェックボックスがオンの場合、適切なメニュー発注先段階的支払をクリックして、発注先段階的支払 (tdpur5120m000) セッションで見積依頼回答または購買オーダラインに段階的支払ラインを指定できます。段階的支払ラインはマニュアルで作成することも、段階的支払スケジュールからコピーすることもできます。

段階的支払ラインの合計金額が、見積依頼回答または購買オーダラインの正味オーダライン金額と等しい場合にのみ、見積依頼回答の状況を受入済にすること、または購買オーダラインを承認することができます。見積依頼回答または購買オーダラインで正味オーダライン金額が変更され、リンクされている段階的支払ラインに割合が含まれている場合は、率および新規金額を基準にして、段階的支払ラインの金額が自動的に更新されます。段階的支払ラインに率ではなく金額が指定されている場合は、段階的支払ラインの金額をマニュアルで更新する必要があります。

見積依頼の変換 (tdpur1202m000) セッションで見積依頼回答を購買オーダに変換すると、見積依頼回答からの発注先段階的支払が購買オーダラインにコピーされます。変換中に購買元取引先間で数量を分割チェックボックスをオンにすると、正味オーダライン金額が見積依頼回答と購買オーダラインとで異なることがあります。見積依頼回答の段階的支払ラインに率が含まれている場合、購買オーダラインの率に基づいて金額が再計算されます。見積依頼回答の段階的支払ラインで率が指定されていない場合は、生成される購買オーダラインの段階的支払ラインの金額をマニュアルで更新します。

見積依頼回答について作成される段階的支払ラインの状況は、適用なしです。購買オーダラインの場合、作成される段階的支払ラインの状況は計画済です。このフェーズでは、段階的支払ラインおよび親オブジェクトを引き続き更新、取消、または削除することができます。

ステップ 2. 段階的支払ラインの発行

段階的支払ラインを支払うには、発行予定段階的支払ライン (tdpur5520m100) セッションでこのラインを買掛金に発行します。発行済段階的支払ラインの状況は発行済です。

段階的支払は、商品の入庫の前にも後にも発行できます。入庫と段階的支払発行との間にはリンクがありません。

買掛金で発行済の段階的支払ラインがまだ一致していないか承認されていない間は、段階的支払ラインの発行を取り消すことができます。

ステップ 3. 段階的支払ラインの請求

発行後、購買請求書入力 (tfacp2600m000) セッションで、段階的支払ラインが一致して承認されるようにする必要があります。段階的支払ラインの請求が承認されると、このラインの状況は請求済になり、請求額が指定されます。

請求が一致して承認されると、買掛金から段階的支払ラインが更新されます。

一致請求書は段階的支払別照合済請求書 (tfacp2543m300) セッションで表示できます。

ステップ 4. 段階的支払ラインの処理

納入済購買オーダの処理 (tdpur4223m000) セッションで購買オーダラインが処理されると、リンクされている請求済の段階的支払ラインの状況は処理済となります。

処理済の段階的支払ラインの履歴レコードは、発注先段階的支払履歴 (tdpur5570m000) セッションに書き込まれます。

ステップ 5. 段階的支払ラインの削除

購買オーダラインおよびその詳細、バックオーダ、および段階的支払ラインがすべて処理されると、このラインは購買オーダのアーカイブおよび削除 (tdpur4224m000) セッションで削除することができます。

見積依頼の削除 (tdpur1205m000) セッションで見積依頼回答を削除すると、リンクされている段階的支払ラインも削除されます。

注意

購買オーダラインの場合は、段階的支払ラインによって会計取引が書き込まれ、反転されます。

段階的支払ラインのペギング

段階的支払によって請求する必要のある品目でペグが必要な場合、段階的支払ラインが承認されると、購買ペグ配分 (tdpur5100m000) セッションでペグ配分が段階的支払ラインにリンクされます。特定の購買オーダラインおよび段階的支払ラインの場合、段階的支払ラインの金額は、プロジェクト/予算、プロジェクト要素、プロジェクト活動の組合せの配分ラインに配分されます。購買ペグ配分 (tdpur5100m000) セッションのペグ情報には、配分におけるペグのライン番号、ペグ (プロジェクト、要素、活動)、およびペグによる段階的支払金額が含まれています。

購買オーダラインの段階的支払ラインの更新

購買オーダラインが承認されており、リンクされている発注先段階的支払の記述金額、または期日フィールドを変更した場合:

  1. 購買オーダの状況修正済に変更されます。ただし、入庫手順の購買オーダが離れすぎている場合、購買オーダの状況は変化しません。
  2. 購買オーダライン状況 (tdpur4534m000) セッションで購買オーダの出力 (tdpur4401m000) 活動の状況が変更になります。これは、購買オーダが変更済であり、再出力可能であることを示します。購買オーダライン状況 (tdpur4534m000) セッションは、購買オーダライン (tdpur4101m000) セッションの適切なメニューにある購買オーダライン状況をクリックして開始できます。
注意

購買オーダの出力 (tdpur4401m000) セッションの購買オーダを再出力するには、事前に修正済購買オーダを承認する必要があります。

段階的支払ラインの訂正

請求額を貸方に記入するには、発注先段階的支払 (tdpur5120m000) セッションで段階的支払ラインをマイナスの金額で追加します。訂正段階的支払ラインを指定した場合、段階的支払ラインの合計金額が正味オーダライン金額と等しい必要はありません。訂正段階的支払ラインも発行、請求、および処理する必要があります。

訂正段階的支払ラインは、次のような状況で指定できます。

  • オーダラインについて入庫が実行され、非承認ができなくなっている
  • 購買オーダライン (tdpur4101m000) セッションで購買オーダラインについて取消の処理中が選択されている
段階的支払の概要と発行ワークベンチ

発注先段階的支払概要 (tdpur5520m000) セッションを使用して、発注先段階的支払の概要を表示できます。

発注先段階的支払発行ワークベンチ (tdpur5520m200) セクションを使用すると、購買オーダラインの発注先段階的支払ラインを表示および操作できます。