調達のプロジェクトペギング

プロジェクトの原価、需要、および供給を特定するために、プロジェクトペギングを実装できます。また、プロジェクトペギングが必要な品目を指定できます。詳細は、次の情報を参照してください: プロジェクトペギングの概要

注意

プロジェクトペギングを原価分割と組み合せて使用する場合は、導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000) セッションで原価分割チェックボックスをオンにする必要があります。詳細は、次の情報を参照してください: 原価分割

調達でのプロジェクトペギングには、購買伝票 (要求、見積依頼、購買オーダ、および購買 (プッシュ) スケジュールなど) のプロジェクト原価のペギングが含まれます。購買伝票に指定された品目にペグが必要な場合、ペグ配分をこの伝票にリンクする必要があります。この結果、親伝票の所要数量が、プロジェクト/予算、プロジェクト要素、またはプロジェクト活動の組合せの配分ラインに配分されます。たとえば、購買オーダラインのオーダ数量をペギングするために配分が使用される場合、購買品目および関連原価の記帳は、これらのプロジェクト、要素、および活動を対象に行われます。

ペグ配分の生成

購買伝票ラインを保存すると、ペグ配分を購買ペグ配分 (tdpur5100m000) セッションで生成できます。ペグ配分はマニュアルで指定することも、他の伝票から自動的にデフォルトで取得することもできます。

次の表に、配分ラインに格納される伝票、および関連フィールドを示します。

ペグ配分の伝票タイプ ビジネスオブジェクト 伝票参照
見積依頼ライン 見積依頼番号位置/代替
見積依頼回答 見積依頼番号位置/代替/入札者
要求ライン 要求番号位置
購買オーダライン オーダ番号位置/連番
購買オーダ入庫 オーダ番号位置/連番/入庫連番
購買オーダ資材供給ライン オーダ番号位置/連番/資材連番
段階的支払ライン オーダ番号位置/段階的支払ライン
購買スケジュールライン スケジュール番号位置
購買スケジュール入庫 スケジュール番号位置/入庫連番

 

ペグの統合

購買オーダライン/スケジュールラインがプロジェクトペギングされる場合、ペグの統合はプロジェクトの組合せチェックを前提とします。共通情報のプロジェクトペギングに指定されている統合ルールにより、異なるペグを持つ複数のラインを 1 つの購買オーダラインまたは購買スケジュールに統合可能かどうかが決まります。一般に、統合は、リンクされたプロジェクトの統合ルールを含む計画グループによって実行されます。ただし、輸出承認書必須品目の統合はプロジェクトによって制限されています。つまり、プロジェクトが異なる場合、個別の購買オーダラインまたは購買スケジュールが作成されます。統合をさらに制限するために、統合例外を指定できます。これは統合から実行する必要のあるペグです。

活動 10 を持つプロジェクト 1 と活動 20 を持つプロジェクト 1 には、輸出承認済品目に関する要件があります。

  • 例外がない場合: 2 つの配分ラインを持つ購買オーダラインが 1 つ作成されます。
  • 一方または両方の活動について例外がある場合: プロジェクトペグごとに購買オーダラインが 1 行、つまり 2 行の購買オーダラインを持つ購買オーダが 1 つ作成されます。
注意

ペグの統合が不可である場合は、企業計画からスケジュールラインを生成するときに、新しい購買スケジュールヘッダを作成する必要があります。したがって、同じ品目、購買元取引先、出荷元取引先、購買オフィス、および倉庫が含まれる複数の有効なスケジュールが利用可能です。

ペグデータの処理

購買商品および関連原価が 1 つのプロジェクトにのみ記載される場合、ペグは購買オブジェクトラインに表示されます。ラインが保存されると、ペグ配分用の配分ラインが 1 行作成されます。ペグフィールド、数量、またはオーダ金額は、伝票ラインおよび配分ラインを同期する前に、それらのラインの両方で更新できます。ペグ配分にその他のペグ (配分ライン) が指定されている場合、親伝票ラインのペグフィールドが空になり、数量またはオーダ金額が使用不可になります。ペグ配分の数量またはオーダ金額の合計は、親伝票ラインの数量またはオーダ金額に更新できます。ペグ配分の合計数量が親伝票ラインの数量と異なる場合、親伝票ラインの更新について次のメッセージが表示されます: ペグ配分の数量がライン合計と一致しません。[合計] を更新するには [OK] をクリックしてください。

プロジェクトペギングパラメータ (tcpeg0100m000) セッションのマニュアルプロジェクトペグ修正チェックボックスがオンの場合、ペグ配分に影響するすべてのマニュアルのアクションについて、ペギングされている伝票にマニュアルプロジェクトペグ修正を指定する必要があります。プロジェクトペグの変更および理由コードは、原価ペグ監査履歴 (tpctm2500m000) セッションで分析用に記録されます。

注意
  • 理由コードは、ペグ配分全体に適用されます。したがって、ペグ配分のあるラインを変更すると、理由コードがペグ配分のすべてのペグに適用されます。
  • 変更理由が必要な場合、メッセージが表示されます。セッションに応じて、フィールドまたはウィンドウに変更理由を指定します。変更理由を指定しない場合、ペギングされた購買伝票の保存はできません。
倉庫入庫

一部入庫の場合、最高優先順位のペグで数量が取得されます。ペグの優先順位は、必要な購買ラインについて企業計画で指定された計画所要日および所要数量に基づきます。計画所要日が最短のペグが高優先順位になります。

企業計画から計画所要日および所要数量を取得できない場合、次の項目が適用されます。

  • 購買オーダライン
    優先順位は、入庫オーダラインのペグ配分に指定された日付に基づきます。
  • 購買スケジュールライン
    優先順位は、購買スケジュールラインのペグ配分の日付に基づきます。スケジュールラインは個々の入庫オーダラインにリンクされません。これは、プッシュスケジュールの場合、商品はブランケット倉庫オーダに基づいて入庫され、スケジュールヘッダにリンクされるからです。所要数量の入庫処理中に、スケジュールラインについて入庫する合計数量と一致するペグが、入庫処理で使用する目的で倉庫管理に転送されます。これらのスケジュールラインは、ライン位置および (最も古い) 計画入庫日に基づいて転送されます。生成された入庫ラインのペグ配分は、スケジュールラインの (総計) ペグ配分のサブセットです。

入庫が確認されると、ペグ配分 (オーダライン) またはペグ配分データ (スケジュールライン) が、入庫ラインから購買オーダ/スケジュール入庫にコピーされます。購買オーダ/スケジュール入庫のペグ配分を更新することはできません。

倉庫管理で入庫ラインの入庫訂正または検査が実行された場合、ペグ配分に指定された優先順位に基づいて、ペグ配分ラインも修正済数量に更新されます。倉庫管理の入庫配分ラインフィールドに基づいて、購買ペグ配分 (tdpur5100m000) セッションで関連する配分ラインが更新されます。

購買入庫

部分的な購買入庫および請求書処理では、優先順位ルールは使用されません。部分的な購買入庫はペグ配分ラインに比例配分されます。購買入庫のペギング情報は更新できません。ただし、親伝票ラインおよびリンクされた配分ラインにオーダ金額が含まれ、かつオーダ数量が含まれていない場合、入庫後の価格および値引の変更 (tdpur4122m000) セッションで入庫後にオーダ金額を変更できます。オーダラインの入庫金額が変更された場合、金額変更はペグ配分ラインに比例配分されます。

備考および関連処理
  • 処理
    計画在庫処理、資材処理、および (財務) 統合取引は親伝票ラインでは生成されませんが、ペグ配分では生成されます。そのため、処理はペグによって帳簿に記載されます。
  • オプションのペグ配分
    プロジェクトペギングが実装されているが、品目に対してプロジェクトが必須でない場合は、オプションでペグ (配分) を指定できます。
  • カタログから生成された要求
    購買要求ラインがカタログから生成され、選択した品目にペグが必須の場合、ペグ配分なしで要求ラインを挿入できます。要求が承認用に提出される前には、購買配分が利用可能であるかどうかはチェックされません。
  • ペグ配分および見積依頼回答ライン
    入札者が見積依頼にリンクされた後、レコードが見積依頼回答 (tdpur1506m000) セッションに挿入されますが、ペグ配分はリンクされません。見積依頼ラインのペグ配分は、状況が受入済に設定されると回答ラインにコピーされます。状況が受入済の回答ラインにリンクされているペグ配分は、更新できません。
  • 追加情報フィールド
    要求ライン、見積依頼ライン、購買オーダラインなどの購買伝票ラインが自動的に生成またはマニュアルで作成されており、そのラインがプロジェクトペギングされている場合は、リンクされている (プロジェクト) 契約ラインに関して指定された追加情報が検証されます。プロジェクト契約ラインの追加フィールドの情報は、購買伝票ラインの追加フィールドに転送されます。ただし、追加情報定義 (tcstl2100m000) セッションで両方のテーブルに同じ追加フィールド名が指定されている場合に限ります。次を参照してください。 プロジェクトペギングされた購買伝票の追加情報
  • 輸入仕入原価
    ペグ配分が設定されているオーダ/スケジュールラインに輸入仕入原価をリンクした場合、オーダ/スケジュールラインにリンクされているペグ配分に基づいて、輸入仕入原価がペグ別に比例計算され、統合取引 (tfgld4582m000) セッションに転送されます。
  • 発注先段階的支払
    ペグを必要とする品目が発注先段階的支払によって請求される必要がある場合、ペグ配分は段階的支払ラインにリンクされます。購買オーダライン/段階的支払ラインを組み合せる場合、段階的支払ラインの金額は、配分ラインに配分されます。段階的支払ラインが承認されるとペグ配分が作成され、段階的支払ラインが承認されなかった場合は削除されます。詳細は、次の情報を参照してください: 段階的支払ラインのペギング
  • 資材フローで外注
    プロジェクトペギングオーダの場合、作業または品目を外注できます。資材フローを伴うプロジェクトペギング外注オーダの場合、ペグ配分がこの購買オーダ資材供給ラインにリンクされます。詳細は、次の情報を参照してください: 作業手順および品目外注のためのペギング資材供給ライン
  • バックオーダ
    バックオーダラインは、独立したオーダラインとして扱われます。バックオーダ作成中に、購買ペグ配分 (tdpur5100m000) セッションの親配分ラインフィールドに、オリジナルの配分ライン番号が指定されます。バックオーダラインのペグ配分ラインは変更、追加、および削除することができます。バックオーダラインペグは、親オブジェクトラインペグと等しい必要はありません。ただし、バックオーダラインが品目外注の購買ラインにリンクされている場合、新規ペグの追加や、バック購買ラインにリンクされている配分ラインのプロジェクト、要素、または活動の修正はできません。
  • 返品オーダ
    ペギングした商品が返品された場合、特定の条件を適用できます。詳細は、次の情報を参照してください: Pegging (return inventory)およびPegging (return rejects)